【掲示板】


ヘリコニア談話室ログ(2003年9月)


冒険ファンタジー名作選 投稿者:大橋 投稿日: 9月30日(火)22時04分41秒

なんか、ご無沙汰しています。
「SFJapan」の原稿を今日、入稿してきました。
こちらの話はとりあえず、おいといて、

「冒険ファンタジー名作選」です。
もうすぐ、発売になります。

私のサイトで紹介文を掲載しました。
どこよりも早く、山本貴嗣の描く『火星のプリンセス』を掲載しました。
http://www.kuusoushounenn.jp.org/

10月いっぱいは「冒険ファンタジー名作選」の個人的、応援月間なので、
また、その話題の書き込みをします。
そんなわけで、「冒険ファンタジー名作選」よろしくお願いします。


名探偵ナンコ 投稿者:管理人 投稿日: 9月29日(月)20時54分27秒

昨日の探偵講談「名探偵ナンコ」は、二周年特別大興行ということで、満を持しての大ネタ、芦辺拓原作「明智小五郎対金田一耕助」がお披露目されるときいておりましたので、本当に楽しみに、大いなる期待に胸をふくらませて、会場の本遇寺に赴きました。
ところが――
到着するや知らされたのは、「急遽演目が変更になりました」
ええーッ!!
と、私はのけぞりました。
いえ、私だけではありません。次々とやって来られるお客さまことごとくが、一人として例外なく
ええーッ!!
と、のけぞらない方はおりません。しかし何といっても可哀想だったのは「明智対金田一」を聞くためだけに、わざわざ京都から遠路お越し下さったルパン研究家のS田さんでありましょうか(^^;

というわけで、マクラは、「わたくし南湖はいかなる次第で演目を落としたか」。
延々30分は言い訳、もとい、お話しされたでしょうか(^^; 面白かったです(汗) 南湖さんも高座で冷や汗をたっぷりかかれたかと(^^;

つづいては古典講談「藪井玄意」。このお話は、水戸黄門漫遊記のように延々と続くものだそうで、今回はそのさわり程度。養子に裏切られるも宿屋の女将の人情に触れ、大阪へと去っていく所まで。ああ〜これでは生殺し!せめて養子がどうなるかというところまでは聞きたかった〜!

さて「明智対金田一」の代わりに読まれたのは芦辺拓原作「超短編パノラマ館」。芦辺さんが同タイトルのもと、毎日新聞日曜版に現在連載されているショートショートから2題。
うーむ。ショートショートの講談化はむずかしいものがあるな、と感じました。ショートショートの本領は「転換の妙」だと考えるのですが、この「転換の妙」というやつ、講談ではなかなかうまく表現できないのではないでしょうか。

中入り後、恒例の芦辺さんと南湖さんの対談。今回は芦辺・観客連合軍による、南湖さんつるし上げ大会と相成りました(^^; いや南湖さん、お疲れさまでした!

そして打ち上げの宴会へとなだれ込んだ次第ですが、今回は初めて参加して下さった方が多く、いつもとは違った話題で盛り上がったりで楽しかったです。とりわけ(お名前を失念してしまって申し訳ないのですが)オリゴ党という劇団を主宰されている方のお話はとても刺激的でした。筒井の「スタア」にぱっと反応して下さって、さすが!と嬉しくなりました。

久しぶりにアイナットさんとEキングさんのお顔を拝見(^^)。アイナットさんお忙しそうですね。
そうそう、大江十二階さんに阪神優勝(〜祝勝会)のビデオを貸していただきました(^^)
アレクすてさんには(毎度ですが)小松左京マガジン他何冊か面白そうな本を貸していただきました。ご両人、ありがとうございました!
編集済


「ヘテロ読誌」が 投稿者:管理人 投稿日: 9月28日(日)13時01分36秒

更新されました。→7月分

今日は探偵講談「名探偵ナンコ」の日。6時からですよ。
別に用事もないんで、少し早いけどお昼を食べたら出発しようと思います。ぶらぶらと大阪見物(^^)。

「戦慄の神像」に着手しました。


承前 投稿者:管理人 投稿日: 9月27日(土)15時55分16秒

たしかに「じゃん」が山梨で発生し、直接東京には入らず八王子で止まり、他方、静岡、神奈川を経て東京に達したという、調査結果は、おもしろい。

だけど、その地点で止まってしまっているのがつまらない。八王子経由では入れなかった「じゃん」がなぜ南回りなら入れたのか、その理由が知りたいのです。
たとえば関西で、「じゃん」に対応するのは「やん」なのですが、私はなぜ関西では「やん」が、関東では「じゃん」が受け入れられたのかを知りたい。

おそらく「やるじゃないか」が「やるじゃん」に、「やるやないか」が「やるやん」に転訛したものだと思うのだけど、とすれば関東では「J」が、関西では「Y」が好まれると整理できますね。で、なぜ「J」と「Y」という差が生じるのか、そこの理由を考察してほしいのです。

これは社会調査的なレポート全体にいえると、私は常々感じているのですが、調査者が多様な「事実」を発掘する事のみに喜びを見出して、そこで満足してしまう傾向があるように感じています。

