【掲示板】


ヘリコニア談話室ログ(2002年11月)


承前 投稿者:管理人 投稿日:11月29日(金)23時24分18秒

言い忘れたが、そういうテーマやえげつない描写にもかかわらず、本書が深く感動的なのは、梁山泊という小集団の成員間に、チームワークというかメンバーシップというか、ともかく友情、信頼、助け合い、かばい合いといった永遠のエンタテインメントの基本、根本的な人間肯定が、根底にあるからに他ならない。

その辺が昨今のスプラッタ(描写だけが目的の)小説と決定的に異なるところだろう。しかもそのような描写において、スプラッタ小説が、描写において30年前の筒井を凌駕しているかといえば決してそんなことはないのだ。芸がないのである。まあ、筒井と比較されては立つ瀬がないか(^^;ゝ


「俗物図鑑」 投稿者:管理人 投稿日:11月29日(金)22時29分53秒

筒井康隆『俗物図鑑』(新潮文庫)読了。

中小企業の接待課長雷門亨介は、ひょんなことから「接待評論家」になるとともに、盗聴、横領、出歯亀、放火、吐瀉物、痰壺、口臭、月経、ご贈答、ベストセラー、パーティ、皮膚病、麻薬、カンニング、墜落、自殺、性病の各評論家を見出し、梁山泊プロなる評論家集団を組織する。かれらはマスコミの寵児となり、テレビの目玉となって大活躍するが、次第に良識を振りかざすPTAや婦人団体と対立するようになり、やがて梁山泊ビルに立てこもったかれらは、警察や自衛隊を相手に壮絶な戦いを開始する……

痰壺評論家のくだりは、さすがの私も半分目をそむけながらでしか読めなかった。「おえ」げぶげぶ。

風俗的な描写が多い本書は、「霊長類南へ」もそうだったが、さすがに古びてしまった印象がつよい(その点、「馬の首風雲録」は全然古びた印象がない。リアルな現実世界とは全く切り離された世界を舞台にしているからだろう)。
だからといって内容は今日でも十分通用する。むしろ今現在のほうが、この作品の真価は理解されやすいのではないだろうか。本書が書かれた30年前より現在の方が、さらにマスメディアの影響力は大きくなり、本書の小説世界によりいっそう近づいているからだ。

終盤近く、マスコミの代表が籠城中の梁山泊ビルを訪れる。
「ここ1週間、ニュースらしいニュースがまったくありません」(……)「わたしたちはここ十数日の間、事実のでっち上げに奔走してきました。そして、どうにかこうにかニュースを生み出してきました。だけど、われわれが何日かを要して作り上げた事実も、いったんニュースになってしまえばマスコミ大衆はたった一日で消化してしまう。とても追いつきません。ついにストックの疑似イベントは一週間前に底をついてしまいました。(……)にもかかわらず、マスコミ大衆の面白いニュースへの期待はますます大きくなってきます。(……)わたしたちはこの期待にこたえることができないのです。これはわたしたちの力が弱いからでもあります。(……)日本のマスコミはまだ、裏から政府に働きかけて重要な政策を突然発表させたり、芸能界の黒幕たちと共謀して大スキャンダルを起こしたり、暗黒街の大物と取り引きして派手な殺人を起こさせたり、職業的革命家に命じて大きな騒動を起こさせるといった力は持っていないのです。いずれはそうなるでしょうが(……)」(466p〜467p)

ニュースのために、マスコミから人質の虐殺を命ぜられた雷門は、それを拒絶する。それは、これまで持ちつ持たれつの関係を維持してきたマスコミを敵に回すことを意味した。マスコミという糧道を断たれた梁山泊は、押し寄せる自衛隊に決死の肉弾戦を挑む……

最後はもっと反撃したように記憶していたのだが、案外あっさりだった。しかしラスト100頁のリーダビリティは途方もなく、ページを繰るのももどかしく、没頭して読んでしまった。
本書はもちろん「水滸伝」なのだが、私は、これは筒井の「邪宗門」だな、と思った。初期の集大成的な傑作。


いよいよ梁山泊に籠城だ 投稿者:管理人 投稿日:11月28日(木)21時47分16秒

購入書リストに、78年度分を追加。購入順 著者別

今夜中に「俗物図鑑」を読み終えるつもりなので、今日はこの辺で(^^;ゝ


げっ!? 投稿者:管理人 投稿日:11月27日(水)21時28分31秒

トップページの下半分が消えちゃいました。カウンターもなくなった。なぜだ? 
フロッピーのバックアップも消えているので、復元できません(ーー;)。
とりあえず残った部分だけアップし直しておきました。やり直すしかないか。

購入書リスト、77年分を追加。購入順 著者別

<筒井康隆初期長篇再読企画>再開。
「俗物図鑑」、半分読みました。痰壺評論家のところまで。「おえ」げぶげぶ。


購入書リスト(69〜76) 投稿者:管理人 投稿日:11月26日(火)22時48分06秒

76年度分まで追加しました。購入順 著者別


贈る物語Wonder 投稿者:管理人 投稿日:11月26日(火)20時50分42秒

瀬名秀明編『贈る物語Wonder』(光文社)を現認してきました。非常に地味な本で、なかなか見つけられませんでした(^^;。
どうもクリスマスプレゼント用というコンセプトの本らしく、あと綾辻行人編『贈る物語Mystery』が並んでいました(売場にはなかったけど宮部みゆき編もあるようです)。
眉村作品「草原の人形」は、超こわ〜い怪談ショートショートでした。絵とセットになっているのですが、実によくマッチしていました。

この瀬名編本、なかなかユニークなセレクションで、Wonderに着目した視点が私好み(^^)、ちょっと読んでみたくなりました。編者のコンセプトがよく出た、とてもよいアンソロジーだと思います。
ただ、前書きで、編者が「SFは敷居が高い」と再三書いているのには、首を傾げます。というか訂正して欲しいかも。SFが敷居が高いなんてことはありえません。敷居が高いのは、SFファンダムでしょう(汗)。混同しているのでは?

SFファンダムの敷居が高いのは、それこそ大昔からなのであって(いったん入り込んでしまえば居心地の良さは格別なんですが)、私自身それが嫌で、結局ファン活動はしなかったのです。
おっと横道にそれましたが、SF読むのに、ファンダムは必要条件ではないし(私自身SF読みですがSFファンとは自己認識しておりません)、ファンダムの傾向がサイレントマジョリティなSF読者の傾向と必ずしも合致するものではないのだから、瀬名さんは気にしすぎでは?


