ヘリコニア談話室ログ(2005年2月)


「失われたものの伝説」 投稿者:管理人  投稿日: 2月28日(月)21時07分9秒

読み始めたばかりなんですが、朝日選書の『ネアンデルタール人の正体』がとても面白いです。
とりわけ2章「地球上から消えた人々」(片山一道)なんですが、ネアンデルタール人に特徴的な「ずんぐりむっくり胴長短 足」を新人に比べて原始的体型と捉えるのではなく、現代のエスキモーなど寒冷地適応した人々の体型とそっくりであること から、ネアンデルタールが寒冷地適応した旧人だったのではないか、という仮説を立てているのです。たしかに主たる居住地 であったヨーロッパにネアンデルタールが生存したのは、氷河期でもとりわけ厳しかったリス氷期の時代なのでした。
そういうわけで、ネアンデルタール人は生存環境が厳しかったために寒冷地型に過剰適応してしまったのではないか、と著者 は考えます。

 かくしてネアンデルタール人のことを、ひどい寒冷条件に極限まで適応し、きわめて小さな人口規模 で生活していたがゆえ、ボトルネック現象などの影響を受けて、一風変わった体形や顔立ちを偶然に発達させたグループでは ないか、と考える次第です。(85p)

ここから私の空想ですが、彼らはおそらく社会が拡大しない、すなわち人口が増えない婚姻システムを持っていたに違いあり ません(たしか大学で、レヴィストロースだったかが遊牧民の社会に見出したそういう婚姻システムの説明を聞いて、おお! と唸った記憶があるのですが、もはや忘却の霧のかなた)。
その結果、社会的な脳(つまり前頭葉)を発達させることができず、人口が極端に少なかったことと相俟って、新参の(桁違 いの人口を擁していたに違いない)クロマニヨン人に吸収されてしまったのではないでしょうか。

逆に考えれば、気候さえもっと温暖だったのならば、ネアンデルタール人はすくすくと進化して世界に満ちたのではないでし ょうか。その場合、クロマニヨン人の出る幕はなかったことになり、この地球はネアンデルタール人の世界になっていたかも 。いやーSFですなあ(^^)

そうそう、本書には口絵などにネアンデルタール人の想像図が掲載されていますが、基本的にぱっちりとした二重まぶたで描 かれています。これは熱帯種であるゴリラやチンパンジーに無意識に影響されているのでは? 
しかし彼らが寒冷地適応型だとするなら、二重まぶたのはずがないのです。モンゴル人のように一直線に細い一重まぶたの目 でなければならない。なぜなら寒冷地で瞳が凍結するのを防ぐためには、できるだけ瞳は外気に触れてはならないからです。 まあ寒冷地適応説は執筆者の一人である片山さんひとりの説なので、図が対応してないのは仕方がないのです。それにしても 口絵8のネアンデルタール人、桑原征平さんにそっくり(^^; 当然ながら桑原さんはホモサピエンスでモンゴロイドなんです から、ネアンデルタール人の体形を原始的とするのは、全くもってコーカソイドの偏見なんですよね。

田中光二『失われたものの伝説』(ハルキ文庫、00)読了。元版76年。
田中光二の冒険小説、堪能しました。まるで「映画を読んでいる」ようでした(^^)。それはもちろん「シナリオを読んでいる 」のとはぜんぜん違うものです。
今更ながら独特の文体だな、と感心。このやや美文がかった(ある意味単調なんですが)カッコイイ文体が、魅力の少なから ぬ部分を占めていることに気づきました。300ページ強という長さも丁度よい。
私は007映画を何度でも楽しめるのですが、それは何度見ても内容をあまり覚えていないからなんです。実は田中光二も似た ところがあって、何を読んだのかタイトルを見ても思い出せないことが多い(本書も購入の際かなり迷いました。既読か未読 かあらすじを読んでも判断がつかなかったので(^^;)。これはあるいは田中光二冒険小説の本質が映画的だからかもしれませ んね。


進捗状況 投稿者:管理人 投稿日: 2月27日(日)19時10分9秒

なぜか「季刊邪馬台国最新号(87号)のお知らせ」というメールが版元からきました。インターネッ ト先行発売とのことで、さっそく注文しました(^^)
特集は「『古事記』語、『日本書紀』語を発音してみよう」。面白そうです!
原田実さんが「偽史列伝」連載第18回「『秀真伝』は三度甦る」と「旧石器遺跡捏造事件未だ終わらず」というレポートの 2本寄稿されているようです。たのしみ! →季刊邪馬台国

『狂気と犯罪』は既に読了済み。これは面白かった(^^) そんじょそこらのSFよりずっと面白いです。感想は後日 。

田中光二『失われたものの伝説』も読んでいて、こちらはもうすぐ200p。田中冒険小説の最良の成分で構成されてい るかも(^^)

