【掲示板】


ヘリコニア談話室ログ(2002年5月)


すみません、勘違いでした。 投稿者:アレクすて 投稿日: 5月31日(金)22時40分00秒

管理人様、すみません、僕の勘違いでした。ケダさまのリンクされた記事を、僕は、「最終回」だと、勘違いしてしまったのです。(本当に、馬鹿だ、よく読めばわかるのに)。
と、いうわけで、最終回は、読んでないのです、すみません(頭を下げる)。
本当に、すみません!


最終回 投稿者:管理人 投稿日: 5月31日(金)22時04分13秒

>高野史緒さん、ケダさん、アレクすてさん
お言葉ありがとうございました。

奥様が永眠された28日、午後から眉村さんは、「最終回」を書き上げられ、結局1778編で《日課・一日一話》を完結されたとのことです(毎日新聞による)。
アレクすてさんは「最終回」お読みになったのですね。私も読みたいです。もしよろしかったら畸人郷例会のときにでもコピーを持ってきていただけませんか>アレクすてさん。
とまれ、5年間ご苦労さまでした、と心より思います。きっと奥さまも、ありがとう、と思っていらっしゃることでしょう。

さて――
ということで――
前向きの話です。
眉村先生にはこれから、ふたたびわれわれ一般のファンのために、新作を書いていただかねばなりません。司政官の新作やジュヴナイル長篇、日常の幻想短篇など、読ませてほしい話はいっぱいあります。
何から取り組まれるのか興味津々ですが、眉村さんの新たな挑戦に大いに期待したいです(^^)。


黙とう 投稿者:アレクすて 投稿日: 5月31日(金)02時20分24秒

管理人様、
僕も、ご冥福を祈らせてもらいます。
しかし、第1778話 最終回には、ただ涙。


お別れ 投稿者:ケダ 投稿日: 5月30日(木)08時45分51秒

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20020528k0000e040060001c.html


bP777 投稿者:管理人 投稿日: 5月30日(木)01時11分37秒

    けさも書く
                       眉村 卓

 早朝、彼は病院を出て、近くの喫茶店に行った。
 妻は意識不明だが、この数時間容態は変わらない。もしも急変があれば、ベッドの脇にいる娘が、病院の公衆電話から彼の携帯電話に掛けてくれるであろう。
 妻が病気になってから彼は、気持ちを引き立たせるためにと、毎日一編、短い話を書き続けてきた。
 そういう目的のためのものだから、妻が暗い気分になったり顔をしかめたりする話は、極力書かないようにしていた。それともうひとつ、現実引きうつしは排除して作り話にすると約束したのだ。
 読んで妻は、あははと笑ったりにやりとするときもあるが、ときには不出来のためのクレームを出す。クレームがもっともな場合は別のアイデアで書き直すのだ。また、いい作り話が出て来ないと、約に反してエッセイまがいの作品になってしまい、妻に、
「これ、エッセイやんか」
 といわれたりした。
 原稿は基本的には家で書くものの、妻が病院で点滴を受ける日など、同行した彼は、病院の傍の喫茶店で書くのがならいだったのだ。
 最初のうちはともかく、妻にとって、毎日そんなものを読まされるのは、迷惑であり負担であったかもしれない。しかしすでに行事になっており、中断したらよくないことが起こりそうで、ずっと続けてきたのである。
 月日が経ち、しだいに病状悪化した妻は、通っていた病院に入院した。
 いったんは持ち直したかに見えたが、その後、急速に悪化していった。
 それでも彼は毎日書き続け、もう自力では読めない妻に、声を出して読んだのである。妻はうとうとしながらも聞いてくれた。
 だが、妻が意識不明になってからは、それも叶わなくなった。この二日ばかり、書いただけで、聞かせることは諦めなければならなかったのだ。
 そして、きのうからきょうにかけて、妻の終末は明白になっている。
 にもかかわらず、というよりそれだからこそ彼は、書くために、携行用の原稿書き道具をもって、この喫茶店に来たのであった。
 セルフサービスのトーストとコーヒーの盆をテーブルに置くと、彼は想を練り始めた。
 ここで書いた日が、よみがえってきた。
 その頃は、書き終えて病院に戻ると、大抵は先に点滴を済ませて待っていてくれたのだ。
 いや、そんなことを思い出して何になろう。
 お話だ。
 聞いてもらえないのはわかっているけれども、お話を書かねばならない。
 考えた。
 アイデアは出てこない。
 早く病室に帰らなければと思えば思うほど頭の中が空白になるのである。
 彼は焦った。
 その彼の眼前で、モーニングセットの盆を手に通った若者が、たまたま足を滑らせて転んだのであった。
 書くとしたらこれ位しかない。
 彼は、その瞬間までの心境と、そのハプニングによって起きた奇妙な心の混乱を、題材に、書き上げたのであった。

 病室に帰りつくと、出たときと同様、妻は深い眠りの中にあった。医師によればもはや痛みもほとんど感じていないだろうという、いっときの低空飛行をしているのだ。
「出来た?」
 と娘が尋ね、彼は頷いた。もっとも、娘は原稿の内容そのものには興味がなく、母親と父親のこれまでの行事を尊重しているのである。
 彼が帰り着くと、今度は娘が食事に行く番であった。
 彼は、書いた原稿を窓枠に置き、妻のベッドの横に腰を下ろす。
 妻は相変わらず、もはや覚めることのない睡眠を続けている。
 疲れていた。
 当然ながら、看病による寝不足でもあった。
 ベッドの枠にもたれて、うとうとしたのだ。
 何かの気配に、彼は顔を挙げた。
 振り返ると、少し空けてあった窓からの風で、原稿が散り、ばらばらになって床に落ちたのである。
 彼は拾いにかかった。
 そのとき。
「それ、エッセイやんか」
 という、まぎれもない妻の声が聞こえたのだ。
 元気だった頃の、張りのある声。
 彼は、ベッドの妻を見つめた。
 妻はただ眠っているばかり。
 だが、たしかに声は聞こえたのだ。
 彼はわれに返った。
 幻聴だろう。
 でも、幻聴でもいいではないか。自分にとっては、本物の妻の声だったのだ。自分には、本当の声だったのだ。
「ごめん、ごめん。悪かった」
 彼はベッドの妻に声を掛けながら、原稿の拾い集めを再開したのである。
                         (一四・五/二七)

――毎日新聞5月29日付朝刊より、眉村先生の許可を得て転載。


(無題) 投稿者:管理人 投稿日: 5月29日(水)16時17分33秒

眉村卓先生の奥様、村上悦子さまのご葬儀が、下記の次第で行われます。


さっき知りました 投稿者:管理人 投稿日: 5月29日(水)14時17分09秒

青天の霹靂です。
つつしんでご冥福をお祈りいたします。

ご葬儀の日程は以下のとおりです。

お通夜 5月29日 午後7時〜
告別式 5月30日 午前11時〜12時
大阪市東住吉区長居公園1−32 臨南寺会館紫雲殿

弔電> 臨南寺会館紫雲殿 電話:06-6698-3377 ファックス:06-6698-3385
弔花等>下記から申し込んでください
  株式会社 公益社 西田辺営業所
  電話:06-6623-0621
  FAX :06-6624-2771

よろしくお願いします。私はとりあえずお通夜には行きます。


新聞見ました〜 投稿者:高野史緒 投稿日: 5月28日(火)22時43分27秒

眉村さんの奥さま、悦子さんが亡くなられたとのこと。お悔やみ申し上げます。
「一日一編」のショートショートというのは、病床の奥さまのために始められたものだということを初めて知りました。
誰にも真似のできない愛ですね……なんかもう……言葉が見つかりませんが。
これからはきっと悦子さんが、天国から眉村さんへ執筆の霊感を送ってくださることでしょう。