眉村卓情報 投稿者:管理人 投稿日:11月25日(月)22時43分04秒

とぐろさんからの情報です。

瀬名秀明編『贈る物語Wonder』(光文社)というアンソロジーに、眉村さんの「草原の人形」というショートショートが収録されているそうです。
とぐろさんによれば、このショートショートは新作ではなく、『絵の贈り物 画家から作家へ』(81年、PHP研究所刊)というアンソロジーに収録されていたものだそうです。
私はまだ、現物を見ていません。早急に確認したいと思います。ともあれとぐろさん、ありがとうございました。

さて、高野史緒『アイオーン』(ハヤカワJコレクション)より、「トランペットが美しく鳴り響くところ」「エピローグ」を読み、同書を読了。

マルコと共に、妖姫モルガンの船に乗ったファビアンは、地中海を西へ、東へ航海し、いまファビアンは東方への途上にある草原にあった。第1話より30年後、ファビアンも50歳手前になっている。かれはログレス人たちが準備している巨人との戦いに加わってこの草原を行き来している。いまやキリスト教徒もムスリムも、圧倒的な巨人の前に手を組んでログレス人に協力していた。彼らの少年軍師ファルには、遠くにいる巨人たちの動静が「見える」のだった。やがて彼らのキャンプに、元ログレス王アーサーが加わる。アーサーは百人力の活躍をするが、次第にファルとアーサーの間を不可思議な共感作用が影響を及ぼしはじめる。そして彼らのキャンプを遠くから探る男がいた……

掉尾を飾る本篇に、これまでの主要な登場人物が陸続として姿を現す。そして物語の大いなる流れは、彼らを物語の渦に巻き込み、一挙に、終幕に向かって、急流を下りはじめる。まさに大団円の図である。
しかしこれで終わりなのか? 残された謎はたくさんあるのではないか。たとえばアルフォンスがベレンガリウスから継承した計算式は? トゥールーズの大天使の塔が古代の人工衛星から受け取った稲妻のようなものは、あれは一体何だったのか?

あとから振り返ると、この物語は不完全だ。まだまだ欠落しているところがあるように思われる。しかし、これはこれでいいのだと思う。著者があとがきで、長篇ではなく、連作であることを強調するのはこの故であろう。
小説としてはややプロポーションが悪いように思う。しかし、それもこれでいいのだ。これも著者が、あとがきで技術的に成功していないではないか、と書いているのは、まさにそのこと自体著者自身が一番よく判っているからだろう(というより、この小説自体が、小成功を許容しない深さと大きさを根本的に備えているものなのだが)。
このように、たしかに瑕瑾が目に付かないわけではない。しかしそれでもオッケーなのは、本書にあふれる<熱さ>が、それらの瑕瑾すべてを帳消しにしてあまりあるからだ。

おそらく本書は、著者がおのれの趣味と技倆のありったけをすべて投機(speculate)し尽くした作品であると思われる。小さく小器用にまとめようとすればできたかも知れないが、著者はそれを拒絶しているのだ。全身全霊を傾注して倒れるならば、それは仕方がない。そういうことがひしひしと伝わってくる。というか、これだけの内容を、とにもかくにも終幕まで運びきったのだから凄い。それほど大きい作品なのだ。
本書は、まさに著者が自らの趣味に淫して、且つ技術的にも冒険した(現時点での)ぎりぎりいっぱいの力作だと思いました。
編集済


探偵講談(承前) 投稿者:管理人 投稿日:11月25日(月)21時05分12秒

アイナットさん

お疲れさまでした。講談4席、3時間弱というのは、やっぱりヘヴィでしたね。お尻がいたくなりました。とはいえ、南湖さんに感謝はしても、文句はいえません、あの料金で4席も楽しめたんですからね(^^;。

それにしても「蠅男」は怪作でした(^^)。実は海野十三、いまいちの印象だったのですが、読み方のスタンスを大きく間違えていたことに気づかされました。南湖さんもおっしゃっていたように、おそらく十三は、場面によっては大笑いしながら執筆したのかも知れませんねえ(^^;。

>ネット配信雑誌とかは面白い試みであるのは確かに事実ですよね
検索なんかはこっちの方が便利ですね。引用もコピペで容易だろうし。重くてかさばる専門書の類は、むしろパソコン画面で読みたいような気がします。
ただ小説や雑誌は寝転がって読みたいですね(^^)。あ、そういう場合に対応するのがオンデマンドなんでしょうか?

というわけで、昨夕は探偵講談「名探偵ナンコ」を楽しんでまいりました。
演目は、まずは開演前のオマケとして、伊賀上野凱旋公演の目玉「江戸川乱歩一代記〜乱歩と川崎克」(中相作・作)、つづいて古典講談「荒大名の茶の湯」(関ヶ原合戦より)、「猟奇王」(川崎ゆきお・原作)、「蠅男」(海野十三・原作)

「乱歩と川崎克」は、地域限定ネタのため読む機会が殆どないということと、本番である伊賀上野公演の予行演習を兼ねて、オマケとして口演されました。今回は台本を読む形式だったため、南湖さんもあとでおっしゃってましたが、観客との間(ま)がはかれず、悪くいえば通り一遍でメリハリに欠ける憾みが残りました。しかしまあ、これは本番では解消されるでしょう。台本(というのか?)は、さすが中さん、きっちり講談の形式を自家薬籠中のものとされた手練れの出来映えとなっていました。

「荒大名の茶の湯」は、さすが古典ですね。練りに練り込まれて余分なものは何もない、という感じで大笑いさせられました。笑い過ぎで涙が出て仕方がなかったです(^^;ゝ 南湖さんの口演も流れるように見事でした。

「猟奇王」は、年末発売予定のCDのための録音が行われました。この話は、私は2回目でしたが、一回目より面白さが倍加しているように思いました。やはり演じられる度に練り込まれていくのでしょうか。

そして最後の「蠅男」、ものすごい怪作でありました(^^;。南湖さんは殆どアドリブは入れず忠実に原作を講談化されたとのこと。ということは原作もこんな話なのか?? 全くもって脱力するというかばかばかしいというか(汗、汗) そのナンセンスとしかいいようのないのが、講談にぴったりはまるところが面白いというか、何というか、、、。長篇の講談化のため、(かなり端折っているとはいえ)やや長すぎるような気がしましたが、子の作品も演じられる毎にどんどん練り上げられていくのでしょう。また聞いてみたいと思いました。

恒例打ち上げの宴会は14名の参加。お客さんが30名弱なので、半数近くが参加したことになります。ある意味これは客層の固定化なので、いい傾向ではありませんね。もっと客層を拡げていかねば。
次回から会場が変わります。阪神福島駅・JR新福島駅から5分、JR福島駅から10分と、少し便利になります。新会場は本偶寺というお寺。住職は、実は私の友人です。HPはこちら。あれ、講談の宣伝してへんやん(>「青草人」という新聞にちいさく載っていました(^^;)。


探偵講談 投稿者:アイナット 投稿日:11月25日(月)02時02分23秒

本日はお疲れさまでした。講談四つとも楽しめた上に、色々貰えて、手拭いも買いましたし、何かと充実した一日になりました。

それから「遊歩人」の冊子ありがとうございました。近い内に読ませて頂きますね。

そういえば、遊歩人の本来の試み、私もアナログ的物質が手元に残らない、ネットダウンロードの有料雑誌やら有料小説(有料音楽とか有料PCソフトとかもですね)、購入した事がない(蘭郁二郎全集など作成者から貰った事はありますが(^^;))のですが、ネット配信雑誌とかは面白い試みであるのは確かに事実ですよね。手元にある方が嬉しいとは言え、特に雑誌はかさばりますし。

果たしてパソコンで読む雑誌の読みやすさとは、どんな感じなのでしょうか。


むかしむかし・・・ 投稿者:管理人 投稿日:11月23日(土)19時21分13秒

古い購入書メモが出てきました(^^;
とりあえず中学高校篇をHTML化してみました。購入順 著者別
あくまで購入書の備忘です。たとえば「狼の怨歌」があるのに、「狼の紋章」の記載がないのは、借りて読んだからです。
友人に借りて読んだ本、図書館で借りて読んだ本を記録しなかったのは、いまから思えば悔やまれます。
この頃の特徴――購入本は100%近い読了率であることですね(^^;。いつから未読本が溜まりだしたんだ?