むろん社会調査や大数観察は学問の基礎であり、決してないがしろにするつもりはありません。
レヴィ=ストロースの研究は、それまでのフィールドワークの蓄積がなければあり得なかったものですよね。
まあ、私自身の興味の方向が、レヴィ=ストロース的な研究のほうに、はげしく惹きつけられる、というだけの話なんですが。
編集済


「日本語は年速一キロで動く」 投稿者:管理人 投稿日: 9月26日(金)20時44分57秒

井上史雄『日本語は年速一キロで動く』(講談社現代新書、2003)読了。

うーん、、、面白いといやあ面白いんだけどね。
なんかハマらなかったです。おそらく著者と私とでは興味と関心の向かう方向が違うのでしょう。
so what? って感じ。
編集済


「ヨシノガリNOW」 投稿者:管理人 投稿日: 9月24日(水)20時57分12秒

原田実『ヨシノガリNOW』(梓書院、2003)読了。

吉野ヶ里遺跡見学のガイドブック的な本の体裁ですが、内容は堂々たる吉野ヶ里概論となっています。
まずはガイドブック的に「現在」の吉野ヶ里遺跡の状態を概観したあと、栄えていた頃の吉野ヶ里の考古学的状況を、「魏志倭人伝」の記事と照らし合わせるという、他に類例のない視点から考察を加えています。

わたし的には魏志倭人伝が逆照射されて、読んでも目が上滑りしていた記述、例えば青玉とか、絳青[糸兼](こうせいけん)であるとか絳地交竜錦であるとかの絹製品が、具体的なものとして感じ取れるようになったように思います。

つづいて吉野ヶ里=邪馬台国説や吉野ヶ里=旁国説が整理されるわけですが、特筆すべきは、今年5月19日に発表された(本掲示板でも話題としました)弥生時代の開始が通説の紀元前5世紀より一挙に500年遡る(詳しくは弥生後期の開始は通説通り動かず弥生前期・早期が大幅に引き延ばされる)新説が早くも取り入れられ消化されていることです。

この結果、弥生中期に栄え、その後衰退していく吉野ヶ里は、邪馬台国の時代より一時代前のクニであることが導出されてしまったわけです。さらに邪馬台国畿内説に追い風となる発表だったわけですが、しかしながらこれによって弥生時代の開始のきっかけとなった(かもしれない)のは、呉越の滅亡ではなく、周初以来の(召公に代表される)淮河下流の淮夷・徐夷の征伐に関係があるのではないかと示唆されています。
実は私も、淮夷=倭人説を妄想していたので、これはまさに我が意を得たりで嬉しくなりました(^^) 著者の『日本王権と穆王伝承』を読まねばなりません!

かくのごとく本書はしっかりと考古学的事実に根ざした軽やかな想像力が、読者の古代史心をビンビン刺激しまくる快著といえましょう。

最後にひとつ――99pに筑後川のあの地域は、昔はもっと海が入っていますからね、という大和岩男さんの発言がありますが、これは信憑性があるものなのでしょうか?
私の妄想上も、鹿児島本線の西、長崎本線の南は海、ないしは沼沢地帯であってくれると大変ありがたいのですが(^^;
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レッド・ツェッペリン 投稿者:管理人 投稿日: 9月23日(火)23時02分57秒

「聖なる館」(1973)を聴いております。30年ぶりか?
当時は凡作と感じましたが、今聴くとそんなことはない。
よりゼップらしい世界が展開され深められておりますね。
当時はハードロックという一般的なイメージのもとに(を期待して)聴いたのが敗因(?)だったかも(^^;


「〈声〉の国民国家・日本」 投稿者:管理人 投稿日: 9月23日(火)21時39分34秒

兵藤裕己『〈声〉の国民国家・日本』(NHKブックス、2000)

明治10年代、日本の急速な資本主義化と軌を一にして膨張する芝新網町など東京の貧民窟に、チョボクレやカッポレを母胎に大道芸として発生した浪花節は、明治20年代半ばに寄席への進出を果たすや、またたくまに講談・落語を凌駕し、明治30年以降は「一人勝ち」の様相さえ呈するに至る。

浪花節が調子のよい節にのせて語るのは、任侠、義侠のモラルと法制度とのあつれきである(赤穂義士伝)。そのようなアウトローの物語が、体制内の日常を生きる庶民大衆にカタルシスを与えたわけだが、しかしそれはいわば制度外のファミリーの物語なのであって、忠孝一体のモラルが、社会の良俗から逸脱した部分において典型的に担われるというもの。

かかる法制度の枠組みを相対化する擬似的ファミリーのモラルは、モラルの向かうべき対象として、日本という普遍的レベルの(地域や階層を超えた)親方を見出す。
すなわち日本列島住人の一元的な「国民化」(天皇の赤子としての平等幻想)の装置として、浪花節は機能した、というのが本書の主張。

国家とは法制度のロジックで構成される世界であり、たとえ君民一体の家族主義を国是としていようと、家共同体の拡大・延長線上に存在する国家などあり得ない。近代国家とは、いわば「超個人的」な装置といえる。

ところが、かかる天皇を親としていただく国民国家は、国民的統合の代償として、みずからの内部にテロルを許容する論理を抱え込まざるを得ない。
なぜなら国民がひとしく天皇の赤子である以上、国民のモラルの行き着くところも、政治家や官僚(という「超個人的装置」)を跳び越えて天皇に向かうはずだからだ。