『明日にとどく』所収(ただし絶版) 投稿者:管理人 投稿日: 5月28日(火)21時47分46秒

小森長生『火星の驚異――赤い惑星の謎にせまる(平凡社新書)読了。感想はまた後日。
この著者はSFファンと見た(笑)。作中に言及されたSF>ウェルズ「宇宙戦争」、KSロビンスン「レッドマーズ」「グリーンマーズ」「ブルーマーズ」、クラーク「木星第五衛星」、ブラッドベリ「火星年代記」。

「木星第五衛星」というのが濃いです(^^;
編集済


南湖さんの探偵講談 投稿者:管理人 投稿日: 5月27日(月)22時08分15秒

アレクすてさん
昨日はお疲れさまでした。私も0時頃帰宅しました。寝ればいいのに、子供に付き合ってK−1を見てしまいました。結局3時頃就眠しましたが、酔うのせいかうつらうつらで寝た気がしません(^^;。今日は一日だるかったです。

それはさておき、昨日の南湖さんの探偵講談の会は大盛況でしたね。前回の倍以上のお客様でした(^^)。
用意したイスが足らず、なんと中さんが後ろでイスの増設をしていたそうです。そういえばなにやらがたごとと騒々しかったです。パンフレットも足りなくなって急遽コピーに走ったとか。
探偵講談、順風満帆にして、いよいよ前途洋々でありますな。善哉善哉。

さて今回の演目は、まずは寛政力士伝より「雷電の初相撲」。いわゆる講談の古典でしょうか。これは軽妙でめちゃ面白かったです。一種ドタバタ的な誇張(デフォルメ)は筒井康隆に通じますね。こういうのが正調講談だとしたら、講談ってほんとうに面白いものなんですね、いや認識を改めました(^^;。

「雷電」が終わっても南湖さんは高座に座ったままです。休憩がてら、営業がてら?雑談風に券を売りつけたり南湖グッズを押しつけたり(ウソ)しておりますうち、やおら張り扇をバンバンと叩き、
「探偵講談 乱歩の二銭銅貨」に入ります。乱歩の作風が講談の口調と合うのか、すっと引き込まれます。もともとストーリーが一本通っている話ではないのですが、南湖さん上手に整理されていて、原作を読んだことがない人もとまどうことはなかったでしょう。問題の暗号は、すっと流してことさら解説することはしなかった。私は図を張り出すとかプリントを配るとかするのかなと思っていたのですが、原作を読んでない人には何をしたってにわかには理解できないでしょうから、これでよかったのかも。私自身はトリックはともかくストーリーはほとんど忘れていたので、聞きながら、ああそうだった、と思い出しつつ、楽しみました。南湖さん自身は、すこし不満足だったようですが、なんのなんの大変おもしろかったです。

恒例の芦辺拓さんと南湖さんの対談は、南湖さんが2席ぶっつづけに演じて放心気味で、ほとんど芦辺さんの独演会でした。それもまた善きかな(^^;。

うちあげの方も13名も残っていただけて、こちらも盛会となりました。
宴席で、南湖さんは眉村先生の大学を卒業された方ですが、眉村さんの講義は(学部が違うので)履修されなかったとのこと。履修しておけばよかった、とおっしゃっておられました。残念(^^;ゞ
例によって田舎ものの私は終電の関係で中途退席しましたが、それ以後も宴会は(きっと)果てることなくつづいたのでありましょう。みなさまお疲れさまでした。次回7月28日にお会いしましょう。


今、かえってきました。 投稿者:アレクすて 投稿日: 5月27日(月)00時44分50秒

と、言うのは、誇張ではありますが、嘘では、ありません。
(一服していたのです)。旭堂南湖さんの講談の会、とても、面白かったです。
初めて尽くしで、よかったです。暗号のシーンを、どうやって、表現するのか、興味あった
のですが、あれよ、あれよと聞き入ってしまいました。
そのあとの、打ち上げも楽しかったです。
どうも、ありがとうございました。ではでは。


探偵講談 投稿者:管理人 投稿日: 5月25日(土)22時27分54秒

今、アレクすてさんから確認の電話がありましたので、再掲します。
旭堂南湖さんの探偵講談は明日ですよ。皆さまぜひお越し下さい!
アレクすてさんと6時に旭屋で待ち合わせますので、行ってみたいけど場所がわかりにくい、という方は集合場所へお越し下さればと思います(^^)。

旭堂南湖さんの講談の会のお知らせ。

5/26(日)『第五回 名探偵ナンコ』ーよみがえれ!探偵講談ー
 会場/Team火の車稽古場 (旧関テレ)
 開場/6:00 開演/6:30 料金/1500円(名張名物・二銭銅貨煎餅付き)
 出演/旭堂南湖「長講 探偵講談 二銭銅貨」(原作・江戸川乱歩)、「雷電の初相撲」(寛政力士伝)
 ゲスト・芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」


○終演後、かるく打ち上げをする予定(のはず)です。お時間の許す方はどうぞご参加下さい。
編集済


新刊棚で 投稿者:管理人 投稿日: 5月25日(土)18時40分57秒

『眉村卓のタイムマシン』(講談社)を購入。
わが田舎町の本屋さんにも入荷してました(^^)\
<シリーズ・冒険>全8巻の4巻目です(定価1200円)。表紙カバーが上品でよいですね。

個人的には、「タイムマシン」よりも「宇宙戦争」を読み返したいと思っている今日この頃(^^;。


最新太陽系像 投稿者:管理人 投稿日: 5月25日(土)14時35分42秒

井田茂『惑星学が解いた宇宙の謎』(洋泉社・新書)読了。
5月23日に出たばかりの、ということはつまり、(現在のところ)日本で最新の惑星学の現状を概観した本と言えます。

概論だけに、ほんのさわり程度ですこし物足りないですが(新書ですから当然ですが)、まず宇宙論の歴史と到達点がしめされ、しかる後、宇宙のなかでの太陽系の形成→地球の誕生→他の地球型惑星の誕生→巨大惑星の誕生→太陽系外の惑星の発見→惑星学の今後の展望と論が進みます。つまり、大から小へといわゆる水道方式になっているので、非常に理解しやすい。

百花繚乱の宇宙論、太陽系形成論の歴史、天体物理学の進展が観測手段の進化と相関的であることなど、古代史、邪馬台国論と考古学その他の技術の進展の関係に似ていて興味深い。

著者の立場はいわゆる「平民論」。太陽系の形成→地球の誕生→知的生命体=人間の誕生は、ごくふつうの現象という立場だ。これに対して「選民論」(ソウヤーがよく描くような「宇宙の人間原理」と呼ばれる立場)が10年ほど前にもてはやされた。
私は松井孝典の著作が刺激的で、集中的に読んだことがあるのだが、本書には一回言及されるだけ。そういえば松井は「選民論」でした(^^;。

太陽系外惑星の発見が、観測方法の進展にしたがってずいぶん成果を上げていること本書ではじめて知った。太陽系とはかなり異質なその世界像はとても謎めいていて魅惑的。今後どのような一般化がなされて太陽系と他星系を統一する形成論が「平民論」的に生み出されるのか、楽しみです。


先日なくなったR.A.ラファティさんのファンサイト 投稿者:管理人 投稿日: 5月24日(金)22時16分15秒

「とりあえず、ラファティ」主催の松崎さんから、追善翻訳ファンジン(らっぱ亭奇譚集・その壱)を頂戴しました。松崎さん、ありがとうございました(^^)。ご仲介くださった河本さんにもお礼申し上げます。
読んだら、拙い感想でも述べさせていただきますね。
これからもよろしくお願いいたします。