『アイオーン』より 投稿者:管理人 投稿日:11月22日(金)23時03分14秒

「S.P.Q.R」を読む。

第3話でコンスタンティノポリスに留まったファビアンだが、それから5年、日ましにそこが自分にとって異邦の地だという思いがふくらんでくる。
この5年間で交易都市コンスタンティノポリスは見る影もなく寂れた。東方で何か起こっているのか、聖地方面から船が全く来なくなってしまったのだ。巨人の軍団がかの地を席巻しているとの噂も。
ことにムスリムたちから買っていた黒ナフト(原油)が届かなくなって電力が供給できなくなったため、真空管電算機も止まってしまった。
サモス島には巨人のものとおぼしい白骨化した右腕が打ち上げられた。
そんな折、ファビアンに東ローマ正帝エウドキアからローマのラテラーノ公会議に出席するよう要請される。イタリアでは3年前、ヴェスヴィーオ火山が噴火し、ローマの、神が建てたとされる<大天使の塔>が倒壊したのだという。そして倒壊した<大天使の塔>から、見たこともない機械がばらまかれた。機械(物質)は悪魔の創ったもの。なぜ神の塔に悪魔の作物があるのか? これをどう解釈したらよいのか?
さまざまな解釈がローマにあふれ、収拾がつかなくなっていた。そこで公会議が召集されたのだ。

ファビアンはローマに到着する。彼がそこで見たものは、昼間の不活性な公会議とは対照的に、狂騒的なまでににぎわう、夜の<真の公会議>だった。……

今日のネット状況が揶揄されているのは明らか。ここでも第3話同様、前言否定にも似ためくるめくような虚実の転換が繰り返され、読者は自分が一体どこに立脚しているのか、見当識を失調するような眩惑を覚えることができる。
しかし、あと1篇しか残されてないぞ。うーむ。その一篇で、いったい作者は、我々をどこへ着地させるつもりなのか。そんなことできるのか(^^;


マック鈴木はオリックスか 投稿者:管理人 投稿日:11月20日(水)21時10分08秒

土田さん

>悪魔の野球
読んでみます(^^)

実はアリアスは、成績は前年と変わらないんだそうですね。それからすれば、パとセの差というものはない、ということになるはずですが、結局露出度が格段に増えるので、同じ成績では悪い方が比較的に目立ってしまうことになり、それで活躍しない、というイメージになってしまうのかも知れませんね。
アリアスも、もともとこの程度の選手なので、今年の成績に対して文句を言うのは筋違いだ、というのが息子の見解です(^^;

Jシリーズは、これまでのところ駄作がないのが凄いですねえ。70年代よりも今の方が、質量共に充実しているかも。


悪魔の野球 投稿者:土田裕之 投稿日:11月20日(水)00時37分03秒

  悪魔の野球


著者: 藤見 雅希著

本体価格: \1,400
出版:ぶんか社
サイズ:B6判 / 204p
ISBN:4-8211-0798-8
発行年月:2002.11

出たばっかりの本です。
たまたま店頭で見て買いました。
ただし感想でも書きましたが、インターネットの掲示板等もソースに使用しているため
必ずしも真実味はあるというわけではありませんので、念のため。
もっとも、アンチ巨人というフィルターを通してみるとすべて本当に思えるのですが(笑)

こんなニュースも今日、アップされていましたし。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021119-00000020-ykf-spo

>パから来た打者が、パの時以上に活躍したという例はありませんからね。
これはパリーグびいきの自分としてはとても悲しいのですが、
思いつかないところがもっと悲しい。
思いつくのは落合までさかのぼってしまいます。
最近のオールスターの結果を見ると、否定できないし・・。

鈴木、山田、東尾のリレーでセリーグ打者が歯が立たなかった時代が懐かしい・・。

ペタジーニはやはり巨人でしたね。それにしても年俸7億強はすごい。

Jシリーズの読破、順調ですね。
ぼくは大熊さんも誉めておられた「太陽の簒奪者」の予定です。


ようやく人心地 投稿者:管理人 投稿日:11月19日(火)22時42分51秒

無茶苦茶な納期を切り抜ける。ふう。
週末からこっち、ひやひやで何も手につかない状態でした。不可能を可能にしてくれた関係者の方々に感謝感謝(^^;

中学生で陸上部の息子は来年受験なのだが、某有名私立高校が陸上でスカウト(?)に来ているらしい。どうするのかと聞いたら、普通に受験するというので、電話をかけてきて下さった顧問の先生におことわりした。
うーむ、うちの子がまるっきりスポーツ馬鹿なら、渡りに船で跳び付くところなんだけど・・・。かといって、トップ高に悠々入れるほどの学力があるわけでもないのだ。
私自身、なまじ中途半端な学力があったため、大学へ行きサラリーマンになるというその他大勢組のコースを歩いたわけだが、もう少し馬鹿だったら(馬鹿になれたら)音楽の道に飛び込んでいたかも知れない。どっちがよかったかそんなことは分からないが、自分の資質可能性を試せなかった(試さなかった)悔いは残っている。本当のところは優柔不断で馬鹿になりきれなかっただけなんだけど、こざかしく安全運転ばっかりしていても、人生つまらんからなあ。
陸上だけが人生ではないし、彼はこれから人生を賭するに値するものを見つけて行くのだろう。見つかればいいのだが。
ともあれ、中途半端にその他大勢組にはなって欲しくないなあ、と我が身を振り返りつつ、そんなことをふと想う父でありました。


高野史緒『アイオーン』より 投稿者:管理人 投稿日:11月18日(月)21時50分24秒

土田さん

SF以外の話題も大歓迎です(^^)。
ペタジーニ獲りが難しくなったのか(大リーグ入りの情報も。だから強気なのかな?)、中村ノリ獲得に軌道修正みたいですね。
車の中でよく聴くMBSラジオの「太田幸司のスポーツナウ」の受け売りですが、星野監督は、中村がセリーグでもパリーグ並に打てるか若干の疑念があったようですね。パから来た打者が、パの時以上に活躍したという例はありませんからね。
井原監督は、中村はセでも絶対通用するオレが保証する、といっているらしいですが、その発言、パV2を狙う井原の深謀遠慮ではないでしょうか。どうも素直のは受け取れませんねえ(^^;。
金本加入で赤星のショート、コンバート案が出ている模様(もともと内野手出身だそうです)。

ローズは野球選手を続けていたんでしょうか? もし辞めていての復帰ならちょっと期待薄では?

>「悪魔の野球」というアンチ巨人本は面白かったです。
日記読みました。この本新刊ですか? ブックオフで見かけたような気がするんですが、新刊書店だったのかな・・
どうも最近、書店(古本屋)回りに真剣さが欠けているようです。昔は一回見たらどこに何があるか覚えていたもんですけどね。単に記憶力が老衰してきただけかも(汗)。

「太古の王、過去の王にして未来の王」を読む。
この小説は一風変わっていて、著者があとがきに書いているように、小説というより、伝承物語風である。

第2話のオアシス都市パルミラが、東方より攻め寄せてきた謎の戦士たちに蹂躙され、住民は散り散りになる。それ以前に二人の女、ハディージャとマーリファが、それぞれアルフォンスの子を生んでいた。戦乱のさ中、ハディージャは死に、子はトーファというパルミラの女に託される。
ダマスカスで、伝説の聖杯を求めて訪れていたログレス(ブリテン島の古名)の騎士エクトル卿と出会い、卿は、トーファとマーリファ、それぞれ子供を連れて帰国する。
このハディージャの「娘」こそ、のちのアーサー王その人であった!