『心の社会』は、日課・一日1章でゆっくり読んでいます。現在4章。全30章なので先は長い(^^;
編集済


「どぶ」(追記) 投稿者:管理人  投稿日: 2月27日(日)11時51分26秒

通夜(?)の最中に、学生服と靴が届くのは、あまりにも不自然ではないか。作りすぎだし、そういえ ば教育のない精神的にも遅れているらしい主人公が、拳銃の安全装置の知識があるだろうか(満州引揚者の設定なので知識は あったかもしれないけれども、それなら伏線を張るべき)。この辺が物語優先で事実(リアリズム)が蔑ろにされている。
加藤嘉が、通夜で(金田一耕介的といいますか)初めて主人公の性病の可能性を告げるのだが、非常にインテリぽくていやら しい。つまり本当に心配しているならば本人にではなく宇野重吉にもっと早く知らせるべきだろう。部外者的な無責任がいか にもインテリぽい。主人公は医者へ行く金は充分に稼いでいるはずで、事実を知った宇野重吉が、音羽信子を無理やりにでも 医者に連れて行くか、それとも金を惜しんで知らん振りを通すか、その辺を描けばもっと錯綜した面白さが出たのではないか 。
そういうシナリオにしなかったのは、ただ宇野重吉を(性病に罹っていることを自覚している)音羽が拒むシーンをラストの お涙頂戴に利用したかった(学生服もそう)がための単純化である。やはり本編にも日本映画の悪弊(映画で芝居をする)が 貫かれているというほかない。
編集済


「どぶ」 投稿者:管理人 投稿日: 2月26日(土)21時52分28秒

新藤兼人監督「どぶ」(54)を観ました。
子供のころ、音羽信子がリンチで気が狂うドラマを見た記憶があって、もういちど見たいとずっと思っていたのですが、どう もこの映画だったようです。気が狂うというのは記憶違いでした。「気が狂う」ところが子供心にとても怖かったのですが、 それは子供に読み取れる話ではなかったので、そのように(自己流に)解釈してしまっていたようです。
昭和20年代末の公害都市川崎の映像が実にリアルでした。しかし演技が全般に過剰で、わたし的ネオリアリズモ的観点から はやや不満。シナリオも本当に底辺から出てきたものではなく、インテリが考えた底辺という感じがしました。
しかしこれは日本版フェリーニの「道」ですね。と思って調べたら「道」も1954年公開でしたから、偶然の一致なんでしょう 。


懐かしき漫才 投稿者:管理人 投稿日: 2月25日(金)21時18分24秒

ちょっと立ち寄った古本市場が、文庫本全品95円セールをしていて、はっと気がつくと、また要らん本 を買い込んでいました。脳からの禁止命令が遅過ぎ。あるいは老化で神経の伝達速度が低下してしまったのかも(ーー;

昔の漫才をもういちど見たいなあ、と思う今日この頃、思い立ってツタヤで探したらありました→「お笑いネットワーク発 漫才の殿堂」。 出演は、人生幸朗・生恵幸子、 西川のりお・上方よしお、 中田カウス・ボタン、 東洋日出丸・朝日丸、 島田洋之助・今喜多代 。
いやあ面白かった。実は昔の漫才師、面白かった記憶はあれど、どんな内容だったか思い出せなくなっているのに最近気づい て、愕然となっていたのです。
たとえば人生幸朗の「責任者出てこーい!」「ほんまに出てきたらどないすんの」「ゴメンチャイ」という一連の定型句は今 でもまざまざと思い浮かぶのですが、ラストの口上は今回見るまで忘れていました。いやあ人生幸朗幸子、ほんまにオモロイ !
島田洋之助・今喜多代も、まさに名人芸。お下劣なざーます言葉久しぶりに堪能(^^)
カウスボタンは今でも見れます。実は今のほうが良かったり(^^;
のりおよしおはやっぱり下手でした。単調。
大収穫は朝日丸日出丸で、意外に面白かった。漫才師には浪曲くずれのパターンがあって、宮川左近ショーはその頂点。朝日 丸日出丸は漫才としての「可笑しさ」はいまいちなんだけど、ていうか途中くすぐりやツッコミが散発的にあるとはいえ、最 初から最後まで浪曲なんです。その浪曲がよかった! もともと私自身、小さいころは宮川左近ショーや横山ホットが大好き で、いわばしゃべくりよりも音楽漫才(?)のほうが性に合っていたのですが、朝日丸日出丸というのは印象が薄かったんで す。西洋楽器に洋装(笑)という、いわば浪曲の四角四面さを崩したのが浪曲漫才なのだと思うのですが(宮川左近はその四 角四面さを誇張した笑いでもありますが)、そのような浪曲をポップ化したところに、今更ながら新しさを感じました。浪曲 漫才なんて、もはや死滅してしまったんでしょうな。哀しいねえ。