こうして2.26事件は、赤穂義士伝のように「浪花節」的に国民に包摂され、日本は易々と国家社会主義ファシズムの道へと走り始める。……

「君側の奸」を暴力的に排除したさきに「国民大衆を大御宝又は赤子」(井上日召)と慈しむ天皇のもとでの絶対平等の楽土が実現されるのだという、均質で親和的な「日本」が幻想されるのだが、このような幻想を容易に共有してしまう国民のメンタリティは、浪花節と不可分に、むしろ浪花節による一種の「布教」の結果、形成されたのだとする。

日本という国が、いとも易々と官民一丸となって戦争へ突っ走っていった理由の一端に浪花節があったとする考察はユニークで、ある意味納得もできる。面白かった。
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フランシーヌの場合は〜 投稿者:管理人 投稿日: 9月23日(火)10時42分46秒

柳生さん
ごぶさたです。なんか戸田勝久ネット画廊みたいですねえ。いやあ豪華豪華(^^)→風の翼

>公私にわたっていそがしそうですが
無意味にチョロチョロと忙しがっているだけ。しなければならないことはほっぽりだして。どうも「成し遂げる」ということが基本的にできないんですね。ダメダメです。

きのうは「みのもんたのラジオな番組」というなつかしのフォーク特集番組を見てました。「フランシーヌの場合」の新谷のり子さんが生出演されてびっくり。上品に年齢を重ねられていました。おそらく誠実に正直に生きてこられたのであろう、その生きざまが面差し等に反映しているように思いました。よかった(^^)


宴会、いいですね〜 投稿者:柳生真加 投稿日: 9月22日(月)21時20分14秒

こんばんは。
雨のあと、すっかり秋めいてきました。
あいかわらず、公私にわたっていそがしそうですが、こまめにホームページ更新して宴会に行って、なつかしい音楽も聞いてますね。さすがです。
名張宴会も講談も、「いいな〜」と、遠くから見ています。「風の翼」宴会は、もう少し延期しますね。お互い身体をいたわりつつ、飲みましょう。


秋は宴会 投稿者:管理人 投稿日: 9月21日(日)20時28分50秒

来週(9/28)は、<名探偵ナンコ>の日。前回は欠席したので、本当に久しぶりの講談です(^^)
今回は2周年記念特別興業ということで、芦辺拓さんの新作講談「探偵講談・明智小五郎対金田一耕助」が高座に掛かる由。これは楽しみ。→出演予定

ついでといっては何ですが、<名張人外境>開設4周年記念大宴会が開催されることになりました。いちおう幹事役を仰せつかりましたので、お知らせいたします。
日時は10月12日(日曜)、場所は名張市内の「かみ六」といううどん屋さん、料理はうどんすきの予定。夕方(時間後日)より始めて、最終電車に間に合う(というよりも、大阪神戸方面の方が帰宅できる)時間には閉めたいと思っています。
参加希望者は私あてにメールを下さい。

そういえば畸人郷の10月例会が、平月より1週間早い10月11日(土曜)になっていますので、連チャンになりますね(^^) いつもの第3土曜日ではなく第2土曜日ですのでみなさまお間違いなく。

紫の炎/ ディープ・パープル (1974)
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畸人郷例会 投稿者:管理人 投稿日: 9月21日(日)14時12分03秒

久しぶりに大江十二階さんもいらっしゃって、そうなりますともはやミステリの会とは思われません、阪神優勝話で盛り上がったのでした(^^)。

一次会から2次会へ移る途中、阪神百貨店を通り過ぎたのですが、もう異常としかいいようがありませんね。なんなんだこれは。みんなお金を使いたくて仕方がなかったのか。今まで使いたくて使いたくて仕方がなかったのだけれども、ようやく使うべきものを見いだした、とでもいうのでしょうか。

とはいえ、臼田さんによればもっともっと買ってもらわなければならないのだそうです。何せ今年はとてつもない銭闘が控えているからです。阪神の場合、集金装置が一カ所しかない(最近もう一カ所できたらしいですが)のは、ダイエーや西武に比べて大変な不利とのこと。

どうやらかつての給料が上がれば放出というパターンは、このような器の問題と無縁ではなかったようです。しかし今年は違うとのこと。みんなドンと上がるのでしょうか(ホンマに?)(^^;


原田実さんの新著 投稿者:管理人 投稿日: 9月20日(土)15時32分07秒

『ヨシノガリNOW』が昨日届きました(^^)。ネット購入送料不要です!