アーサー王と円卓騎士団が活躍したのは、史実では6世紀である。本篇の時代は13世紀である。アーサー王伝説についてはよく知らないので当てずっぽうだが、作中で語られる<伝説の統一王>、かれこそが6世紀のアーサー王という設定なのかも知れない。いや、どうでもいいことですが(^^;。

かくのごとく本篇は明らかにファンタジーである。科学的用語は出てくるが、魔術と同義。しかしアーサー王伝説の単なる焼き増しではなく、著者独自の解釈によって語り直されている。アーサー王が女だったというのは、おそらく著者の独創だと思う(謙信=女性説は八切止夫ですが(^^;)。
ともあれ、かなり強引な物語で、そういう意味では伝承物語風のスタイルをとったのは正しい選択だったように思う。

しかしこの連作、一筋縄ではいきませんなあ・・・。一体どこへ向かおうとしているのか、どう着地するのか、ほんとうに予測がつきません(^^;。期待は高まるばかり!!


あれれ 投稿者:土田裕之 投稿日:11月17日(日)23時48分54秒

金本のタイガース入り決まっていたんですね。
さて、来年はどうなりますことやら。

今日のニュースはローズのマリーンズ入り。
ブランクが開いて活躍した選手は記憶にありませんけど、どうなるでしょうか。
それにしてもずーっと交渉していたんでしょうかね。

「悪魔の野球」というアンチ巨人本は面白かったです。

SFとは全く関係ありませんね。すいません。


読売新聞に 投稿者:管理人 投稿日:11月17日(日)12時53分39秒

眉村さんがコラムを連載していることに、今朝気がつきました。
「眉村卓さんの ケア ノート」というタイトルで、毎週日曜の朝刊に掲載されている模様。
今日(11/17)が3回目らしく、あわてて古新聞を引っかき回して第2回(11/10)分を確保しました。
しかし11/7以前の新聞は処分済みで、第1回目は見つけることができませんでした。

内容は、2回目が、1997年6月12日、乗車中の新幹線に医者から電話があるところから、奥様の手術が済み退院し通院するまでに至る経緯。3回目が、奥様にショートショートを毎日書き始め、それがたまって来て出版するに至った経緯。となっています。

必要ならコピーをお送りしますが>Yさん
編集済


電車通勤は、 投稿者:大熊宏俊 投稿日:11月16日(土)22時04分50秒

Yさん

もう7、8年やっていませんねえ、、、

>「ポケット」特装版
まだ解明されてないのです。もし分かりましたらお知らせしますね。

>呪禁官
牧野っぽいというのが、まだよく分からないのですが(殆ど読んだことないので)、「呪禁官」は読んで見るつもりです。


『アイオーン』より 投稿者:大熊宏俊 投稿日:11月16日(土)21時57分18秒

失礼しました(^^;。読み返して私も恥ずかしいです。
いや〜読んでいるうちに、そのあまりにも纏綿たる情調にすっかり酔っ払ってしまって(笑)つい誤解を招くような文章を書いてしまいました。しかも文法的にもおかしいし(ーー;、まことに申し訳ございません。ああハズカシ。

高野さんの本文は、当然ですが、このようなはしたないガチャ文ではなく、もっとずっと典雅で正しい現代文ですので、みなさま誤解なきよう。

さて、引き続いて「栄光はことごとく乙女シオンを去り」を読む。

第1話よりおよそ20年後、ローマ教皇の使節フンベルトゥス枢機卿の一行が東方の都コンスタンティノポリスに到着する。ファビアンは、枢機卿の御典医として一行に付き従っている。使節の目的は、ローマ皇帝ボードゥアン一世とコンスタンティノポリス総主教に会見すること。西方世界とこのビザンツ帝国が、ヴェネチア商人を介して以外、ほとんど没交渉になって久しかった。
到着した世界都市コンスタンティノポリスは、確かに偉大な都だった。が、ファビアンには、町のそこかしこに窮乏の様相が認められた。
この都市でファビアンが出会ったのは、なんと遙か東方、元国より帰り着いていたかのマルコ・ポーロその人! マルコは、ビザンツ人の幻術に惑わされるなと警告するのだった・・・

実に絢爛豪華という言葉がぴったり。最初、「都市と星」をやろうとしているのではないかと勘ぐったのですが、これは違いました(^^;。
コンスタンティノポリスの描写がとてもいい。目に浮かぶようです。こういうのを書かせると天下一品ですな、高野さんの独壇場です(^^)
トロンプ・ルイユ的仕掛けにみちた構成が非常に面白いです。二転、三転するストーリーが最後に落ち着いたところは? ファビアンとマルコは、これからどうするのか?
謎は謎を呼び、物語は新たな界面へと遷っていく……


研修に行っていました 投稿者:Y 投稿日:11月16日(土)19時30分02秒

電車通勤はたまにはいいですね。

>「ポケット」特装版
見たことがありません。番組のプレゼントだったんでしょうか?
私は「ねらわれた学園」の薬師丸ひろこ表紙じゃないやつを
探してますが……。

>「呪禁官」
あんまり牧野っぽくないので、またブックオフで見かけた時に
どうぞ、というような勧め方をしておきます。
私は架空の専門学校ものが好きなので(「産業士官候補生」とか
「引き潮のとき」の最初とか「後宮小説」「都立水商!」
もちろん「ハリポタ」ほか多数)ツボでした。


(汗) 投稿者:ふみお 投稿日:11月15日(金)23時36分00秒

おっ……大熊さん……
お褒めいただくのはありがたいですが、うう、あんまり文章力を駆使しないで下さい……は、恥ずかしいです(汗)。


『アイオーン』より 投稿者:大熊宏俊 投稿日:11月14日(木)21時07分00秒

「慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において」を読む。

ペルシアの月の砂漠のいづくにやあらむ、オアシスなる円柱都市、伝説の都パルミラの廃れし墟(うつろ)――高潔なる太守(ハリーファ)に率いられし秘密教団が住処なるこの都、楽園の生活ありたれば、げに慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において、傷つきたる者、病める者、絶望したる者、そしてただ死を待つ者どもを受け入れ、しかして究極の癒やしを施せるとぞ。しかもなおかの都、<過去を取り戻す機械>なるものの古えより秘かに伝えられしを人ぞ知るや・・・

前篇より凡そ10年後、その<過去を取り戻す機械>に引き寄せられるように、アルフォンスは遭難を装ってパルミラに至る。そこはまさに伝説の楽園だった。が、不思議なことに女ばかりで、アルフォンスのような訪問者以外に男の姿はなかった。
かれはあの手この手を使って、女たちからこの都の秘密を聞き出そうとする。

支那の文字(漢字)において、肉体の部分をあらわす文字に必ず<月>という文字が含み込まれているのは何故か? 古来より月は女を意味するところから明らかにされる唯一神アッラーの衝撃の出自・・・。ムハンマド(モハメット)は裏切り者だったのか?
廃都の中央を貫く主道によって両断された死者の地と生者の地。夜ごと聞こえるのは、死を待つ者の悲哀の叫び。死者の地に鎮座する<過去を取り戻す機械>とは?