ワッハ上方では昔の漫才のビデオが閲覧できるらしい。こんど行って来ようかな。


中井常次郎 投稿者:管理人 投稿日: 2月24日(木)22時09分57秒

柚さん
まだぱらぱらとしか見ていないのですが、力の漲ったいい歌ですよねえ。俳句もよいです。(追々じっくり読ませていただき ます)
彼らの運動にも興味を惹かれますね。
たしかにもっと知られて然るべきだと思います。著作権は切れているんですから、冊子を作られたらどうでしょう。思いつき でものを言っていますので聞き流してくださいね(^^;

ところで、いま読んでいる『狂気と犯罪』に、東京府癲狂院(のちの都立松沢病院)の院長・中井常次郎なる人物が出てくる のですが、この人は中井英夫と関係があるんでしょうか。英夫の祖父・誠太郎とほぼ同時代人のようなんですけど。
しかし併読というと聞こえがいいですが、いろいろ読み散らかしているなあ。じつはこれ、ドツボに嵌まるパターンなんです (ーー;。


そうですね 投稿者: 投稿日: 2月24日(木)21時08分30秒

管理人様

 もともとアイヌ文化に興味があり調べていたのですが、偶然手に取った彼の遺稿集を読み、その短歌を読んで、どうも他人 であると思えなかったのですね。この人の性格は、自分に似ているな、と思ったのがはじまりです。
 自分はこんなにいいと思うのに、なぜこんなに知られていないんだろう、もっと知られていい人なのに、というのが、HPを 始めた動機なんです。
 一人の人間として、荒削りで繊細な彼の作品と、自らの民族のために短い青春を燃やし尽くした彼の生涯が好きなんでしょ うね。
編集済


買った本など 投稿者:管理人 投稿日: 2月24日(木)19時02分31秒

柚さん
それにしても、アイヌの歌人の研究ですか・・・。その動機といいますか、いったい何がそのように柚さんをつき動かしたん でしょうか。むしろそっちにとても興味を覚えますね(^^;

 仕方なくあきらめるんだと云ふ心
 哀れアイヌを亡ぼした心


なんて歌は、なんとなく眉村さんと通底するものを感じますね。

ちょっと立ち寄った書店の新刊コーナーにスピヴァクの本(『デリダ論』平凡社ライブラリー)が並んでいて、脊髄反射的に 購入。
うーむ。読むのだろうか、と購入後脳からの返事が到着。お、遅すぎる・・。何か分からない、自分のものとは思えない力に 買わされてしまった感じを強く感じます。こういうのは「自由意志」とはいえないと思われます(汗)。

澤口俊之『あぶない脳』というちくま新書を読了してかなりになります。非常に興味深い内容で肯定と否定が私の中 で渦巻いており、じっくり感想を書こうと思っているのですが、なかなか書く時間がありません。むう、内容を忘れてしまい そう(^^ゞ
編集済


ありがとうございます 投稿者: 投稿日: 2月23日(水)07時51分5秒


 名前だけですか。残念。
 しかし、興味のある本ですので難しそうですが、研究内容にも関係するので、読破したいと思います。
 サイトの方は長く続けたいと思っています。


違星北斗 投稿者:管理人 投稿日: 2月22日(火)20時09分57秒

柚さん
どうも、ご無沙汰でした。もちろんよく覚えていますよ。その節は貴重な情報をありがとうございました。

>どのように描かれているのかが気になります
えーと、はっきり言って殆ど描かれていません(爆)。
当該部分を引用してみますね――

 このような生活手段の剥奪と風俗・言語を含めた文化的資産の否定に対して、アイヌ民族も日本と いう近代国家の枠組みのなかで、自分たちの歴史と文化を築く営みを続けてきた。なかでも特記されるのが、支配者の言葉で ある日本語を領有したアイヌ文化復興の運動だろう。知里幸恵の『アイヌ神謡集』(1923年)、違星北斗の遺稿『コタン』( 1930年)、バチラー八重子の歌集『若きウタリに』(1931年)、知里真志保の『分類アイヌ語辞典』(1953―62年)といった 先駆的な業績は、アイヌの文化を日本語を通じて表現することで、日本文化そのものに亀裂を入れる試みとも言える。 (194〜195p)