ミランコビッチ・サイクル 投稿者:管理人 投稿日: 5月24日(金)21時57分27秒

今日買ってきた井田茂『惑星学が解いた宇宙の謎』(洋泉社・新書Y)には、自転軸の数度の振動によって、氷河期が引きおこされたといわれているとありました。

気候変動>簡単に考えていましたが、そんな単純な因果ではないようですね(^^;→ミランコビッチ・サイクル(1) (2)


出ましたか! 投稿者:管理人 投稿日: 5月23日(木)21時06分55秒

Yさん

さっそくbk1を見たら・・・おお、掲載されていますねえ→眉村卓のタイムマシン
ちょうど週末にまちに出るので、そのとき買ってきますね(^^)。

うちもトップページで掲示しなくては(>これも週末ですな)


タイムマシン 投稿者:Y 投稿日: 5月22日(水)23時25分11秒

出ましたね。大人向けのデザインになってました。
前に出たシリーズのセレクション、という感じでしょうか。
(アドレス忘れちゃいましたが講談社のHPに解説あり)


太陽活動と気候変動の相関 投稿者:管理人 投稿日: 5月22日(水)21時57分44秒

について、少し検索してみました。

地球温暖化の原因は太陽の磁場変動
氷河期は, 太陽の軌道要素(地軸の傾きや離心率)の変化によって起こった
未解決の問題
黒点数と氷河期が一致する記録もあるが、地域や期間により異なり、密接な関係は認められていない

結局、関係はありそうですが、決定的な説明はまだできてないようです。

まず太陽が常時同じ活動状態にあるわけではない、ということは素人目にも何となく納得できるのですが、太陽活動の変動を説明する理屈は確立されているのでしょうか?
次に、地軸の傾きや離心率の、少なくとも氷河期からこっちの変化ってちゃんと判っているのでしょうか?


なんちう試合や(呆) 投稿者:管理人 投稿日: 5月21日(火)22時14分29秒

アレクすてさん

どうもお疲れさまでした。長々と引っ張って申し訳なかったです。

>昨日は、繋げず
それはよい傾向です(^^; お互い、ネットの繋ぎすぎには注意しましょう!!

地球温暖化のウソで思い出したのですが、私の記憶が確かなら、そもそも地球が寒冷化したり温暖化する根本的な原因を説明する異常気象の概説書って、少なくとも私は読んだことがないように思います。
たとえば、氷河期ですが、それが「あった」というア・プリオリから出発しているものが大半ではないでしょうか。なぜ氷河期という現象が起きたのか、を私は知りたいのですが、何を読めばいいのでしょう? ご存じの方教えて下さい。

私は、虚心坦懐に言って、太陽の活動と相関しているのではないか、と疑うのがもっとも自然ではないかと思うのですが。太陽が変光星であるとは聞いたことがないですが、微妙に活動に強弱があることは太陽黒点の活動からして間違いのないところ。太陽活動と地球の温暖化、寒冷化の因果関係を論じた本はないものでしょうか>いや、きっとあるんでしょうね、私が知らないだけで(^^;ゞ
編集済


遅れまして、どうも、すみません。 投稿者:アレクすて 投稿日: 5月20日(月)23時35分01秒

畸人境例会では、ありがとうございました。
アレクすてでございます。土曜日、大熊様と別れてから、帰宅すると、12時で、
バタンキュウと眠ってしまいました。
で、昨日は、繋げず、今日の挨拶となったわけです。ごめんなさい。
例会は2次回までいて、とっても楽しかったです。ではでは。


あっぱれ、ニッポン賢婦人 投稿者:管理人 投稿日: 5月20日(月)19時40分17秒

土田さん

>読まなきゃ。
ぜひぜひ(^^)
この話はですねえ、一言で言えば、あっぱれ、ニッポン賢婦人なんですよ(^^;
私が編集者なら、これを帯の惹句に使うんですけどねえ(>駄目ですかそうですか)。

野尻抱介『太陽の簒奪者』(ハヤカワSFシリ−ズ・Jコレクション)

2006年、高校2年生の天文部員、白石亜紀は水星の太陽面通過を観測中、水星の赤道部分から立ち上がり、水星直径の約3倍まで延びる奇怪な塔状の物体を目撃した。それが彼女の後半生を数奇な運命に巻き込む<事件>との、まさに<運命的>な邂逅であった。・・・

それは何者かが、水星を解体し材料にして、太陽を取り巻く直径8000万キロのリングを形成しようとしていたのだ。リングが形成されるにつれ、日照量が減少、地球は寒冷化にむかう。

2021年、目撃をきっかけに科学者となった白石亜紀は、地球の危機的状況を救うための破壊ミッションをになう宇宙艦の搭乗員となっていた。
彼女はリングに降り立ち、リングが、あとからやってくる異星人の移住船団のブレーキの役目を担うものであることを突きとめ、さらにその破壊に成功する。その功績により、白石亜紀はノーベル平和賞を受賞。
やがて、異星人が1380年に44光年離れた母星を出発したものであることも分かる。

2041年、いよいよ異星人の宇宙船が太陽系に姿を見せた。時に51才の白石亜紀はコンタクト艦の艦長として高速で接近してくる異星船に向かって出発するのだったが・・・

――本書はオーソドックスなファーストコンタクトテーマのハードSFである。
併し私には、それ以上に、人間の営為とはなにか、人間の生涯とは何か、に思いを馳せさせてくれるものだった。
本書は、いわばごくふつうの高校生の少女が、運命的なきっかけで、関わってしまった35年にわたるミッション(使命)の、始まりからその終了までを描いた話として読める。
本来なら、白石亜紀は、高校を卒業し大学を出、恋愛をして結婚し、母親となり・・・というきわめてありふれた、しかしそれなりに自足した後半生を送ったのかも知れない。

ところが、水星から立ち上がる塔を観測した瞬間から、その人生は全く異なる方向へ向かってしまう。その35年は、まさにいまだ見ぬ異星人という恋人以外のすべてを(両親さえ)捨て去る35年だった。ある意味残酷な選択なのではないだろうか。

とはいえ、私はどちらがいいとか悪いとか言っているのではない。ひょんなことから人生が180度変わってしまう<ふしぎ>を、本書は描いているように思われてならない。

一方、地球人によって、異星人の未来も180度変わってしまうのであり、結果的に一万年を越えてしまった異星人の移住ミッションも、やがて終了するのであるが、かかるふたつのミッションが交差する、言い換えれば<天文学的時間>と<日常的時間>の交差を現前させる感動のラストは、まさにセンス・オブ・ワンダーの醍醐味であり、めくるめく時間的感覚に圧倒されるのみ。
編集済


読まなきゃ 投稿者:土田裕之 投稿日: 5月20日(月)07時01分27秒

「太陽の簒奪者」傑作ですか。
ぼくも買うだけじゃなく、読まなきゃ。


「太陽の算奪者」 投稿者:管理人 投稿日: 5月19日(日)23時15分40秒

読了。35年に亙ったプロジェクトの終了に烈しく感動。傑作!!


