「カルカッタ染色体」(DHC)読了しました。
アーサー・C・クラーク賞受賞(何でだ?)ということでSFとして読んだ場合、
科学的にちょっとなあ、とか話のまとめかたがちょっとなあとか
評価が下がってしまう可能性があるのは否定しませんが、
個人的にはSFとして読むような話では無いと思います。
マーケティング的には受賞を前面に出すのはいいのだろうし、
そうすれば多くの人の眼に触れる可能性があるので
一概に作品にとって不幸であるとは言えないのだけれど。
それよりも百年前と現代のインドの風景を活かして
マジックリアリズム的な手法で奇想を効かせたミステリアスな
幻想小説という表現がぴったりかと。
また、怪談好きには後半の無人駅でのエピソードが、鉄道怪談として抜群の怖さで嬉しくなります。
鉄道怪談のアンソロジーとかあったら、ここだけ収録したいくらい。
何にせよ、面白い小説なので、大熊さんには(多分)お勧めできると思います。
http://www.02.246.ne.jp/~pooh