とてもよい本だとはいえ、本書に対する不満はまさにこの部分にあって、いかにも受験教科書的な記述ですよね。新書を読む のは、基本的にその分野に門外漢のはずで(私がそうです)、この記述では具体的なものが何も分からないのです。アルジェ リア(ファノン)とパレスチナ(サイード)とベンガル(スピヴァク)に力を入れすぎて、紙幅が足りなくなったのかもしれ ませんが(^^;

そういうわけで、違星北斗なんてもともと全く知らなかったので、読みとばしてしまって意識に残ってもいませんでした。柚 さんの書き込みをみて、はてそんな名前出てたか知らん、と見直して初めて気がついたような次第です。むしろ柚さんのHP を拝見して、ようやく具体的なイメージが像を結びました。意義あるHPだと思いました。がんばって続けてくださいね。

ところで、いま読み始めた『狂気と犯罪』(講談社+α新書)は、ポストコロニアリズムの立場から(ある意味アイヌと同様 に)排除(監禁)される「狂気」が記述されています。今のところとても面白いです。


ポストコロニアリズム 投稿者: 投稿日: 2月22日(火)07時54分13秒


 お久しぶりです、というか覚えていらっしゃらないかもしれませんが、柚です。
 「ポストコロニアリズム」のことを書いておられましたので、思わず書き込んでしまいました。

 未読なのですが、アイヌの歌人「違星北斗」のことが書かれているそうなので、読もうと思って、amazonで注文したばかり だったのです。
 この違星北斗は「自ら行動した」アイヌとしては先駆けだったのですが、どのように描かれているのかが気になります。
 私は下の違星北斗研究サイトをやっています。
 管理人様の書評によると読む価値ありとのことですので、楽しみです。
 

http://iboshihokuto.com


青い鳥文庫版「ねじれた町」 投稿者:管理人  投稿日: 2月21日(月)20時16分3秒

青い鳥文庫版『ねじれた町』を、今日現認しました。
扉ページの記載、刊行日を間違っていましたので訂正。(誤)2/13→(正)2/15
「あとがき」は主に小説と挿絵の関係について。連載中のある作品で、登場する少女のイメージと挿絵のそれとが違っていた のだけれど、だんだんと引っ張られて作者の方のイメージが変わってしまったことがあったそうです。
挿絵が、場合によっては読者の想像力を妨げることもある、というようなことも書かれていて、わが意を得たり(^^;
編集済


「心の社会」 投稿者:管理人 投稿日: 2月20日(日)20時40分34秒

自伝には興味がないので、スタニスワフ・レム 『高い城』(国書刊行会)は全く視野に入っていなかった のですが、岡本さんの書評を読むと、併載の「文学エッセイ」がめちゃ面白そう。やはりレムもストル ガツキー「ストーカー」に注目していたのですね。「ストーカー」は再読しようとしたら見当たらず(誰かに貸したのか間違 って捨てちゃったのか)先日買い直したところ。先にレムの評論を読んだほうがいいのかな。

森下さんの「意志の自由」に反応して、何の考え もなく軽率なレスをしたら、やはり見当はずれだ ったらしい(汗)。ま、いつものことですな(って、反省しろよ、まったく)。
とはいえ脳科学に興味がわいているところでもあり、図書館で件のマーヴィン・ミンスキー『心の社会』を借りてきました。
わ、めちゃ分厚い(2段組560p)! しかも脳科学の本やないやん。著者は人工知能の人らしい。
うーむ、読み切ることが出来るだろうか・・・

ところで、ここ最近聴きまくっているのがピンクフロイド「神秘」。初めて聴いた中高生の頃は「原子心母」に完成するPF サウンドの過渡期的作品という認識だったんですが、なんのなんの全然そんなことはありません。むしろ変な(「狂気」は完 全にそうですが)大衆受け狙いがない分、ピュアで好ましい。
『ウマグマ』の「神秘」もいいですね。こちらはある意味ニュージャズです。共感覚的な表現ですが(^^; 
編集済


「ねじれた町」 投稿者:管理人 投稿日: 2月18日(金)21時13分11秒

出版されましたね! →【bk1】 【amazon】

お知らせが続きます。
人外境だよりからの引き写しですが、不木の郷里、愛知県 蟹江町におきまして、下記の講座が開催されるそうです。

 蟹江町生涯学習まちづくり講座「『子不語の夢』〜不木が乱歩に夢みたもの」
 ■2005年3月6日(日) 午後1時30分〜3時30分
 ■蟹江町産業文化会館 3F会議 室
 ■講師 もぐらもち先生 入場無料 定員80名
 ■問い合わせ 蟹江町生涯学習課歴史民俗係 Tel.0567-95-3812

講師のもぐらもち先生こと阿部崇さんは、『子不語の夢』の不木書 簡翻刻者です。
面白そうですね。不木は乱歩に何を夢見たのでしょうか? 
打ち上げ大宴会もあるようなので、お近くの方はぜひ(^^)
編集済