さて、もう暫くしたら<畸人郷>に出かけますが、アレクすてさんにお借りしていた本を、今日こそは忘れずに持って行かねば(>備忘)。


相手は西武かダイエーか 投稿者:管理人 投稿日: 9月18日(木)20時08分55秒

大江さん
おお、録画されていたのですね、かしこい(^^) 私はそういう発想は全く思いつきもしなかったです。

>「赤い部屋」の画家は、久世勇三 と書かれています
お手数をおかけしました。
久世雄三という画家は、寡聞にして聞き覚えがないのですが、どことなくシャガールっぽくていいですね。
ところで私の場合、虎といえば(熊ではなく)ただちに狼が連想されます。前門の虎を後門の狼に乗り換えた平井和正さんの影響でしょうか(汗)。

今、読みかけているのは、兵藤裕己『<声>の国民国家・日本』(NHKブックス)。
日本が近代国家としてスタートするにあたり、天皇を親とする<日本人>の民族意識を形作ったのは、近代的な法制度や統治機構などではなく、浪花節芸人の発する<声>だった。とするユニークな視点が面白いです。隣接領域としての講談についてもくわしく述べられていて勉強になります。

メイン・ストリートのならず者/ ザ・ローリング・ストーンズ (1972)


次は甲子園で日本一 投稿者:大江十二階 投稿日: 9月16日(火)23時39分44秒

管理人様
「赤い部屋」の画家は、久世勇三 と書かれています。

これからまた、片岡ホームラン、赤星サヨナラヒット、そして優勝の瞬間のビデオを見ます!


そういえば 投稿者:管理人 投稿日: 9月16日(火)23時11分05秒

今朝みた夢、伊良部と金本が登場したんだよね。金本には買う靴を選んでもらったのでした(汗)


祝阪神優勝 投稿者:管理人 投稿日: 9月16日(火)21時29分26秒

やあやあ、ご無沙汰いたしました。わたくし昨日は、あるいは大腸菌でいっぱいの川に飛び込んでまいりました!(>ウソです(^^;)
それにしても、なんとまあエライ騒ぎでしたねえ。今朝のラジオでは、飛び込んだ人たちが自己申告しておりましたが、パンツを流してしまったり、タクシーに乗車拒否され歩いて帰宅したり、風邪をひいたり、家に帰ってから親に往復ビンタされたり、まことにご苦労様としかいいようがありません。たぶん今日あたり腸炎で病院にかつぎ込まれた連中もいることでありましょう。馬鹿ですねえ(^^;ゞ

原田さん
お知らせありがとうございました。
早速注文させていただきました(^^) 届くのが楽しみです!(受信の返信がまだこないんですよね、夜だからでしょうか)

土田さん
ライオンズ、少し苦しくなってきましたが、がんばってほしいですね。
星野監督は前日お母さんを亡くされていたのですね。いや運命の糸はふしぎです。
>笙野頼子
エッセイというより罵倒では?(汗)

大江さん
やはり、甲子園で決まってよかったですよね(^^)
コンテンツ拝見しました。素晴らしいです! さすがにコレクターらしい企画ですね。
とくに「赤い部屋」の虎熊の挿絵が気に入りました。画家はどなたですか?

Yさん
ビデオ取っておけばよかったですね。寝部屋の小さなテレビで見たのでビデオ取りできませんでした。申し訳ない。
再放送は明日ですね。しかし早朝5時半ですよ(^^; がんばってください!

ところで、またウイルスに感染してしまいました。バッドトランスBというやつで、先日ウインドウズを初期化して入れ直した後のウイルス対策ができていませんでした。
すでに駆除いたしましたが、もし送信者が私名義で、タイトルが「RE:」の添付ファイル付きメールが届いていましたら、開封せずに即破棄してください。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いします。


祝・阪神優勝 投稿者:原田 実 投稿日: 9月16日(火)10時38分32秒

しかし『虎よ虎よ』を出してくるとは渋いですね。
高校生以下のファンにとってはこれがはじめての感動になるのですね。
広島初優勝の時のことを思い出します。
で、またも宣伝、拙著新刊ご注文は下記まで、ということで・・・
 http://www.azusashoin.com/myweb_019.htm
なにとぞよろしく。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


おめでとうございます。 投稿者:土田裕之 投稿日: 9月15日(月)23時48分06秒

タイガース優勝おめでとうございます。
今ごろ勝利の美酒に酔っておられるのでしょうか?

ところで星野監督のインタビューは良かったですね。

読書は笙野頼子のエッセイ?を読んでおります。


阪神優勝!! 投稿者:大江十二階 投稿日: 9月15日(月)23時09分47秒

ついに甲子園で決めてくれました。
優勝を記念して、弊サイトにて、こんなページを作ってしまいました。

阪神優勝記念緊急企画


(無題) 投稿者: 投稿日: 9月14日(日)00時28分32秒

しまった……見逃してしまいました。再放送に賭けます。
早起き苦手なもので。
ネタ帖の公開してたんですか。気になります。
後悔後悔。


見ました(^^) 投稿者:管理人 投稿日: 9月13日(土)20時55分29秒

Yさん
しかし起きがけで、頭がぼーっと働いておらず、何がなんだか分からないうちに終わってしまいました(汗)。
それにしても、俳句帳(タイトル忘れちゃった)を作っておられるのですね。アイデア帳は見せてもらったことがありますが(そういえばYさんも見せてもらったんでしたね(^^;)、とにかく前向きといいますか、コツコツ積み上げていかれるバイタリティには頭が下がります。生来怠け者の私には決定的に欠けている能力なので、羨望の念を禁じ得ませんです。ああ、私に先生の10分の1でもそれがあったらなあ(ーー