野尻抱介 投稿者:管理人 投稿日: 5月19日(日)10時44分55秒

昨日は畸人郷例会。なかなか盛況でした。
久しぶりにアレクすて氏と席が隣になり、えんえんとSF話。
『太陽の簒奪者』を買って行ったのですが、当会でもなかなか好評で(傑作という声もあり)、貸して、と持ち帰られそうになるのを危うく取りかえしましたウソです(^^;

関裕二『検証 邪馬台国論争』(ベスト新書)

「邪馬台国論は江戸時代に始まり、いまだに結論が出ていない」(本書カバー)。本書では、その百家迷走する邪馬台国論争の歴史を、簡明に整理し、解説していて、非常に便利である。読者は必要に応じて明記されている原著(というのか元本)にあたればよい。
以前、<季刊邪馬台国>で那珂通世を再評価した邪馬台国論争史の特集号があったが、入手は困難だろう。私ももはや手許にない。当時なかった年輪年代法の紹介もなされており、過月紹介した石原藤夫さんの『卑弥呼と日本書紀』を読む前にざっと目を通しておくと、石原博士の方法論が堅実なものであることに気づかされるだろう。

さて、論争史を通観したあと、著者は「悲しいことに、文献から邪馬台国を探し出す作業は、頓挫したと言わざるをえない。この結果、 『魏志』倭人伝を読む限り、邪馬台国は日本のどこにでも比定できる という、なんとも情けない結論をわれわれは得たのである。そしてこうなった以上、確かな物証を待つしか手はない」(131p)。として、近年の考古学者の発言力の高まりに理解を示す。実際、近年の考古学的的発見は想像以上であり、「ほとんどの考古学者は、邪馬台国畿内説を取っている」(131p)のは、石原博士の著書でも明らかであり、本書でも考古学(他、科学的アプローチ)による新知見を紹介している。

本書の3分の2はかくのごとくよく整理された邪馬台国の入門書である。ところが、残りの3分の1で、著者は突然とち狂っちゃうのだ!
以上の結論として、邪馬台国畿内説が「妥当」であることを認めた上で、いわば確率が高いからといって事実とは限らない(という言い方はしていませんが)として、大和岩雄の説を援用しつつ、次第に自らの幻想邪馬台国を開陳しはじめるのである。前半の科学的態度からは豹変してしまう。
内容は書かないが、虚構としては大変楽しい。

結局、著者が表現したかったのは、かかる幻想邪馬台国だったのだろうが、今日の状況は紙面の3分の2を消費してでもあらかじめ逃げを打っておかなければならない状況なのだろう。
それほどまでに、従来の幻想古代史は考古学に追いつめられつつあるということなのかも知れない。

ちなみに、著者の本は6年ほど前に『謎の出雲・伽耶王朝』を読んでいるのだが、本書では若干論旨が変わっている。(ヘテロ読誌1996参照)
編集済


昨日 投稿者:管理人 投稿日: 5月16日(木)23時01分46秒

雨宿りした(笑)書店で衝動買いした、
関裕二「検証 邪馬台国論争」(ベスト新書)を読了。
面白かった。感想は明日にでも。


探偵講談 投稿者:管理人 投稿日: 5月16日(木)21時56分20秒

旭堂南湖さんの講談の会のお知らせ。

5/26(日)『第五回 名探偵ナンコ』ーよみがえれ!探偵講談ー
 会場/Team火の車稽古場 (旧関テレ)
 開場/6:00 開演/6:30 料金/1500円(名張名物・二銭銅貨煎餅付き)
 出演/旭堂南湖「長講 探偵講談 二銭銅貨」(原作・江戸川乱歩)、「雷電の初相撲」(寛政力士伝)
 ゲスト・芦辺拓(作家)「対談・探偵講談と探偵小説あれこれ」

南湖さんのコメント
>二銭銅貨面白いですよ。乱歩邸に入ったことなども喋れたらなあと思います。おまけの煎餅もあります。対談も好評です。もう一席はファン投票「南湖講談ベスト1」に選ばれた「雷電」です。これが受けなきゃどうするの!?是非お越し下さい。

私は、先回は都合で行けなかったし、今回は必ず行きます。
二銭銅貨は、あの暗号を、語りでどう表現するのか興味津々(^^)。


筒井康隆自選(?)集 投稿者:管理人 投稿日: 5月15日(水)21時37分27秒

雨宿り(口実(^^;)に入った本屋で、筒井康隆『近所迷惑』(徳間文庫)を現認。
この本は自選短篇集ドタバタ篇と銘打たれていますが、ほんとか?>巻末のインタビュー参照。
「アフリカの爆弾」とか「アルファルファ作戦」とか、往年<スラップスティックの司祭>と謳われていた頃のドタバタの、しかも傑作中の傑作が収められています。

筒井さんのスラップスティックSFを知らない若い人には強力にお薦めします。
それにしても、あの頃の筒井康隆は凄かった。とてつもない破壊力がありましたね。私自身、角川文庫で出る短編集を、出るのを待ちかねて読んだものでした。

上述の日下三蔵さんによるインタビューは資料的価値あり。
SFマガジンにも無条件に掲載された、というのは、あの鬼の福島正実から何も言わさなかったぞ、という自負でしょうか(^^;。


小松左京のポピュラリティ 投稿者:管理人 投稿日: 5月13日(月)20時50分56秒

Yさん

>別に作者をけなすのが目的ではないのですが
もちろん、そんな風にYさんの感想を読んだ訳ではありません。
むしろSF作家やSFファン、すなわちSF人の<認識の慣性>を的確に表現されたなあと思ったので、取り上げさせていただき、蛇足を連ねた次第です。

>「日本沈没」など昔から知識つめこみ小説はあったわけですが
小松左京はまさに知識の人だと思います。これでもかとばかり知識を読者に押しつけてきます(^^;。とはいえ――

>あれは人間ドラマの方が読みどころになっていて、
>そういう自慢は感じられませんでした
そう感じられるのは、小松さんがそういうSF人に特有の<認識の慣性>を自覚していらっしゃるからでしょう。
平たくいえば、SF人にとっては全く自明な常識が、世間の常識と必ずしも合致しない、ということを知っていらっしゃる。
小松さんは知識至上主義者の目ももっていれば、一般庶民の目や、底辺プロレタリアートの目ももっている。ばかりか、エスタブリッシュメント、支配階級の目ももっています(実はその辺がヌエ的でもあるのですが)。
かくのごとく小松左京という作家は一面的には捕らえることが出来ない多様性(複眼)をもつがゆえに、知識偏重のムツカシ小説を書きながらも、或る一般性、大衆性を確保しているのではないかと思います。

翻って、菅さんの場合、(意図的か無意識なのかの判断は留保しますが)むしろSFゲットー内でしか通用しない観念に頼って表現活動を行っている部分がある。ファンライターあがりの作家さんに多いパターンですが、その部分が外部読者には違和感として感じ取られるのでしょう。

だからファンライターあがりは駄目だといっているのではなく、ゲットー内読者にとってはそれがたまらない魅力でもあるわけです。菅さんのSF界での人気の高さがそれを証明しているように思います。

>正直、作家の方々にはネットの意見など気にしないで好きなように
>創作していただきたいです。
ご安心下さい、こんな辺境の掲示板、だれも見ていませんから。と書くと、何だかむなしい、事実だけに(^^;ゞ


異形コレクション 投稿者:Y 投稿日: 5月13日(月)01時00分04秒

どうもご無沙汰しています。異形コレクションのページの方へ
ご紹介くださったそうで、ありがとうございます。

>菅浩江
別に作者をけなすのが目的ではないのですが……。サイエンス寄りのSFは
知識の組み込み方が難しいなとつねづね思っておりました。
「日本沈没」など昔から知識つめこみ小説はあったわけですが、あれは
人間ドラマの方が読みどころになっていて、そういう自慢は感じられませんでした。
マイナーな業界を描いたミステリなどにも同じことが言えるのではないでしょうか。