「ポストコロニアリズム」 投稿者:管理人  投稿日: 2月17日(木)20時50分12秒

土田さん
お騒がせしましたm(__)m
問題なかったようで、一安心。
ところでさっき、ネットにつないだら「マカフィーのウイルススキャンが切れたので購入してください」との表示が出ました 。昨年末に購入したパソコンに付いていた3ヶ月の試用期間が切れたんでしょう。
一昨日の今日ですから、購入しないわけにはいきません。即手続きしてインストールし、改めてスキャンして感染してないこ とを確認しましたが、しかしながらそのあまりのタイミングのよさに、「やらせと違うんか?」と思わずにはいられませんで した(^^;
ふと、ウイルスがいつまでたっても撲滅されないのは、ソフトメーカーの陰謀ではないのか、と思ったり(汗) 眉村さんの 短篇に確かそんなのがありました。

本橋哲也『ポストコロニアリズム』(岩波新書、05)読了。
時間がかかったが、とても面白かった。
フランツ・ファノンもエドワード・サイードも、ガヤトリ・スピヴァクも実際のところは何も知らなかったので、勉強になり ました。この3名はある意味「闘う人」、実践の人であったわけですが、翻って著者はどうなのか?

 アイヌをめぐる歴史過程を国家の側から描くのではなく、アイヌ自身が歴史の主人公として立ち現れ ること。そうした歴史は、当然「日本の歴史」自体にラディカルな変更と組み替えを迫るだろう。人々の生活を国家の中心か らではなく辺境や周縁部から眺めたときに、そこには簡単に勝利とか敗北とか言うことのできない、きわめて錯綜し矛盾した 出会いや交換や妥協や移動やせめぎあいが存在することが見えてくる。そうした複雑な過程を人々の具体的な日常から丹念に たどる作業こそが、新たな「アイヌの歴史」の基礎となるだろう。それはまた、日本近代の歴史を単に和人によるアイヌの征 服として捉えるのではなく、同様に日本北辺の周縁部に住んでいた人々、ロシアと日本とい二つの国民国家のはざまで運命を 翻弄されたアイヌ以外の多くの先住民族や少数民族(アリュート、ニヴヒ、ウイルタ、ウリチなど)の視点からも歴史を再構 築する試みにもつながるはずだ。(196p)

蜿蜒と引用しましたが、全くそのとおりだと思います。とはいえ、そのような試みをいったい誰がするのか。誰かがしなけれ ばならないわけですが、著者がしようという様子は感じられず、何となくあなたまかせな無責任、いわば(悪い意味での)「 評論家」的な匂いを強く感じてしまいました。
もちろん著者は何らかの「実践」に身を投じているのかも知れず、「闘って」いるのかも知れません。新書という性格上、そ の辺まで踏み込んでは書かれなかっただけかも知れないのですが、いかんせんファノン、サイード、スピヴァクとその苛烈な 実践の後を辿って来たあとのこのような文章は、ちょっと「学者」臭さが鼻につきました。
その辺を割り引いても、読む価値は十分にある良書です。(目取真俊「魂込め」のポストコロニアリズムからの読解もおもし ろかった。こういうのもマジックリアリズム?)
編集済


ウィルス 投稿者:土田裕之 投稿日: 2月16日(水)22時20分39秒

お知らせです。
森下一仁さんのHPからの引き写しですが、4月 21日(木)から6月2日(木)まで、高知県立文学館 で、「森下雨村没後40年記念展」が行われるそうで す。

また関連企画として「森下雨村を語る」講演会が、4月23日(土)14時30分〜16時、高知城ホール2階(高知県立文学 館の道を隔て北側)で開催されます。
講師は森下一仁さんと湯浅篤志さん。
定員:100名(要申し込み)
参加費:資料代500円

――とのことです。詳細はリンク先をご覧ください。
うーむ。講演会、私も参加したいですが、高知ねえ(ーー;

昨日はウイルス感染で大騒ぎしておりました(以下の次第で一応削除できた模様)。
とある輸入CDをネット販売しているページでリストをダウンロードしようとしたら、突然そのページだけ動かなくなりまし た。あれと思ったら、メールを受信したとき鳴るような音がして(アウトルックは開いてなかったのに)、いやな予感がしま した。
すぐにウイルススキャンをかけたら、W32/Netsky.p.eml!exe というウイルスが検知されました。ファイルごと削除しようと したら、「ファイルが見つかりません」という表示。このウイルス名でウイルス情報を検索しましたが載ってないのです。新 種か?
遅かったので、とりあえずそのまま閉じて寝ました。
さっき帰宅してもう一度ウイルススキャンしましたら、あら不思議、ウイルスは検出されず。3回スキャンしてみましたが、 消滅した模様なんです。
おそらくファイル削除が出来ていたのだと思いますが、なんか狐につままれたような感じです。
なにか思い当たることがありましたらお知らせいただければ幸甚。
ともあれ、様子見しながら、そろそろと使っています。
輸入CDのサイト名を公開したいところですが、実は既に感染していて、たまたまフリーズしたので気がついたということか も知れないので、公開は差し控えて起きます。めったなことはいえません。 