SFであった前篇とはうって変わって、本篇では著者の「物語作家」――語り部――としての資質が遺憾なく発揮されて、濃密なヒロイック・ファンタジーを味わうことができる。<ウィアード・テールズ>に載っても全然違和感がないだろう(って、当然実際に手に取ったこともないんですが、そんな印象がすごくするのでした(^^;)。
編集済


高野史緒『アイオーン』より 投稿者:管理人 投稿日:11月13日(水)19時03分04秒

「エクス・オペレ・オペラート」を読む。

唯一にして至善なる神が作りたもうたのは、物質に依らない形而上の世界、天空であった。
一方、この現世は、天界から追放されたルキフェルが作った世界。この世界は物質界であり、ルキフェルはアダムとエヴァに依って増殖する、物質でできた肉体(コルプス)に、天空より誘惑した天使たちの魂(アニマ)を封じ込める。
なぜ至高神はかようなルキフェルの所業を許したもうたのか? それは本質として天使の魂である人間が、この物質界において功徳を積むことによって、遂に物質たる肉体を脱し、天界に回帰し天使として復帰するという試練を与えんがため。
かかる物質世界において、キリストの教えを国教と定めた古代ローマ帝国は、ルキフェルの逆鱗に触れ破壊される。地上は放射能にまみれた荒れ地と化し、生き残った人間はそのコルプスを痛め傷つけられ、功徳を積むに充分な時間を与えられずに死に、帰天を果たせないどころか、さらに下位の獣体に封じられれば、もはや救済は永遠に訪れないのだ!
そんな世界において、教会は、物質界の走狗ともいうべき<科学>を異端の名の下に厳しく取り締まっていた・・・

これまで読んだ高野さんの作品のなかで最高作ではないでしょうか。完璧で貶すところがない(^^;。描写も的確で、ありありと目に浮かんできます。
いや、かかる設定のもとに書き上げられたこの連作集自体が、実のところ、どうあがいても、傑作にしかなりようがないように予想されます。それほど素晴らしい設定であるといえましょう。
エクス・オペレ・オペランティスが支配する世界に、エクス・オペレ・オペラートが、少しずつ風穴をあけていく、そういう物語が語られているのでしょうか。
いやあ、わくわくしてきました(^^)。
編集済


書き癖 投稿者:管理人 投稿日:11月13日(水)00時21分38秒

土田さん

金本が入り、ペタジーニが入るかも分からない、となれば、坪井にとってはよかったのではないかと思います。桧山のFA宣言も、上の状況に無関係とは思えませんね。

>なんだか文体に眉村さんがのり移ってませんか?(笑)
うーむ(汗)
実は眉村さんの日課を打ち込んだとき、ほとんど一発で変換されるので楽でした。眉村さんはさすがに素直な文章を書くんだなあ、と感心して某氏に話しましたら、それはあんたの文章が眉村さんに影響されているんだから、あんたのパソコンの変換が眉村さんの書き癖にフィットしているのは当然なのだ、といわれてしまいました(^^;ゝ


筒井初期長篇再読(その3) 投稿者:管理人 投稿日:11月13日(水)00時03分41秒

第4長篇『脱走と追跡のサンバ』(角川文庫)読了。
今いる場所は、以前おれがいた場所ではなく、現在おれと共に流れているこの時間は、以前のおれが身をゆだねていた時間とは別の時間なのだ。いつおれはこの世界にやってきたのか。心当たりはある。同窓会の帰りだったか、会社が終わってからだったか、あるいはデパートへ買い物に行った休日の夜だったか、とにかく正子といっしょに公園でボートに乗った時も、その心当たりのひとつだった。おれは以前いた世界へ戻ろうと、この世界から脱出を試みるが、その脱出を阻止せんとする尾行者が・・・

当時SF界を席巻しつつあったニューウェーヴ運動に触発されて書かれたのであろう筒井流NW小説。
今回読み返して気がついたこと。それは本書が日本のNW運動の主導者、山野浩一の小説世界のパロディになっていることだ。たとえばそれは「なぜなら・・・だからだ」という構文の頻出に見られる過剰なまでの論理的因果的説明の連鎖による展開である(もっとも山野と筒井の共通的志向かも知れないが)。著者はそういう山野的小説世界を器用になぞりつつ著者自身の小説世界を突き合わせ距離を測りそれ(山野的小説世界)を倒立させようとしているように思える。あんたのやろうとしているようなことくらいおれにはちょちょいのちょいよ、というのが最大のテーマだったのではないかとさえ疑われるが、結果として現前した作品は、山野的NW世界とシェクリイ的世界を異種交配させた、結局のところ筒井康隆的というしかないものだ。
エピローグの唐突にはじまるドビンチョーレ(NW?)論も興味深い。

筒井再読はいったんお休みし、次は「アイオーン」を読む予定です。


坪井 投稿者:土田裕之 投稿日:11月12日(火)23時56分31秒

坪井を出すとは思い切ったトレードですね。
でもここのところ振るわなかったからな。

下の大熊さんの書き込み、なんだか文体に眉村さんがのり移ってませんか?(笑)

ところでbk1は割と利用します。
もちろん大熊さんと同じ理由もありますが
最近ではちょっと古いだけで注文しないと買えない場合が多々ありますので。


bk1と不確定性原理 投稿者:管理人 投稿日:11月12日(火)21時44分05秒

高野史緒『アイオーン』をbk1で購入。
お小遣いが乏しくなってしまい、現金で本を買うのを控えなければならない事態に立ち至った。それではじめてbk1を利用した。なぜお小遣いが乏しくなったらbk1なのか? 理由は簡単、カードで決済だからである。
金はないけど本は欲しい。一体どうすりゃいいんだ、と悩んでいたとき、ぱっと、天啓のようにひらめいたのがこれ。そうだ、カードで買えばいいんだ!
引き落とし日がいつかは知らないが、まさか今日明日ってことはなかろう。ってことで、いそいそとパソコンで手続きをした。われながら素晴らしいアイデアだ。自画自賛しながら注文した。 
注文後、36時間で到着。おお早い。とはいえ、ほんとうは24時間以内に到着していたのだ。昨日パソコンで配達状況を確認したら15時過ぎに配達完了になっている。楽しみに帰宅したが、商品は届いていない。配達店に確認すると、なんと運転手が用事で帰ってしまい配達していない、翌朝必ずお届けしますと謝ってきた。
別にそれはそれでいいのだが、なぜ配達完了にする? 少し考えた。クロネコ便は24時間以内配達完了を契約の条件にしているのではないだろうか。24時間を超えると配達員にペナルティが課せられるのかも知れない。それでとりあえず、運転手はテキトーな時間に配達完了にしておいたのではあるまいか。
私が利用したbk1のメール便というサービスは、受領の印鑑を貰う必要のない郵便受けに投げ込んでおく方式なので、ふつうはそれで問題ないのかも知れない。
今回のケースは、受取人の私が、はじめてbk1を利用し、そのサービスに興味津々で、配達状況にアクセスしたから明らかになったが、ふつうはそういう処理で問題なく回っていくのだろう。
ま、受取人が私であったことが、運転手の不幸だった。今回の件で運転手は注意を受けたかも知れないのだから。もっとも、こんなことは許容範囲ということで、不問だった可能性も大いにある。
いずれにしても、私という観測者の観測という行為が、事故を存在ならしめたところが面白い。日常性のレベルにおける不確定性原理の発現といえるかも(^^;。
編集済


新発見か? 投稿者:管理人 投稿日:11月 9日(土)22時54分41秒

あとでトップページに掲載しますが、いつも情報を頂くとぐろさんから、またまた新情報が!