>岩崎書店「冒険ファンタジー名作選」(全10巻)
SFJに、「火星のプリンセス」のイラストを担当される山本貴嗣さんのコメントが掲載されるらしいですよ←大橋さんがご紹介くださるようです(^^)

#まあ、胴上げは甲子園がよろしいんじゃないでしょうか(コホン
編集済


ごぶさたです。 投稿者: 投稿日: 9月12日(金)22時06分42秒

>NHK俳壇
楽しみですね。俳句の話をされるのでしょうか。

>岩崎書店から、「冒険ファンタジー名作選」(全10巻)
個人的に竹本泉絵のが欲しいです(^_^)。書店でパンフレットもらって見ました。
子どもだけでなく大人にもお勧めかも知れません。

いまごろ「新本格猛虎会」読み始めました。
これを今シーズン前に出したのはある意味ハズしているような……。


NHK俳壇 投稿者:管理人 投稿日: 9月12日(金)22時05分03秒

あしたの朝7時10分ですよ。お忘れなく(^^)

井辻朱美『エルガーノの歌』(ハヤカワ文庫、1990)読了。
13篇収録の短篇集だが、表題作が6話と間奏曲、終曲で構成されているので、結局ほとんどが20枚以内の掌篇といえます。掌篇というより、いっそショートショートというべきかも知れません。掌篇というコトバのニュアンスには近代小説的要素が色濃いような気がしますので。

本書がいわゆる安直なファンタジーと一線を画すところは、作中人物が「現代日本人(の若者)」とはきっぱりと違うところです。あとがきで著者は、

わたしのほんとうにひかれるのは、もとの(アーサー王やローランの歌のような)叙事詩や伝説に漂う古い時代の匂い、香り、響きといったようなものかも知れません。そしてそういう物語は、とほうもなく非合理で、小説のようなちゃんとした結構をもっていなくて、断片的(……)

と述べていますが、本書の作中人物たちは、まさにそのような(「今」「此処」の我々の行動原理とは全く別個の)、いわば神話的・元型的な思惟と行動に象られています。

もっとも、異世界ファンタジーという小説世界に生きる作中人物たちの行為が、このような神話性を帯びるのは、しかしある意味当然のことなのであって、そのような小説世界に現代日本人(の若者)しかいないという方が、きわめて奇形的であるわけですが。

かかる神話性を獲得し得た理由として、本書が掌篇小説集であることも大きく与っているように思います。すなわちファンタジーといえども長い物語になればなるほど、登場人物が近代人的思惟に傾くことを、作者は御しがたくなると想像されるからです。そういう意味で著者の長い物語を読んでみたい気がします。

ともあれ本書は金髪碧眼の描かれたファンタジーでありますが、「日本のファンタジーなのに何故に金髪碧眼?」という不満を全く感じないで読了することができましたし、とりわけ表題作の第4話「イニスフレイ姫」は、「小説」としてもよく出来た小品でたのしみました。
編集済


TIGERS! TIGERS! 投稿者:管理人 投稿日: 9月10日(水)21時24分08秒

SFマガジン10月号に「わが赴くは本の群」というコラムが掲載されています。
いうまでもなく「我が赴くは星の群」(虎よ、虎よ!)のもじりであるわけなんですが、私なら、「わが赴くはホシの群」とカタカナにして、<シ>の二個のテンテンのうちの一個にバッテンを付けて<ン>と読ませたいなあ、、、やりすぎですか?しつれいしました〜(^^;

現在、井辻朱美『エルガーノの歌』読み中。こういうファンタジーなら全然オッケー(^^)。読み終わるのが勿体ないので、ゆっくり味わっております!

ちょっと確認したいことがあって、ディッシュの『334』を引っぱり出してきました。このなかに多忙なキャリアウーマンである妻に代わって夫が子供を産むという話があったはずなんだけど。


或る、眉村卓像 投稿者:管理人 投稿日: 9月 8日(月)21時37分59秒

豊田 (……)私たちの世代もよく話し合ったものです。仲間同士集まって、年中話していた。SFというのはなんなんだろうってね。特に眉村卓さんは議論好きでしてね。SFとはこうあるべきだという具合にね。
 ↑「ひかわ玲子のファンタジー私説」(79p〜80p)ひかわさんと豊田有恒さんの対談中の豊田さんの言葉(^^)


「ストラルドブラグ惑星」 投稿者:管理人 投稿日: 9月 7日(日)22時03分22秒

石原藤夫『ストラルドブラグ惑星』(ハヤカワ文庫、1975)
惑星シリーズを、書かれた順番とは逆向きに遡って読んできたので、あとは『ハイウェイ惑星』を残すのみとなりました。
もっとも『ハイウェイ惑星』収録作品は、元版の銀背で読んでいるので、惑星シリーズは一応『ストラルドブラグ惑星』をもって一応完読ということになります。

本書あたりでは、初期の作風がまだそのまま引き続いており、結局「タイムマシン惑星」に顕著な、あたかも講談を彷彿とさせる八方破れのルーズな作りになったのは、どうやら「ブラックホール惑星」からのようで、それはちょうどロボットのアールが仲間に加わったことによる変化であるといえるように思われます。