承前 投稿者:管理人 投稿日: 2月15日(火)20時11分42秒

土田さん

>川上弘美はNW-SF出身ですものねえ
そうなんですよ。
仮にも編集クレジットに名前を載せていらっしゃった方ですからねえ。

ところで、業界には「老婆心」からこんな忠告して下さる親切な編集さんが実際にいるそうですね。
「あなたは前途有望なんだから、SFみたいなバッチイものと関わっちゃ駄目ですよ。あれはいけません。この世界で生きて いきたかったら、SFは相手にしなさんな」
実はこれがSF撲滅秘密結社バーサーカーの罠だと気づかず、ころりと騙されて泣きを見る新人がいるんですよね、根が素直 な人ほど騙されちゃうんです。誰とは言いませんが(ーー;。
    ↑
    スミマセン脳内世界の話です(^^ゞ

>ラテンアメリカ文学
恥ずかしながら「百年の孤独」も「族長の秋」も未読です。ボルヘスも「伝奇集」1冊きり。
そういえば(「ピンチランナー調書」で変化の兆しを見せた)大江健三郎が、はっきりラテンアメリカ文学の影響を受けたこ とが判る「同時代ゲーム」を発表したのが1979年でした。
やはり日本では1980年代に大きな波が来ているようですね。
うーん、ちょっと興味がわいてきました(^^;


ラテンアメリカ文学 投稿者:土田裕之 投稿日: 2月14日(月)23時09分34秒

昨日の読売新聞(2/13付)書評欄に、川上弘美が『アジアの岸辺』の、実によい書評を寄稿しています 。→こちら
この書評を読んで、私は川上弘美を見直しました。デビュー当時、自らの出自を殊更隠しているような気配が感じられて「そ んなに商売に差し障りがあるんかい」とあまり好い感じを持つことが出来ずにいたのでした。が、この書評ではとても素直に 自分の読書経歴を語っています。

この書評によりますと、川上弘美はニュー・ウェーブのあとラテンアメリカ文学に転進したようですね。著者と私はほぼ同世 代のはずでSF歴も似たようなものだと思いますが、この転進が私と違うところ。
山野浩一がカルペンティエル「この世の王国」を絶賛していたのは鮮明に記憶しており、当然私も読んでいるのですが、もひ とつピンと来なかった。そういうこともあってか、私自身がラテンアメリカ文学へ向うことはなかった。

しかし最大の理由は、ラテンアメリカ文学が、70年代からぽつぽつと翻訳されていたとはいえ、爆発的に人口に膾炙され始 めたのはおそらく80年代に入ってからのはずで、中上健次がラテンアメリカ文学に影響された作品を発表し始めたのもやは りその頃。ところが私はその頃社会人となり小説というものから一時遠ざかってしまった(それゆえサイバーパンクも読んで いない)、という単にそういうことではなかったかと思われます。

いずれにしましても、きっかけを失してしまいますとなかなか手を付けられないものでありまして、そんなこんなでラテンア メリカ文学も(サイバーパンクも)、いまだ殆ど読んだことがなく知識もないのですが、そのようなことをつらつら考えなが ら巡回していたら、こちらでリョサ「世界終末戦争」の感想文を見つけ、これは面 白そうだなと思った次第。

私が大好きな黒人サンバの故郷バイーア地方の話らしいこと(おそらくこの戦争が原因でバイーア人がリオに下りてきてサン バが発生した)、内容が高橋和巳「邪宗門」と共通するところがありそうな感じがしたことなど、これは読んでみたいなあと 思いました。しかし700ページ超ですか。うーん・・・
編集済