子どものころ、科学読み物が大好きだったのでSF小説もその延長だと
思ってとりつきましたが、現代の科学の進歩は文系人間の追いつける
ところにはありませんね。今はノンフィクションとフィクションは分けて読みたいと
思っています。

正直、作家の方々にはネットの意見など気にしないで好きなように
創作していただきたいです。

http://www.usiwakamaru.or.jp/~yamas/index.html


「『新青年』趣味」が届きました 投稿者:管理人 投稿日: 5月12日(日)12時46分24秒

土田さん

「山椒魚戦争」は、小学生で読みました。たぶんこども向きのアブリッジ版だったのでしょう。読んでないも同然ですね(^^;。
しかし、SFを読み始めた最初期に、名作といわれるものを(アブリッジとはいえ)読んだからこそ、SFに入っていけたわけですから功罪相半ばではあります。

その後、日本作家のこども向きにも手を広げたのでしたが、こども心にも「日本人のはあかん、真似や」と怒ったのを覚えております。
今思い返せば、海外作品のアイデアを利用した翻案と創作の間といったものが多かったのでしょうか。
例えば瀬川昌男(けっこう好きでしたが)「チタンの幽霊人」は……えーと、これなんかの換骨奪胎だったのですよ(わすれちゃった)。

あとタイトル忘れましたが(たぶん矢野徹)、いわゆる動く歩道なんですが、たんなるベルトではなく細いベルトが何十本と並んでいて、川の流れと同じ原理で、両端が一番遅く、中央に近づくほど早くなっており、利用者は目的地に近づくと、はしに寄っていって(低速ベルトに移って)安全に降りられるという説明があって、子供心になるほど!と膝を打ったのでしたが、あとで同じアイデアが海外作品にあるのを見つけ(これも作品名が思い出せない(^^;)、なんだかなあ、と思ったのでした。

「山椒魚戦争」は、たぶん今読み返しても面白いでしょうが、「宇宙船ビーグル号」は、実際に読み返したのですが、残念ながらがっかりした例です。しかし「宇宙の孤児」は読み返しても面白かった。なかなかむずかしいですね。作家としてはヴォークトの方を、私は買っているんですが、ふしぎです。

「ヴェイスの盲点」は未読です。読んだのは「ロケットガール」のみ。でもこれは面白かったです。

>今月早川の単行本シリーズで大人向けSFが出ましたので読もうかと思ってます
おお、私も非常に期待しているんです(^^)。近所3軒ほどまわったのでしたが、当地には未入荷のようで、水を差されちゃいました(T_T)。ネットで買おうかと。

最近、また新らし本づいてしまって、「ドッグファイト」と「ボーイソプラノ」を待機させています。
ところが、ふと見つけて買ってしまった「奇跡の大河」(バラード)が、ぺらぺらめくっていると、なぜかするすると入っていけたので、こっちを読んでいます。当然ですがバラード調です、なつかしい(^^;。


山椒魚戦争 投稿者:土田裕之 投稿日: 5月12日(日)02時27分50秒

SFを続けて読みました。
いまさらですが、チャペックの「山椒魚戦争」と新しめで野尻抱介「ヴェイスの盲点」。
前者は文学的にも優れていてどこにだしても恥ずかしくない名作SFであり
半世紀以上たっていながらまったく古びていないのに感心しました。
後者は気楽に楽しめるスペースオペラで好き嫌いはあると思いますが
ぼくはガジェットに結構感心しました。私的にはツボかもしれません。
また科学的な裏づけもいちいち説明は無いですが
ちゃんとわかって書いている風があって安心。
この人は今月早川の単行本シリーズで大人向けSFが出ましたので読もうかと思ってます。


リンク集更新しました 投稿者:管理人 投稿日: 5月11日(土)22時29分17秒

リンク集に、かずめさんの『異形コレクション』読書会ページを追加しました。


リンク 投稿者:管理人 投稿日: 5月11日(土)17時16分44秒

かずめさん

リンク確認しました。ありがとうございました。当方からも近日中にリンクさせていただきますね。

>最近の少年少女達はどこで眉村作品に出会うのでしょうね
それが最大の問題なんですよね(ーー;

>もしかして異形収録作ということもあるか
まさにそうですね、異形で関心を持った読者が、他の作品を読みたいと思ったとき、リンクをたどっていただければ、拙ページの著書リストはお役に立つかも知れませんね。
現状、古本屋で比較的容易に入手できますが、本義的には旧作の復刊が最優先事項ですね。

もちろん新作が期待されるわけですが、現在、ご承知のように日課シリーズに傾注されていらっしゃいます。
平均6枚で365日休みなしの執筆です。つまり年間2190枚、ノベルズ本にして3冊分の量をこなしていらっしゃいます(全く頭が下がります)。
そういうわけで、長篇は(現在ジュヴナイルものの依頼があるそうですが)物理的に不可能です。

短篇なら何とかなると(これは私の勝手な推測ですが)思います。というわけで、異形コレクションに私は大いに期待しています。
眉村先生が以前手がけられたアンソロジー「幻覚のメロディ」(1981)は、まさに20年前に出された異形シリーズといって過言ではありません。
つまり、異形コレクションは、眉村卓という作家の作風からしてホームグラウンドといえるほど書きやすい舞台なはずなんです。井上先生には、どしどし執筆依頼をしていただきたいと願っています(^^)。

>横正
「水神村伝説殺人事件」、私も観ました。シナリオはよくできていました。
でも今さら古谷一行でもなかろうと思ったのは事実。
もはやジイさんの顔(当然だが)でがっかり。往年の古谷金田一のイメージまでこわれちゃいました(泣)


お答えありがとうございます 投稿者:かずめ 投稿日: 5月11日(土)05時22分57秒

 早速のお答えありがとうございます。
 それでは、黙認ファンサイトというかたちで「眉村卓ワンダー・ティー・ルーム」ともどもリンクを張らせていただきます。

 私などは、小中学生だった頃にコバルト文庫あたり(でしたっけ?)眉村作品を読みあさったものでしたが、最近の少年少女達はどこで眉村作品に出会うのでしょうね。
 もしかして異形収録作ということもあるか、と思い、何かの形で紹介したいと思っていたのです。

 まだまだコンテンツが貧弱ですが、よろしければ拙サイトにもお立ち寄り下さい。ではまた。

http://homepage1.nifty.com/kazume_n/freakout/


現在1対1 投稿者:管理人 投稿日: 5月10日(金)19時32分12秒

かずめさん

あ、どうも。あちらではお世話になりました。

>こちらのサイトは眉村卓さんの公認のファンサイトなのでしょうか?
眉村先生とは面識がありますが、公認して下さいとお願いしたことはありません。したがって公認のサイトではありません。
とはいえ、眉村先生は当サイトをご存じであり、現に情報を頂いたり、作品をご提供下さってますので、全く作家さんと没交渉なファンサイトというわけでもでもありません。眉村先生の『日課・一日3枚以上』第1期全10巻の挟み込み付録では、拙サイトの紹介文が掲載されています。
――なので、「黙認」サイトという表現が一番近いのではないでしょうか。

そういうサイトでありますが、リンクは自由にしていただいて結構です(^^)。ご連絡いただければこちらからもリンクさせていただきますね。

なお、前出の『日課・一日3枚以上』には、拙サイトと並んで「眉村卓ワンダー・ティー・ルーム」も紹介されています。こちらのサイトもご検討下さい。

>「異形コレクション」
は本当によい、時宜を得た企画でしたよね。最近はまるまる読むことは少なくなっちゃいましたが、廣済堂文庫版は毎回舐めるように読みました(^^)。
井上先生には、もっと眉村SFを載せるように圧力をかけたいので、ご協力よろしくお願いします(^^;ゞ

さて、巨人阪神頂上対決が始まってますので、きょうはこの辺で――


こちらのサイトについて 投稿者:かずめ 投稿日: 5月10日(金)12時48分18秒

 某所でご一緒させていただいております、かずめです。
 今日は質問があって、はじめて書き込みさせていただきます。以前から気になっていたのですが、こちらのサイトは眉村卓さんの公認のファンサイトなのでしょうか? もしそうなら、私のサイトからリンクを張らせていただきたいのですが。
 申し遅れましたが、私はホラーアンソロジー「異形コレクション」のファンサイトを開設しておりまして、そのコンテンツの一つに執筆者の公式サイト/公認or黙認ファンサイトリンク集があるのです。「異形コレクション」で作品に触れた作家さんの他の作品にも触れて欲しい、という主旨のものなのですが、眉村さんについてはまだ情報リンクがありません。
 ファンサイトを無制限に入れてしまうと収集がつかなくなるので、当面、作家さん本人が了解しているサイトのみ、としているのですが。如何でしょう?