アールというキャラクターが導入されたことで(それ以前にマツリカとスーザンという女性キャラを導入しているのですが、これはうまく機能しなかったようです)、ギャグのやりとりが格段に自由闊達になり、それにともなって作品構造もルーズなものに変わっていったようです。

本書には「システム化惑星」、「コンピュータ惑星」、「エラスティック惑星」、表題作、「パラサイト惑星」、「愛情惑星」の6編が収録されていますが、とりわけ「エラスティック惑星」と表題作は、初期作風の到達点というべき、ラストの壮大なイメージにおいて、まさに本格SFの香りを感じさせてくれる秀作でした。

この惑星シリーズ、すでに20年以上新作が出ていないはず。まことに残念という他ありません。続編をぜひ書いていただきたいものです。
編集済


君はラファティが好きか? 投稿者:管理人 投稿日: 9月 7日(日)14時28分33秒

そろそろ「アマチャ・ズルチャ」の書評が出て来ましたね。
  →岡本さん
うーむ、なんか素っ気ない書きっぷり。本音は面白くなかったと見た(^^;。

ラファティに拒否反応を示す人には勧められないらしい。私の場合、拒否反応は示さないけど、ラファティはわかる話とわからない話の落差が大きいです。少なくとも短編集を一冊まとめて読むのはしんどい。むむう。

 ベガーズ・バンケット/ ザ・ローリング・ストーンズ (1968)


「フィニイ128のひみつ」(加筆) 投稿者:管理人 投稿日: 9月 6日(土)21時29分16秒

紺野あきちか『フィニイ128のひみつ』(ハヤカワJコレクション、2003)

これは不条理小説です。それが証拠に、本書をいくら読み返しても、「フィニイ128」のひみつが一体何であるのか、さっぱりわかりません。またストーリーをいかに解きほぐし、並べ替えてみても、確固たる一本の道筋が見えて来ることはありません(本書の情報だけではいかようにも読めてしまうので、ストーリーは不定としかいいようがありません。また読者は書かれていること以上に読んであげる義理もありませんし。たとえ作者の脳中に壮大なストーリーがあるのだとしてもね)。
本書は、カフカの「城」や、ディッシュの「プリズナー」と同様の、不条理小説として読むべきだと私は思います。

たとえば「城」のストーリーを分解してみたからといって、主人公Kの行動が了解できるでしょうか。できるわけがありません。「城」を読み終わっても、謎は謎のままです。だからといって「城」の面白さがいささかも減じることはありませんよね。

本書にも同じことがいえると思います。同じJコレクションの一冊だからといって、最終的に謎は一切残らない小林泰三作品を読むのと同じ読み方をしても、つまりSFとして読もうとしても、それは詮無いことのように思われます。

「城」が<城>にどうしてもたどり着けない話であり、「プリズナー」が<村>から脱出しようとして果たせない話であるように、本書は<フィニイ128>とは何なのかを尋ねていくうちに、どんどん目的が変貌していき、結局<フィニイ128>を求める当初の目的はいつの間にか脇にどけられてしまう(集中の断章にフィニイ128を入手する話が挿入されているが、本篇を読む限りでは繋がりのないエピソードでしかない)のですが、だからといって本篇の面白さがいささかも減じないのは「城」の場合と同様です。

本書は新人とは思えない手練れを示す軽妙洒脱なプロットを、そしてプロットとプロットのふしぎな連鎖の効果を楽しめばいいのだと思います。
ストーリーはよくわからなくても、(小説内)現実を、ごっこ的仮構が、じわりじわりと浸食していく、そのめまいに似た感覚は、巻を措くことを読者に許さない力に満ちています。

『ストラルドブラグ惑星』読了。
編集済


「ひかわ玲子のファンタジー私説」 投稿者:管理人 投稿日: 9月 5日(金)21時26分38秒

ひかわ玲子ひかわ玲子のファンタジー私説』(東京書籍、1999)、読了。

これはとても良いファンタジー論です。私説と銘打たれていることからも判るように、著者の体験に即して論が立てられています。すなわち「私は何十年もファンタジーを読み、書いてきた。したがって私は意識すると無意識とに関わらずファンタジーを根源的に了解している。私の中にファンタジーの本質は既に在るのだから、ファンタジーとは何かを知りたければ、私の中を捜せばよい」という認識が含意された、いわば現象学的体験構造分析という方法論によって記述されているわけです。
これはまことに正しい記述法といえると思います。本書を読むことで、私はSFとファンタジーの違いを明確に認識することができました。

たとえば、私が以前からことあるごとに言っている「日本人作家のファンタジーなのになぜ金髪碧眼?」という問題に対して、著者は、デジャー・ソリスが黒髪であることを引き合いに出しつつ、
金髪の髪をしていようと、緑色の瞳をしていようと、とても日本的な考え方をしていると思います。おそらく、わたし自身の、ひとつの想像力の限界として。(111p)
厳密にいえば、物語というのは、その作者の文化的背景と切り離されることはないと思います。(117p)
『指輪物語』はとてもイギリス的で、『ドラゴンランス戦記』はアメリカ的です。/そういう意味で、無国籍な世界は,どうやっても、作者の心の背景にある文化・風俗・社会からまぬがれないように感じます。(118−119p)
と、かかる現状を認めてしまいます。