錯覚を利用した完全犯罪 投稿者:管理人  投稿日: 2月13日(日)20時29分25秒

いつでしたか、嵐山薫さんの採点 に対して、「あんたの採点は6と7と8しかないやん、甘い!」と小一時間ほどイヂメてやったことがありました(^^;。
しかしよく考えてみると、これは処世術的になかなか有効なんですね。
嵐山さんの膨大な量の採点結果をよくみてみると、実は1から5点で評価された作品は皆無なんです。ここに稀代の策士・嵐 山薫の真骨頂があります。つまり5点の「ゲタ」がはかせられていると考えるべきで、嵐山さんの採点は、実は5段階評価と いうことになるのです。
ここで仮にゲタをはずしてみますと、
 6→1
 7→2
 8→3
 9→4
 10→5
となるわけで、上のリンクの採点をそう変換してみてください。そうしますと、嵐山さんの評価はかなり厳しいものであるこ とが分かります。いやこんなキビシイ評者もあまりいないのではないでしょうか(汗)。
辛口の評点が、5点というゲタをはかすことで、実に口当たりのよいものに変わってしまったわけです。
さすが、茫々たる遙か悠久の過去より某大学某研に主(ぬし)として君臨し続けただけのことはある老獪さではありませんか !
これは面白い。私も真似したくなりました。
さて私の評価では、「ロミオとロミオは永遠に」は10段階評価で0点なんですが、90点のゲタをはかすのです(見かけ上 100点満点評価となる)。そうしますと、当然0+90=90点となります。
つまり「ロミオとロミオ……」は90点という採点です。0点なんて採点をしたら非難轟々ものでしょうが、90点ならば、 どんな熱烈な恩田ファンも納得するに違いありません。錯覚なんですけどね。
そうか、嵐山さんが行っているのは、錯覚を利用した完全犯罪といえるかも知れません。こういう完全犯罪者の資質、すなわ ち「社会的スキル」が、私には欠落しているんですね。
嵐山さんによい勉強をさせてもらいました。ありがとう!


   ↑
 ごめんごめん、ゴジヤウダンですよ>嵐山さま(^^ゞ
編集済


「津軽じょんがら節」 投稿者:管理人  投稿日: 2月12日(土)20時47分1秒

「津軽じょんがら節」を観ました。
いい話。女が東京でトラブルを起こしたヤクザのチンピラの男を連れて故郷の津軽へ帰ってくる。女は酒場で働いて男を食わ す。一日を無為に送る男は次第にストレスを溜めていく。健康な男はすべて出稼ぎに出てしまう村に男が働くような場所はな いのだ。もともとキリギリスのような都会のチンピラで田舎暮らしなど性に合わず、村を出たくて仕方がないのだが、ヤクザ から逃げている身ではどこへ行く当てもない。

女はあてにしていた保険金がおりず、また虎の子の貯金を酒場の同僚の女に持ち逃げされ、女が故郷に居続ける理由がなくな る。一方で男は村八分(らしい)家の盲目の少女と知り合い、また漁師の仕事を手伝うようになり、村の中で生きがいを見つ け始める。
そうこうして女はひとりで村を出て行き、男は残るのだが、ヤクザが男の居場所を突き止める。……

村を嫌っている間、男は派手なスーツを着続けている。漁船に乗り込むときもスーツ姿で、現実にはありえないだろう。とこ ろが村に生きがいが生まれてからは、Gパンになっている。Gパンを持っているなら最初から穿けってなとこだけれど、これ は象徴主義的手法で、日本映画の悪しき方法論。この部分は気になった。ヤクザがやってくるラストもありがちでいただけま せん。最初から最後までリアリズムを貫いて欲しかった。

「竹山ひとり旅」でも感じましたが、津軽の風景がすばらしい。とりわけ海。もの凄まじい。波が大阪湾とはえらい違いです (あたりまえ)。ひょっとして特撮ではないのかと疑いました(今でも疑っている)。
津軽三味線は竹山も参加していますが、それほどフィーチャーされているわけではなく、やや不満。もっと演奏して欲しかっ た。
随所に挿入される斉藤真一の画が素晴らしい。


「ゴーストオーシャン」 投稿者:管理人  投稿日: 2月11日(金)19時22分59秒

「ゴーストオーシャン」観ました。
面白かったです。オチがなかなか秀逸で、膝をたたく。ただしよく考えたらちょっとおかしい。そうはならんやろ(^^;
原題が「DEVIL'S TATOO」で、なるほどなんですが、わたし的には邦題のほうが好みですな。それから、問題の奴が遊び半分 の黒魔術で出現したというのは、やや弱いかも。
昔「ホラーフライト」てのを観たことがありました。飛行中の旅客機がお化け屋敷化する話でしたが、これは必然性があった 。
いずれにせよこういった「人里離れた」館ものの「人里離れた」で捻りを効かせたホラーは好みなので、多少のご都合主義は 気になりません(勝手(^^;)
編集済