 話は変わりますが、吉川良太郎氏は先日「シガレット・ヴァルキリー」(徳間デュアル文庫)を読みました。これも大変良かったですよ、爽快で。「ペロー」はまだですが、読みたくなってきました。
 吉川氏はサイトに公開している日記も抱腹絶倒なのですよ。むむ侮り難し。

http://homepage1.nifty.com/kazume_n/freakout/


「全仕事」ってのがいいね 投稿者:管理人 投稿日: 5月 9日(木)20時46分12秒

「小田実全仕事」を思い出したり(^^;

吉川良太郎『ペロー・ザ・キャット全仕事』(徳間書店)読了。

カバ−に「近未来フランスを舞台にした、スピーディー&スタイリッシュ、クール&テクニカルな新感覚SFノワール」とあります。まさにそんな感じ。いい感じです。
第2回日本SF新人賞受賞作とのことですが、とても新人のデビュー作品とは思えません。とにかく抜群のうまさ。
ところが著者は、まだ20代なかばらしい。驚くべき若書きです。怖いもの知らずの才気ばしった文体が実によろしい。

ストーリーはだいたい今から50年後、<第3次非核戦争>が終結した2050年代(?)のフランス。パパ・フラノというギャングの大ボスが支配する歓楽街<パレ・フラノ>を舞台に、偶然にも、サイボーグ化された猫に精神を憑依させ自在に操ることができる電脳技術を手に入れたペローという名の、まさに「猫のように」群れを厭う精神の持ち主の若者が、その技術を保持するが故に、暗黒街の抗争にまきこまれ、組織に取り込まれるも、自らの自由を求めて大活躍をするという話。

電脳技術についてのSF的説明はほとんどなく、読者はそういうことが可能であるということをアプリオリに受け入れなければならないところが、SFとしてはちとつらい。

ともあれ、いかにもサイバーパンクの洗礼を受けた、今日的なストーリーです。けれども私自身は、非常に懐かしい印象を持ちました。
それもそのはず、本書の作品世界は、表面いかにも新奇な電脳SFの姿をしていますが、その骨組みは、かつてのフランス映画、ジャン・ポール・ベルモントとアラン・ドロンが競い合っていた時代のフランス流ヤクザ映画そのものだからです。

懐かしさの印象は、それだけではなく、これは私だけの感覚かも知れないのですが、本書は、FLNとのアルジェリア戦争から5月革命あたりの、パリが最も騒然とし、輝いていた時代の空気が色濃く反映されているように思います(毛沢東語録などというものが小道具として使われていたり(^^;)。

つまり第3次非核戦争というのが、第2次大戦に比定できるのではないかと思います。想像をふくらませれば、たぶんこの世界で、第3次非核戦争は2045年に終結したのでしょう。一見近未来世界を描いているように見せながら、本書が描き出しているのは、というか下敷きにしているのは、実に1950年代から60年代の、パリなのではないでしょうか?

何といっても、著者は仏文でバタイユを専攻しているというのですから、私の想像はあながち見当はずれでもないように思われます。
SF度はそんなに濃くないにせよ、抜群の面白小説です。


昨夕は 投稿者:管理人 投稿日: 5月 7日(火)20時42分34秒

野暮用が入り、南湖さんの講談を聞きに行けなかった。残念。

昨日の書き込みは、途中から論旨があさっての方へ行っちゃいましたね。
要は、そういうふうな育ち方(?)をしたSFファンは、知識イコール正義(^^;という観念が刷り込まれてしまっているので、それこそ、無意識的なところで、
>「知識をもっていること=偉い」「知らない=恥」
という発想をしているのかも知れません。

当然根っからSFファンあがりの作家である菅浩江さんにすれば、まさに(菅さんにとっては)自明中の自明の自然的態度を作中人物に演じさせているのでしょうけど、SF内の常識がSF外でも常識であるとは限らないということに、なかなか気づけないのかも知れませんね。
これはファンダム(SF村)出身のSF人ほど、そういう特徴が顕著なのではないかと思います。もちろん単なる仮説です。アンケート調査してみたいなあ。設問作りが面白そう(^^;ゞ


眉村卓ワンダー・ティー・ルームの 投稿者:管理人 投稿日: 5月 6日(月)12時44分26秒

Y店長の読書月記で、菅浩江について書かれていること、これは多かれ少なかれすべてのSF作家、読者に当てはまる傾向かも。
私自身、理科の知識(大したことないですが、一般の文系出身社会人よりはあると思う)は、やはりSFを読む過程で知り、興味ができてブルーバックス等にあたったりして得たものです。当然学校の科学の授業にも身が入りますね。
つまり、SFを、知識を得ようという態度で読む一面がたしかにあったようです。
しかし考えてみれば、そういう態度になれたのも、中高生だったからかも知れません。
大人になってからだと、その押しつけがましさが鼻につくものかも知れませんね。
とすると――SFファンという、あのきわめて特殊な(笑)人間になるためには、必ず10代でSFに出会って、感化されていなければならない?
うむ、これはなかなか真実をついているかも(^^;
編集済


ご推薦感謝です(^^) 投稿者:管理人 投稿日: 5月 5日(日)10時51分05秒

村田さん
「ΑΩ」ほんとに面白かったです!
いや実は小難しいんじゃないかと敬遠していたのですが、全然そうじゃなかった。もっと早く読んでおけばよかったと後悔しきり。

マンガを読まなくなって久しいので「寄生獣」は知りません。でも諸星大二郎の「生物都市」はずっと念頭にありました。古くてスイマセン(^^;ゞ

小林泰三さんはハヤカワから新作が出るようですね。たのしみ! 