眉村先生の『ぼくたちのポケット』(角川文庫版)の、ちょっと変わったカバーが付いたのを古本屋で見つけられたのだそうです。→こちら。通常のカバーはこちら

この「ぼくたちのポケット」というのは、FM大阪「男のポケット」で放送されたエッセイとショートショートをまとめたもの。
とぐろさんは、ラジオのリスナーへのプレゼント用に制作されたものではないかと推測されています。

送っていただいたカラーコピーを見ると、表表紙は画像の通り。背表紙は「ぼくたちのポケット」のタイトルの下に、[ FM大阪の男のポケット ]が付加。裏表紙は「男のポケット」のスポンサーだった日本専売公社の広告のキャビン85のデザイン。表表紙の折り返しに、眉村さんの自筆署名入りのコメントとマイクを前にした眉村さんの写真。裏表紙折り返しに、「"男のポケット"放送100回記念にあたって」というスポンサーからのコメント。角川の名前はどこにもありません。

このような体裁から考えて、とぐろさんの推測が当たっているように思われるのですが、どうなんでしょう。
この異装版について、ご存じの方はいらっしゃいませんか?
編集済


おそろしや、、、 投稿者:管理人 投稿日:11月 8日(金)21時12分31秒

眉村卓ワンダー・ティー・ルームの「店長読書月記」が久々に更新されています。
ふーん、「呪禁官」おもしろいですか。牧野修爽やかですか(^^;。これは気になりますね。
そういえば昨日ブックオフにあったなあ。あれは何処のブックオフだっけか、、、3軒も回るとこんがらがってしまいますな(汗)。

文房具を買いに入った100円均一のダイソーで、サンタナのCDを発見。思わず買ってしまいました。パースエイジョンとかジンゴーとか初期のナンバーですが、別テイク。音が悪いような気もしますが、わざとロフト録音風にしたものかも。24ビットマスタリングデジタル編集採用と書いてありますが、これはどういう意味?
いずれにしてもサンタナが100円で買えるとは(汗)

あと、フルトベングラーやカラヤンがずらりと並んでいます。フルトベングラーが欲しかったけど、音質が悪いという意味のことが書かれてあった。時代的にも当然な気がしましたが、とりあえず今回はやめて、カラヤン/ウィーンフィルの運命(1946)と8番(1948)のカップリングを購入。まだ聴いていません。これから聴きます。
それにしても100円とは、、、


ヘビー・メタル・キッズ(承前) 投稿者:管理人 投稿日:11月 7日(木)22時22分19秒

ishiさん

私は大学時代、映像でみたボーカルにビックリして、LPを持っていた後輩に一度だけ聴かせてもらいましたが、たいしたことなかったです(汗)。
たぶんライブで真価を発揮するバンドだったのではないでしょうか?


筒井初期長篇再読(その2) 投稿者:管理人 投稿日:11月 7日(木)21時59分04秒

月刊センターHPの「眉村卓ショートショート」が更新されています。→「覚えてろ」

筒井康隆の第3長篇『霊長類南へ』(角川文庫)読了。
「アフリカの爆弾」などの系列の社会風刺的ナンセンスドタバタ長篇。
中国瀋陽ミサイル基地の核弾頭ミサイル誤射をきっかけに、米ソが核ミサイルを撃ち合い、人類は破滅する。
主にその数日間の人間の、愚かというも愚かなあらえっさっさ的乱痴気騒ぎを、ストーリーというより場面の積み重ね的手法で描いている。

いや面白い。破滅SFは、「日本沈没」もそうですが、大概<指導者>の視点から描かれているものです。どんなに主人公が清廉潔白で民衆のためにわが身をかえりみず粉骨砕身しようと、畢竟それが上から下への視点であることに違いはありません。いいかえれば<組織>からの発想なのです。はっきりいって、これはSFの大いなる欠点であると思います(けれどもそれは、SFの要件から導かれる必然的な欠点でもあります)。

筆者は、しかしその必然的な頸城から、本書を巧妙に免れさせます。すなわち冒頭で、首相以下日本政府の要人は、国民をほったらかして南極へ逃れようとしますが、醜い内輪もめの末、まっさきに死んでしまい、日本は無政府状態に陥るのです。まず<組織>が崩壊しちゃう。つまり、この小説に小野寺役はいないのです。
こうしてあとは、政府高官より賢くもなく馬鹿でもない民衆の、付和雷同的に引き起こす愚かしくも壮大なレミング現象が、著者によって、滑稽とも悲惨ともいえるその紙一重のところで、あざとくも誇張的に描写されるばかりです。

今回読み返して、本篇が一種バラエティショー的なテレビドラマ仕立てになっていることに気づかされました。メインのストーリーは、「おれ」という登場人物の経験する数日間を追っているのですが、これはかなり現実的なレベルの話なのですが、合間に挿入されるドタバタ劇は、もはや現実感からはほど遠い設定で、その落差が、案外この長篇の成功に寄与しているように感じられました。たとえば「下町裏長屋」の章に登場する飲んだくれの亭主と女房などは、(傑作ですが)まさに演歌の世界にしかありえないような夫婦でありましょう。「南太平洋」の章に出てくる人食い土人も同様。

ともあれ、テレビドラマを見ているような面白さが充満した傑作な話です。内容はかなり悲惨なんですけどね。
ラストの人類最後の男、SF作家のブライアン・ジョン・バラード(!)が、死ぬ前に叫ぶ言葉が印象的です。さよう、人生とはそういうもんでしょう(^^;ゝ

余談ですが、筆者独特の誇張的な描写は、実に講談の語り口にぴったりではないかと思いました。たとえば「永田町首相官邸」の章など、ナンセンス講談として、このまま高座に掛けられるものではないでしょうか>南湖さん。


ヘビー・メタル・キッズ 投稿者:ishi 投稿日:11月 7日(木)21時48分50秒

ヘビー・メタル・キッズの記事を読ませていただきました。何とも気になる内容で、なかなか面白かったです。キーボード・ピアノの方は、なかなかの有名人のようですね。
それにしても、音は入手困難そうですね・・・。


筒井初期長篇再読(その1) 投稿者:管理人 投稿日:11月 6日(水)21時03分52秒

土田さんによれば、筒井康隆が「まとめ」に入ったらしい。
あいつぐ「自選」作品集の刊行からの憶測とのこと。たしかに<小松左京マガジン>が、事実上小松左京の「まとめ」に他ならないことからしても、この土田説、何となく当たっているような気がします。
そういう時期に筒井も入ったのですね……うたた感慨を禁じえません。
それで思いついたのが、<筒井初期長編再読計画>です。「そうだ、筒井、読もう!」