SFはそうではありません。我々の裡に透明なものとして無意識化されているかかる<認識の慣性>を白日の下に晒す方向に働くのが、実にSFのメカニズムであるわけです。
たとえばオールディスは、排泄物との接近の度合いを文明の尺度と考える、つまりウンコまみれになることが最高の喜びである宇宙人を措定することで、人間の文明とは何かを考察しようとした態度と比べてみて下さい。

本書収録の豊田有恒との対談で、上に挙げたような「限界」を差して、
ひかわ 自分で書いていても笑っちゃうんですが、最終的にこういう結論に達してしまうファンタジーというのが日本には山のように存在しているんです。この呪縛からは、だれも逃げることができないって感じで……
これに対して、SF作家の豊田は、
豊田 それは、無意識のうちにそうなっているんだね。私の場合も意識しないで物語を書いているとだいたいそんな結末になってしまう。
と答えているんですが、これを深読みするなら、もっと意識して書かなきゃ駄目じゃない、と言っているように、私には思えてならないのでした(汗)。けだしSFとファンタジーの基本的立ち位置の違いがよく現れているなあと思ったことでした。

ところで著者は、ムアコックのファンタジーが非・欧米的である点を評価しているのですが、これは
『指輪物語』はとてもイギリス的で、『ドラゴンランス戦記』はアメリカ的です。/そういう意味で、無国籍な世界は,どうやっても、作者の心の背景にある文化・風俗・社会からまぬがれないように感じます。(118−119p)
という著者のファンタジー論(自国文化に従属的)からは導出できないものではないでしょうか。これはとりもなおさず、ムアコックのファンタジーがSF作家の書いたファンタジーであることに起因するものであるというほかないように思います。

結局、ファンタジーはおおむね現状肯定的で、現状否定的なSFとははっきり一線を画すジャンルであることが、本書を読むことで明確に認識できたように思います。

『フィニイ128のひみつ』読了。傑作でした!


眉村さんが教育テレビに 投稿者:管理人 投稿日: 9月 4日(木)21時07分38秒

眉村先生が、NHK俳壇にゲストで出られます。
NHK教育・9月13日 朝7時10分から7時40分まで(再放送は9月17日 朝5時30分から6時まで)。
お見逃しなく!

眉村先生の俳句で、私が大好きで、今でもそらんじている句があります。
    
 渡り鳥 空の一点よりひろがる

新傾向俳句ですが、空間的に大きく、しかも時間性も感じさせる、映像的なよい句でしょう(^^)

凍冬引さん
もちろん慶ですよ(^^;。遥ちゃんもぽってり唇ですけど、慶くんにはかないませんね(^^;ゞ。

10代ってのは、わずか1年の時差でも、見ていた番組や聴いていた曲がまったく共有できてない場合がありますよね。個人的にみても、嗜好や関心も一年でずいぶん変わってしまったり。

私の場合、なぞ転が放送された75年12月といえば、すでに高校を卒業しており、浪人中で、そろそろ本腰を入れて勉強せんとあかんかなあ、などと考えなくもなかった時期でして、実はなぞ転も見てはいましたが、有体にいって「卒業」してしまったという感じで、ほとんど記憶に残ってなかったです。タイムトラベラーはまだ高校生だったからでしょうか、まだいくらかはうっすらと覚えているのですが。

サインはVをいつ頃見ていたのかまるで思い出せませんが、なぞ転で教師役をなさっているくらいですから、凍冬引さんはまだ生まれてもいらっしゃらないかも(汗)

土田さんの掲示板で仕入れた情報ですが、
岩崎書店から、「冒険ファンタジー名作選」(全10巻)というのが、10月に発売されるそうです(A5版 予価/各1500円 発売/10月予定)。 

ラインナップは以下の通り。

『ロスト・ワールド』作/コナン・ドイル 訳/久米穣 画/竹本泉
『火星のプリンセス』作/エドガー・R・バローズ 訳/亀山龍樹 画/山本貴嗣
『27世紀の発明王』作/ヒューゴー・ガーンズバック 訳/福島正実 画/大塚あきら
『いきている首』作/アレクサンドル・ベリヤーエフ 訳/馬上義太郎 画/あさりよしとを
『ぬすまれたタイム・マシン』作/レイ・カミングス 訳/南山宏 画/御米椎
『ついらくした月』作/ロバート・C・シェリフ 訳/白木茂 画/竹本泉
『黒い宇宙船』作/マレイ・ラインスター 訳/野田昌宏 画/赤石沢貴士
『キャプテン・フューチャーの冒険』作/エドモンド・ハミルトン 訳/福島正実 画/秋恭摩
『次元パトロール』作/S・マーウィン・ジュニア 訳/中上守 画/山田卓司
『うそつきロボット』作/アイザック・アシモフ 訳/小尾芙佐 画/山田卓司

これは楽しいラインナップですねえ。
しかも、眉村卓インタビューの大橋さんが、関わっていらっしゃるそうですので、これは当然我々も、及ばずながら盛り立てて行かなければなりません(^^)。
皆さんもぜひ、宣伝をよろしくお願いします。 ジュブナイルの復権にみなさんご協力を!
編集済