承前 投稿者:管理人 投稿日: 5月 5日(日)10時34分39秒

土田さん

>タイル
感想文拝読しました。
柳美里というのはこれまた意外なご選択です(^^;。
しかしあの<帯>の誇大広告には困ったものですね。特にホラーの拡大解釈には目を覆うものがありますね。サイコサスペンスならサイコサスペンス、SFならSF、ときっちり表示してほしいものです。

帯といえば思い出しましたが――最近、図書館と新古書店バッシング起きているようですが、出版社はその前にクリアしておかねばならない問題があるのではないでしょうか。

それはもちろん本の単価です。たとえば上述の<帯>ですが、あんなもの本当に必要でしょうか? 私は昔は帯をつけたまま本棚に並べていましたが、あるとき決心して帯を全部外してしまいました。すると、いままでぎっしりだった本棚に隙間ができ、さらに一冊、本を並べることが可能になりました。これはまあ余談。
とにかく帯を付けないだけでも何円か安くなるはずです。

私は、表紙のカバーも不要だと思います。アメリカのペーパーバックにカバーなんかついていませんよね。これを止めれば数十円は安くなるのでは?(個人的には表紙のイラストも不要)
最後に巻末の識者の「解説」、これもいらんでしょう。だいたいあんなもんだれが読みますか。

とりあえず日本の小説本は、あまりに過剰包装です。世に流通する本以外の商品はもうずいぶん以前から値下げのための努力がなされているのです。ところが小説はむしろ十年前に比べても高くなっているような気がします。

図書館(ベストセラー作家限定問題でしょう。しかも図書館でベストセラーを借りるような人は、図書館になければ買ってくれるかと言えば、絶対そんなことはない。読まないだけだと思います。また、私がひいきにしているような小部数しか流通しない作家さんは、恩恵こそあれ不利はないような気もします)や新古本(大体なぜリサイクル店がこんなに繁盛していると思っているんでしょうか)をうんぬんする前に、供給サイドの自助努力を強く求めたいですね。

>2001年短編集
アマゾンで検索しましたが、まだ詳細は載っていませんね。しかし楽しみですねえ。


シュワッチ! 投稿者:管理人 投稿日: 5月 5日(日)10時33分56秒

小林泰三『ΑΩ(アルファ・オメガ)』(角川書店)

これは凄いです。なんとハル・クレメントに始まり、クラ−クに終わるのです(^^)。ラストの超ヒューマニズム的感動! もちろん本格SFです。
しかし全然小難しくはありません。むしろものすごく読みやすい。まるで半村良を読んでいるような錯覚さえ覚えます。当然、傑作です。

おばあさんの顔をお尻に融合されてしまったおじいさんのエピソードなど、「果しなき……」のラストに勝るとも劣らぬ名シーンで、涙なしには読めません。とはいえ、おかしくて吹き出してしまう場面もたくさんあります。

この30年間、日本SFのベスト作品選びの企ては、常に「果しなき流れの果に」と「百億の昼と千億の夜」の2作品によって争われてきました。しかし今後、この種のベスト選びは、前2作とこの「ΑΩ」の三つどもえの戦いになるでしょう。うたた感慨を禁じえません。

ヘテロ読誌の『人獣細工』や『密室・殺人』の感想にも書きましたが(古いのでネット以前の紙媒体版です。あしからず)、著者の作品にはいわゆる<謎>の介在する余地はありません。すべては理屈のもとに解明され、説明し尽くされてしまいます。本書はどうだろうか? というのが、読み始める前に私が意識していたチェック事項でした。そして今回もやはり解明されずに残った謎は皆無でした。

実は途中気になった事項が二つあったのです。まず、杉沢村の湖に現れた恐竜状のキメラです。複製なんですが、オリジナルが絶滅しているのにどうして複製できるんだ、これはひとつケダ板で追求せねば(^^;、と思っていたら、あとであっさり説明がありました。うーむ(汗)。

もうひとつ、だいぶ後ろの方ですが、「(わからない。一億年前は天体から作られた巨大な機械を太陽系に送り込もうとしていた)」の「太陽系」です。「銀河系」の間違いちゃうんか、とツッコミを入れていたら、最後でちゃんと整合性が保証されてしまった。しかもその結果、最初の方に出てくる「太陽系」の位置も確定した。むむう(汗)。
――たく、まんまと著者の術中にはまってしまいました(悔)。精妙に構築されているので、本格パズラー同様に読み終わった後、構築具合をチェックしながらもう一度読み返すと、もっと面白いはず。

そういうわけで、本書は「ホラー」ではありません。すべてが解明されてしまうホラーなんてありえません(ですから帯の「ホラー」はウソです)。疑いもなく本書はSF――ハードSFにして本格SFです。しかも(というか、にもかかわらずというか)70年代SFに拮抗しうるエンタテインメント性にとんだリーダビリティの高い、つまり「面白い」小説でもあります。

「サラブレッド」――山田正紀に奉られ、以後20年以上にわたって氏の代名詞でありつづけている尊称です。もしこの尊称を引き継ぐものがいるとすれば、それは、あるいは小林泰三ではないでしょうか? 本書を読んで、どうもそんな気がしてきました。


はう〜ん。 投稿者:村田 耿介 投稿日: 5月 5日(日)00時25分55秒

 こちらでは大変おひさしぶりです。
 『ΑΩ』良かったでしょ〜ん。
 わたしゃもうラストで泣けて泣けて、一筋のビームになりました(なんのこっちゃ)。
 ちょっと漫画の『寄生獣』に似てると思いますが。
 ではでは、感想を楽しみにしております。

http://www.ne.jp/asahi/chateaudif/toki0504/


すごい! 投稿者:管理人 投稿日: 5月 4日(土)20時30分02秒

小林泰三『ΑΩ(アルファ・オメガ)(角川書店)を、今、読了しました。
圧倒的!!でした! 
「果しなき流れの果に」に匹敵する日本SFの金字塔でしょう。
感想は後刻。


タイル 投稿者:土田裕之 投稿日: 5月 3日(金)22時36分11秒

柳美里の「タイル」を読みました。
帯にホラーとあったので、
そうでなければ一生手に取らなかった作家かもしれません。
結果はホラーじゃないけど純文学でも無い、広義のミステリー
(サイコ・スリラー)ではあるかな、と。
主人公が執りつかれるタイルという硬質な「物」に目をつけるところは
ちょっといいかな、と思いました。

小川未明というのはこれまた意外なご選択です。

徳間文庫から筒井康隆の自選短編集1が出て、巻末にはインタビュー掲載。
再読したくなります。

また同じ徳間文庫の2001短編選集の選者の一人を堀晃さんがやっていて
巻末の解説も堀さん。
収録作もSF系がわりあい多いようです。

http://www.02.246.ne.jp/~pooh


小川未明 投稿者:管理人 投稿日: 5月 3日(金)19時00分53秒

『小川未明童話集』(新潮文庫)読了。

読んでいて、卒然と子供の頃「童話」が好きじゃなかったことを思い出しました。理由は、蓋し「道徳」的な「為にする」話が多かったからではないかと思い返します。

本集にも「道徳」的な話が録られていますが、そうでない話も多く、そのような(「為にする」のではない)話は楽しめました。
「世界」を読者の前に現前させる小説(ダンセイニを私は念頭にしています)が「ファンタジー」であるのなら、本集中の多くの作品はまさしく「ファンタジー」に違いありません。

ダンセイニに言及しましたが、未明が好んで用いる北方的モチーフ(荒れた北の海、波、雪と氷etc)など、まさにダンセイニ風であると思います(たとえば「赤いろうそくと人魚」では、最後に町が滅びて滅くなってしまいます)。
しかし暗いですねえ(^^;。こんなの子供に読ませていいのかと心配になるほど暗くて哀しい話が多い。むしろ大人が読むべきファンタジー小品集だと感じました。

特に気に入ったのは
「野ばら」>それぞれの国から国境を守るために派遣されたふたりの兵士が、国境をはさんで対峙するうちに仲良くなるが、やがて二つの国に戦争が起こって・・・

「眠い町」>世界を旅行している少年が、そこにいると不活発になってしまう「眠い町」を通りかかり、その町をつくったという老人に出会う。老人(神?)は最近の人間が休むことなく鉄道を敷いたり電信をかけたりするので、そのうちに地球が砂漠化するのではないかと憂えて「眠い町」を作ったのだと言い、少年に不活発化させる砂の入った袋を渡して、世界中をまわって、この砂で人間を不活発化してきてほしいと頼む。少年は世界を回り、砂を振りまいて、また眠い町へ戻ってくると・・・
この話は一見「為にする」話なのだが、最後でそれがひっくり返され、道徳性が無化される。