それにしても、なぜ<初期長編再読計画>なのか? 理由は簡単。初期作品しか読んでないからです(汗)。
大体、私が筒井作品を熱心に読んでいたのは、70年代という実に大昔なのです。しかも80年代には、もう読まなくなってしまいます。長編でいえば「大いなる助走」からあとは読んでいません。

そんな昔の話ですから、(何度か読み返している第1長編「48億の妄想」を別にすれば)読後の印象だけはうっすら残っているにせよ、具体的な内容は、殆ど憶えていないのです。
そういう意味で、これは再読するちょうどよいきっかけかな、と思った次第。

で、まずは第2長編の『馬の首風雲録』(ハヤカワ文庫)読了。
いや面白い。この時代の筒井康隆は本当に面白いですね。本書を一言でいいあらわせば、「泣かせるドタバタ」でしょうか。

人類は、馬頭型暗黒星雲のなかに二つの地球型惑星を持つ太陽を発見、しかも太陽に近いほうの惑星ビシュバリクには犬に似た知的原住民が住んでいた。かれらは既に工場制手工業のレベルに達していたが、地球人の指導で一挙に文明を進展させ、外側の惑星ブシュバリクへ植民するまでに至る。ブシュバリクは、地球との交易で急速に発展し、やがて地球人の支援のもと、ビシュバリクに対して独立戦争を開始する……
というのが基本設定。

上のヨコ糸に編み込まれるタテ糸は、二つの惑星を舞台に、戦場を回って行商する戦争婆さんと呼ばれる老婆と、その4人の息子たちひとりひとりの行状記です。
戦争に巻き込まれ、翻弄される数奇な運命の不条理を、笑いと涙で描く、いわばSF新喜劇。しかもそれは、おそらく吉本であるよりは、松竹のほうに近いところのものです。

作者あとがきによれば、この中には、のらくろからヘミングウェイからカフカから……過去のさまざまな戦争テーマの文学作品、芸術作品がデフォルメした形で張り合わされてあるらしい。一種のコラージュなのでありますが、私はそれ以上に、この長篇にシェクリイの影響を強く感じました。

本篇は、戦争婆さんと4人の息子たちその一人ひとりに対して、かれらを巻き込まんと押し寄せてくる<戦争の不条理>に、木の葉のごとく翻弄されつつも、しかしそれなりに必死に立ち向かっていく姿を、独特の誇張されたタッチで描いた、可笑しくも哀しいスラップスティック・コメディなんですが、このような小説のスタイル、筆法に、私は、シェクリイの長篇「明日を越える旅」や「精神交換」に非常に共通したセンスを感じないではいられませんでした。今回、再読してそのことを強く意識させられました。

とはいえ、作品の完成度となれば、筒井はシェクリイの比ではありません。本篇は、シェクリイの上掲2長篇よりも(エンターティンメント的にも文学的にも)格段にすぐれた作品として仕上がっていることは明らかです。

英米SFの西洋建築を、日本人にも住み易いよう和風も取り入れて改築して提供したのがSF第1世代であると、山野浩一は分析しました。たとえば光瀬龍がハインラインの未来史を、眉村卓がアシモフのロボットものを、豊田有恒がアンダースンの時間ものを、平井和正がベスターの情念を、それぞれ日本に合うよう改装したように、筒井康隆もまた、シェクリイの風刺や寓意を、日本人向けに改装したわけです。本篇は、少なくとも初期の筒井は、確かに第1世代の一員であった証であるといえるのではないでしょうか。


東京大宴会(承前) 投稿者:管理人 投稿日:11月 4日(月)21時48分41秒

南湖さん
東京公演の大成功おめでとうございます!
これでいよいよ、南湖さんも、探偵講談も、全国区ですね(^^)
引き続き、海野十三や快楽亭ブラックの講談化を楽しみにしています。

あ、そうそう、中さんが乾坤一擲、遂に執筆された新作講談「乱歩一代記(川崎克と江戸川乱歩)」(伊賀上野凱旋公演にてお披露目)も見逃せませんねえ(^^;ゝ

池袋公演に駆けつけて下さった森下一仁先生が、早速感想をアップして下さっていますので、リンクしておきますね→11/2の日記

ishiさん
お疲れさまでした。たのしかったですね(^^)
ラヴクラフトは、作家としてのポジションが、乱歩とよく似ているように思います。乱歩は存命中から人気作家だったのに対して、ラヴクラフトは存命中は無名で恵まれなかった点は正反対ですけど。

>へヴィメタルキッズ
ちょっと検索してみたら引っかかりました→こちら
でも、実物の迫力(!)は、これでは分からないんですけど(^^;

>コルトレーン
近日中に送りますね。でもLPレコードなんで、うまくMDに録音できるかな?

また大宴会でお会いいたしましょう。よろしくおねがいします。
(猟奇王は、すでに南湖さんが講談化しています。ご存じでしたか?)


ishi 投稿者:ishi 投稿日:11月 4日(月)19時45分11秒

こちらでははじめましてのishiです。
大宴会ではお世話になりました。
酔っ払った勢い(と言う言い訳で)すっかりあれこれ話してしまいましたが、とても楽しかったです。宴会でちょこっとラブクラフトのお話をしましたが、掲示板の大宴会直前のカキコにその文字が・・・偶然というのも面白いですね。
これを機にすこしSF作品も読んでみようかなと思っております。
それにしても気になるのは”ヘヴィメタキッズ”○○発言故頭なのなかではすごいバンド像を思い浮かべております。
今後ともよろしくお願いいたします。

http://www.h3.dion.ne.jp/~akuta/


東京大宴会 投稿者:旭堂南湖 投稿日:11月 4日(月)19時18分59秒

わざわざ大阪からお越し頂きまして有難うございました。いやあ、楽しかったですね。もう早速次の大宴会が楽しみであります。また、よろしくお願い致します。


飛浩隆『グラン・ヴァカンス 廃園の天使1』 投稿者:管理人 投稿日:11月 4日(月)18時53分11秒

舞台はネットワークのどこかに存在する仮想リゾート<数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)>の一区画<夏の区界>。南欧の港町を模した永遠に夏が続くそこでは、AIと称される仮想人格たちが生活し、会員権を持った、普段は現実世界に住む裕福な人間が訪れるのを待っている。
ところが、ある日を境に訪問者が来なくなり、爾来1000年もの間、取り残されたAIたちが人間の訪れを待ちながら永遠の夏の一日を倦まず繰り返している。
というのが前提的な設定である。
そこへ突如として謎のプログラム<蜘蛛>の大群が現れ町のすべてを無化し始める。……

最初、勿体ぶった、凝っているようで舌足らずな文章や、流れガラスとかヴァーミリオンサンズを思わせるような描写とか、過去の作品にのっかかったオリジナリティのない作品ではないかと、ちょっと嫌な予感がした。男・恩田陸かと思ったのだった。

が、読みすすめていくうちに全然気にならなくなり、ぐいぐい引っ張られるように読み終えた。
大変なストーリーテリングである。いわゆる「小説がうまい」というやつだ。私は途中、何度も半村良とか夢枕獏という名手のテクニックが思い出されてならなかった。
しかも、お互いに惹かれている12歳の少年と16歳の少女が活躍するこの話、意外にも正統的なジュヴナイルの結構を備えている。ジュヴナイルといえば、「時をかける少女」にとどめを刺すが、本書はそれに勝るとも劣らない傑作である。