なぞ転 投稿者:凍冬引 投稿日: 9月 4日(木)02時12分50秒

管理人さま・・・井川とは、、、まさか遥なわけはないですよね(^^ゞ。。。
        ボクもどちらかと言うと原作至上主義者の部類だとは思うのですが、一        番ヒドイと思ったのは、眉村作品ではテレ東版の『ねら学』とか、あ         と、眉村さんではなくて横溝正史作品なんですが『八つ墓村』とか、映        像化されるたびに違うだろなんてぼやいております;;;。岡田可愛さ        んといえばそれですよね、やっぱり、、もっともボクはリアルタイムど        ころか再放送すら見たことはございませんですが;;;。。。
        
Yさま・・・古びて、安っぽい、、、ボクはそんな所に逆に魅かれまくりです(^_^;)。。。
      そうですよね。あの当時家庭用ビデオを持ってて、なおかつその後消されな     いでちゃんと残ってるのは奇跡的だと思います。筒井作品ですが『タイムトラ     ベラー』(時をかける少女)のVTR発見などは特に奇跡的でした。なんせ、原作     者の筒井さん自体がもはやこの地球上のどこにも存在しないなんて、おっしゃ     られていたくらいですからねー。ちなみ、ボクは『なぞ転』当時4〜5歳なん     ですが、ごくごく薄っすらとなら少しだけ見てた記憶は残っておりました;。

最終回の朗読はいただけませんでしたが、、、どうせなら最後まで見せろとお嘆きの声も多数あったのではないかと思われるんですがね(^^ゞ。。。

http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=hicchann


「似非エルサレム記」 投稿者:管理人 投稿日: 9月 2日(火)21時27分12秒

Yさん
>セットの安さ
あとがき(?)で女性アナウンサーが低予算でもSFは作れるんだ、と力説していましたね(汗)。

>当時ビデオで録画していた人って何者?
そろそろベータマックス(^^;が出始めていた頃では? もちろんうちにはまだなかったです。

浅暮三文『似非エルサレム記』(集英社、2003)読了。

意識を失っていた聖地エルサレム旧市街(を乗せている土地)が、死に貧したベツレヘム(の土地)の呼びかけに突如目覚め、その背に犬を一匹乗せて母なる水を求め土の死屍累々たるネゲブ砂漠を南下、アカバ湾へと至るまでを描いたとんでもないファンタジー(^^;。

アイデアは、とんでもなく素晴らしいのだが、書き方が拙いと思いました。
上の梗概だけ読むと、まるでヨコジュンのハチャハチャみたいですが、本篇はエルサレムが移動することによって人間と社会がどのようにドタバタ右往左往するかを書き込もうとしています。このハチャハチャの部分とドタバタの部分がうまく馴染んでいないように思われます。

ドタバタの部分にとっては、エルサレムが意識をもち思考する擬似人格的な描写は、実は不要なのです。またハチャハチャの部分にとっては、人間による邪魔の描写は必要ですが、社会的政治的な考察は別になくていいわけです。

たぶんハチャハチャの部分だけで短篇にすれば、切れ味のよい傑作になったように思われますし、ドタバタの部分だけで仕上げれば、つまりエルサレムがなぜ移動しはじめたのかを説明せずに(小説内)事実のみを外在的に描き、エルサレムによる独白をやめれば、これまた不条理小説としてすっきりまとまったのではないかと思うのです。

しかしながら、かかる著者による二つの意図は合体できないのでしょうか? 私はそんなことはないように思われます。
なぜこのような反りの悪さが露呈しているかといえば、それは決定的に長さが不足しているのです。この長さでは、パワーゲーム的な考察の部分(知の部分)がプロポーション的に幅を取り過ぎていて、それを、エルサレムと犬の二人旅の部分(情の部分)が支えきれないのです。

本篇はおそらく300枚足らずの中篇小説ですが、あと100枚は書き込む必要があった。そうすれば知の部分がうまく情の部分に糖衣されて絶妙のバランスを保ったファンタジーの佳作になり得たのではないでしょうか。やや拙速に書いてしまったように感じました。残念。


ちょっとだけ 投稿者: 投稿日: 9月 1日(月)23時03分52秒

見ました。冒頭だけですが。(ビデオに入れて寝てしまったので改めて見ます)
正直、今初めて見ると古さ(というよりはセットの安さ?)が気になりますが
ああいったストーリーのドラマがあったら楽しめただろうなと思います。
リアルタイムで見たかった。

しかし、当時ビデオで録画していた人って何者?NHKも持ってないのに……。


見た(^^) 投稿者:管理人 投稿日: 9月 1日(月)21時42分43秒

完全復帰しました(^^)

いやー、「なぞ転」面白かったですね!
見ていて気が付いたこと>「なぞ転」のストーリーほとんど忘れていました(汗)
次元ジプシーのアイデアを除けば、これ全くの学園ドラマなんですよね。
わたし的にはぜんぜん古びてなかったんで、うれしかったです。
ところで、典夫役の星野利晴さん、なんか井川に似てるなーと、思ったことでした(^^;

「アンテナ惑星」読了。
なんとまあムチャクチャな(^^; このアンテナ惑星人、数ある惑星シリーズ出演異星人の中でもユニークさでは1、2を争うのではないでしょうか。


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