同様に道徳性が無化される話としておもしろいのが
「兄弟のやまばと」>山奥に住むやまばとの兄弟が、遠出をした海辺で町の白いはとに出会う。兄弟は町のたのしさを聞き、町が危険なことに注意を促す母ばとを残して町に出かける。案の定兄弟は帰ってこず、母ばとは悲嘆にくれる。と、ここまでは定石道理なんですが、それから半月も立った頃、突然疲れ果てた様子の兄弟が現れ、「町の空は真っ赤だ。(……)みんな焼けてしまった。私たちはやっと逃げて、ここまで来た」というのです。ここにおいて上述の定石が全くもってだしぬけにアナーキーに破壊されてしまうのです。うーむ(^^;。

あと、妖精(精霊)物語風の「月夜と眼鏡」、「港に着いた黒んぼ」、「島の暮れ方の話」がフィオナ・マクラウドっぽくてよかった。


大二さん

かんべむさしさんは、デビュー当初かなりはまりました。けれども案外はやくに追っかけなくなってしまいました。
「建売住宅温泉郷」あたりからでしょうか、作品に、作者の「不機嫌さ」が透けて見えて来だしたのですね。
おそらく根が正直な方なんでしょう。エンターテインメントで糖衣するという作業に欺瞞性を感じだされたのではないかと、勝手に推測しています(ちなみに筒井さんも作風に「不機嫌さ」がほの見えて来だしてから読まなくなっちゃいました)。
しかし「水素製造法」みたいなのは、とことん面白いですね(^^)、かんべさんの「私」性がほとんど関与せずアイデアと理屈だけで成立しているからでしょう。
かんべさんの積読本、かなり溜まっているので、私もそろそろ消化していかなくっちゃ、、、

>この3氏の作品で250作品はあるかと思います
私なんかより、よほどお読みになっていらっしゃいますね(^^;ゞ。


70年代SF 投稿者:大二 投稿日: 5月 3日(金)00時24分04秒


本日、かんべむさし氏の「メイド・イン」を読了。

自分の読書の仕方として、一人の作家さんをまとめて読んでしまうという傾向があり、現在かんべ氏の「笑い宇宙の旅芸人」・「言語破壊官」・「孤冬黙示録」・「公共考査機構」が積読本となっています。
かんべ氏はご多分に漏れず、「決戦!日本シリーズ」・「サイコロ遊撃隊」に読書がはじまりましたが、「原魚ヨネチ」等のメタ・フィクションを発表する頃から離れていきました。「ポトラッチ戦史」には吃驚しましたが(^-^)
「東の」山田正紀氏の最後の読書は「幻象機械」ですが、眉村氏の再読を終え、自分にとって失われた時代の作品を読みはじめている次第です。
掲示板を拝見させていただいて、皆さんの読書がかなりの部分で自分に重なっていることに驚き、思わずご挨拶をいたしました。

ちなみに私は、「幸せな時代」の最後ギリギリの年生まれです。

一番読んでいるのは小松氏、筒井氏、眉村氏の作品です。
数えたことがないので何ですが、この3氏の作品で250作品はあるかと思います。

ヨコジュンはSFマガジンで「近代日本奇想小説史」の連載が始まってますね。
これからの活躍が楽しみです。


「幻覚のメロディ」 投稿者:管理人 投稿日: 5月 2日(木)21時57分06秒

大二さん

ようこそご来訪下さいました。

>足掛け3年かけての手持ちの眉村作品を読み直した直後、
あ、それすごいです(^^)。私も全作読み直しを、思い立ったこともあるのですが、、、結局実行せずじまい(^^;ゞ

>山野浩一の「鳥はいまどこを飛ぶか」
あー、これも読み返したい本ですね!

>4時間かけて掲示板を拝見させていただきました
ありゃありゃ、お時間を浪費させちゃいました(^^;

>なつかしい論議に感慨ひとしお
私は70年代SFを読んで育ったものですので、眉村さんをはじめ、第1世代、第2世代のSF作家さんには、ことのほか思い入れがあります。大二さんもひょっとして同じでしょうか?どうぞ大二さんのSFなつかし話などもお聞かせ願えたらと思います。

>またちょくちょく立ち寄らせていただきます
こちらこそよろしくお願いしますm(__)m

>「真夜中の訪問者」ではないですか
>眉村卓・選 日本ペンクラブ編「幻覚のメロディー」集英社文庫に収録されています
おや、そうでしたか(^^) ご教示ありがとうございます。
さっそく取り出してきて読みました。そうそう、この作品ですよ。細部は忘れていたので、読み返しながら何度も吹き出しちゃいました。ヨコジュン絶好調の頃の作品ですねえ。


はじめまして 投稿者:大二 投稿日: 5月 2日(木)02時00分31秒

みなさん、はじめまして。

足掛け3年かけての手持ちの眉村作品を読み直した直後、
本日仕事が休みということで買い溜めていた
かんべむさしの「課長の厄年」「同姓同名逆人生」を読み、
本棚にある山野浩一の「鳥はいまどこを飛ぶか」を20数年振りにパラパラと・・・
その後ここに立ち寄り、4時間かけて掲示板を拝見させていただきました。

なつかしい論議に感慨ひとしお・・・
こちらは田舎なもので、就職してからとんとSFのお話しをする機械もなかったもので・・・
勇気を出して書き込みさせていただきました。

またちょくちょく立ち寄らせていただきます。

さてもう1年程の話題ですが、横ジュンの横断歩道が部屋にやってくる作品、
「真夜中の訪問者」ではないですか。

眉村卓・選 日本ペンクラブ編「幻覚のメロディー」集英社文庫に収録されています。

本日は夜も遅いので、まずはごあいさつまで。



眉村さんのタイムマシン 投稿者:管理人 投稿日: 5月 2日(木)01時23分13秒

新聞に広告が載っていました。

<シリーズ・冒険>全八巻の一冊として四六判で出るようですね。
で、このシリーズですが、「痛快 世界の冒険文学」をもとにした新編成のシリーズとのこと。
「タイムマシン」は5月下旬のようです。


植民地小説 投稿者:管理人 投稿日: 5月 1日(水)20時01分30秒

古山高麗雄『小さな市街図』(講談社文庫)読了。
戦後30年、朝鮮からの引揚者の吉岡久治は、デパ−トの保安係をしている。ひょんなことで、かつて住んでいた鴨緑江沿いの都市・新義州の日本人町の市街図を作り始める。それは存在しない都市の地図。引揚者たちのそれぞれの記憶の中にしか、もはや存在しない町のたたずまいを、白地図上に復元していく作業である。
新義州からの引揚者に連絡を取り、それぞれが住んでいた家の、向こう三軒両隣の情報を求め、それを白地図に記入していくのである。
その情報提供を求める手紙を受取った高原綾子の胸中に、引揚げ前夜の新義州がまざまざとよみがえる……。
互いに未知の男女の心に甦る植民地の日々――そして、ふたりの「現在」がすれ違う。
淡々とした筆致で「人生」をピンナップした佳品。ひきこまれて読んでしまいました。年齢限定、40歳以上の人におすすめ。というより、それ以下の年齢の人は、40になるまで我慢すべし(笑)。

土田さん

>ミステリマガジンの小説、お急ぎでなければコピーお送りしましょうか?
うわあ、ありがとうございます。ぜひぜひ、お願いいたします。でも全然急ぎませんので(^^)


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