ともあれ、Jコレクションよりも、むしろノベルズで出されてしかるべき本ではなかっただろうか。よい意味で通俗的で広い読者層にアピールする作品だ。この著者、十分ベストセラー作家になりうる資質の持ち主であると思った。

その反面、SF的見地から言うと、たとえば上述の基礎設定にしても、たとえば岡本さんも書いておられるように、ほとんど魔法の世界なのであって、因果律はアプリオリの前に敗北している。ガチガチのSF読みには違和感があるかも知れない。しかしそれは半村良や夢枕貘にも共通するもので、そういう意味では、SFと言うよりも伝奇的なファンタジーに近いだろう。

だからダメだと、貶しているのでは毛頭ありません。SFとしては若干弱いかも知れないが、それをおぎなってあまりある抜群のストーリーテリングで、本書はJコレクション作品のトップに躍り出たのではないだろうか。
久しぶりにジャンルSFから生まれた傑作面白小説である。

余談ながら、前出の岡本俊弥さんによると、本書に対して「何箇所かで、ニュー・ウェーヴを思わせるとの指摘がある」とのことだが、全然違うでしょう。
もちろん岡本さんもそうだといっているわけではなく、借り物のレトロ性を新しい読者がニューウェーブ性と勘違いしていることを指摘しているのだが、本来ニューウェーブとは既存SFの通俗性の否定に出発したのであって、たとえ外見が似ていようと、傑作エンタティンメント小説である本書とは、本質的に全然違うものである。
編集済


東京の一日 投稿者:管理人 投稿日:11月 3日(日)23時00分19秒

東京より戻りました。
いやあ疲れた(^^;。密度の濃い一日でした。
探偵講談池袋公演は、300席が殆ど満員状態となる大盛況。南湖さん大熱演でした(^^)
名張では反応がとぼしかったユーミンネタが、こちらのお客さんは敏感に反応していて興味深かった。地域差でしょうか、年齢差でしょうか(^^;ゝ

会場では森下一仁さんとお会いすることができました。ずっとお会いしたいと思っていたので、とても嬉しかったです(奥様とバイク二人乗りでいらっしゃったそうです。かっこいい!)。
あまりお話しする時間がなかったのですが、『魔術師大全』(双葉社)にサインをしていただきました(^^)v。ばかりか、あまつさえ先生のエッセイ「乱歩と軍と二十面相」が掲載されている遊歩人10月号を頂戴しました。どうもありがとうございました。

この遊歩人10月号には、この日も口演された「乱歩一代記」の原作者であり、会場にもお見えだった芦辺拓さんの「少年探偵――乱歩の眼」というエッセイも掲載されています。

そうそう、本多正一さんにもお会いすることができました。本多さんとも一度お会いしたかったので嬉しかったです。本多さんには、彷書月刊10月号を頂戴しました。この号は中井英夫特集で、本多さん(と竹本賢治さん)の「橋の途中」が掲載されています。本多さん、ありがとうございました。
しかし本多さんと私の共通の知人の消息を知らせていただきましたが、ちょっと心配です。

この彷書月刊に「昭和出版街」という連載をされている『新青年』研究会の末永昭二さんには、名張で撮影していただいた某和服美人とのツーショット画像をフロッピーで頂きました。わざわざ持ってきて下さったんですね、ありがとうございました。

さて講談が終わって、打ち上げの大宴会まで少し時間があったので、一緒に観ていた土田さんと無謀松さんといわいさん(無謀松さんといわいさんとは初対面でした)とファーストフードのホットドッグ屋に入って時間つぶし。講談には川口さんもいらっしゃっていたのですが、帰られました。

7時過ぎに会場の蔵之助に行くと、わお人人人(^^;。幹事の小林文庫オーナーさんによると、50人の予約のところに70人くらい詰めかけたのだそうな。いや盛況で善哉善哉!
しかし人が多すぎて誰がいるのやら訳が分からない。順次自己紹介をするのですが、ずうっと向こうの方の人は、遠すぎて声が聞こえません(^^;
私は土田さんのグループや和服トリオの玉村さん、桜さん、ishiさんと主に喋っていました。

2次会も20名以上の大人数で盛り上がりました。ここでようやく住田さんと喋ることができました。12時近くなるとさすがにぱらぱらと減っていき、終電もなくなり、朝まで飲もう組は3次会に突入。中さんと南湖さんは二次会で宿に帰られましたが、私は3次会に参加(^^;。朝まで飲むつもりが、座った途端に睡魔が兆してきた。もうぼおっとしてどうにもならなくなってしまい、残念ながら1時間ほどで失礼させていただきました。どうも面目ないことで、3次会参加の皆様申し訳ありませんでしたm(_ _)m

で、蹌踉と歩いてすぐ近くのカプセルホテルに投宿。付属のサウナにも入らず爆睡してしまったことでありました。
お会いしたかった方、思いもかけずお会いできた方、再会できた方など、多くの方にお会いすることができとても楽しい一日でした。東京まで出掛けていった甲斐がありました。
編集済


『グラン・ヴァカンス』 投稿者:管理人 投稿日:11月 1日(金)19時18分00秒

飛浩隆『グラン・ヴァカンス』(ハヤカワJノヴェルズ)読了。
傑作です!! Jコレ毎回傑作と叫んでいますが(^^;本作は100点満点の大傑作!
感想は東京から帰ってきてから書きますが、とりあえず――本作は「時をかける少女」を超えたジュヴナイルの最高傑作!と言っておきます。

Yさん
>「秘神界」
ちびりちびりと読んでいるので、まだ半分なんですが、ラヴクラフトを読んでいなくても充分楽しめると思います。
小林泰三作品くらいでしょうか、オリジナルに反応して書かれているのは。

団精二(荒俣宏)のコンパクトな解説があるので引用しておきますね。

ラヴクラフトに従えば、宇宙には3種類の神が存在するという。大宇宙を創造した旧神(エルダゴッド)はベテルギウス座の彼方に君臨し、いっぽう地球には超能力を有する旧支配者(オールドワンズ)が勢力を張り、同じく地球には、地上本来の小さな神々が存在していた。宇宙はこれら3勢力の均衡の上に成り立っていたのだが、あるとき旧神と旧支配者たちの間に抗争が起こった。宇宙の支配権を巡る闘争に敗れた旧支配者は、旧神によって全滅に近い刑罰を受け地球から姿を消す。大気を司るハスタルは古代都市カーコサ(ビアスの短編「カーコサの住人」から採った名)にある湖に沈められ、風に乗る異次元生物イサカは北極の氷山に閉じこめられ、旧支配者の王アザトートは大地の神ヨグ=ソトートと共に宇宙外へ追放され、海洋の邪神ク・リトル・リトルはアトランチスと共に海底へ封じ込まれる。やがて地球には人類が生まれ、地球神のもとで進化への道をたどっていく。しかしかれら恐るべき太古の支配者は、地球の奪回をめざして旧神の縛をつぎつぎに解きはじめる。こうして再び宇宙支配の魔手を伸ばしはじめた旧支配者に対抗する人間は、人知が生み出した二つの武器である科学と魔術を駆使して、彼らの野望をくじく死闘に加わる…… (SFM154号の「SFスキャナー」より)

さあ、今から東京行きの準備だ(^^)
大宴会、若干余裕があるようです。興味のある方は人外境だよりの小林文庫オーナーさんの投稿をご覧下さい。
編集済


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