ツタヤ 投稿者:管理人 投稿日: 2月11日(金)16時16分2秒

久しぶりにツタヤに行ってみたけれど、「泥の河」も「道頓堀川」も「幻の光」もなかった。うーむ。
仕方がないので、「津軽じょんがら節」と「ゴーストオーシャン」を借りました。
ゴーストオーシャンは、何の前知識もなかったのですが、海底油田基地がお化け屋敷化するという、館もののバリエーション な設定が面白そうだったので。うまく捻ってあったらいいんですけどね(あまり期待していない(^^;)


「バーサーカー 赤方偏移の仮面」 投稿者: 管理人 投稿日: 2月 9日(水)21時47分56秒

チャチャヤン気分に掲載しました。

皆川睦雄さん(元南海ホークス投手)が亡くなったのですね。私が南海ファンになったとき(1965年頃)は既に杉浦忠は 7回からしか出てこなくなっていて(3回しか投げてはいけないと医者に止められていて、これはこれでカッコよかった)、 皆川さんが(スタンカと並んで)私にとっては大エースでした。ご冥福をお祈りいたします。

岩波新書『ポストコロニアリズム』に着手。
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「日本SFアニメ創世記」 投稿者:管理人  投稿日: 2月 8日(火)20時40分33秒

ありゃありゃ、シマッタ!
山本耀也さんですね。失礼しましたm(__)m
トップページ訂正しました。ありがとうございました。

>いちいち私の名前は出さないでくださいな
了解しました。ただソースは明記しておきたいんで、以後はIさんということでご諒解くださいな。ということで今後ともよ ろしくお願いいたします!

豊田有恒『日本SFアニメ創世記 虫プロ、そしてTBS漫画ルーム (TBSブリタニカ、00)読了。

 ここでは、アニメ自分史のようなものを、書こうと思っている。したがって、SF自分史の部分は、 なるべく割愛したいところだ。(31p)

というわけで、著者が大学時代に(SF仲間の)平井和正に懇請されて「エイトマン」を手伝って以来、「鉄腕アトム」(虫 プロ)、「スーパージェッター」「宇宙少年ソラン」(TBS)と、創世記のアニメ業界の渦中にあった当時の著者の周辺が 、生き生きと描かれていて一気に読んでしまいました。

当然、メインは手塚治虫のことになります。著者は確執も含めてきわめて正直なところを書いているようで、手塚治虫の人間 性が、息遣いまで分かるような気がしました。経営者としての資質はなかったというのはそのとおりなんでしょう。
そういう人が経営しなければならなかったのは本人にとって悲劇だったばかりか、手塚という一クリエイターに経営まで押し 付けざるを得なかったのは、どんな業界であれその立ち上げ期に共通する悲劇でもあったわけですが、著者は個人史として描 いているので、その方面からの考察は薄いとはいえ、十分に伝わってきます。

筒井康隆や眉村卓がスーパージェッターに加わり、苦労する様も描かれていて興味深い。日本SF創世記の周辺史としてとて も意義のある本です。

並行して『バーサーカー赤方偏移の仮面』を読んでおりまして、こちらも今日明日じゅうに読み終わりそうです。


梅田地下オデッセイ 投稿者:管理人  投稿日: 2月 7日(月)21時49分11秒

土田さん
>長編版があるとは知りませんでした
あれ? そういわれてみれば?? この情報のソースは何だったんだろう???
堀さんのHPを見てきましたが、そんなことは書かれていませんね。
梅田地下も執筆時から20年以上経過してかなり様変わりしており、それに対応した新しい「梅田地下オデッセイ」を執筆さ れている……という情報は、あれは脳内情報だったのでしょうか(^^ゞ

>タイムマシン団地
ちゃんと読めますでしょうか? 不都合に気づかれたらお知らせ頂けると助かります。

ところで私もレオ・ペルッツ予約しました(^^)
でも、レオ・ペルッツてぜんぜん知らない作家なんですけど、晶文社のサイト翻訳者自身の サイトを見ると、なんか「虚無への供物」っぽい感じがしたので。
まあプヒプヒさんの翻訳という一事で、面白さは保証されたようなものですね(^^ゞ

>新掲示板
ああよかった! また伺いますね(^^) 


梅田 投稿者:土田裕之 投稿日: 2月 7日(月)01時36分37秒

<週刊少年サンデー>1967年11月12日号(通巻46号)に掲載されたまま、単行本にも収録されずに埋も れてしまっていた、眉村卓先生の初期作品「タイムマシン団地」(まだタイムスリップという言葉がなかった時代で す)を、誌面ごと復刻いたしました!(え・山本輝也)  どうぞお楽 しみください(^^)
発見者、石川誠壱さんに感謝いたします。なおイラストの山本輝也さんと連絡が取れておりません。ご存知の方はご一報いた だけると幸いです。
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「虚無への供物」 投稿者:管理人  投稿日: 2月 5日(土)21時56分50秒

土田さん
>「虫の生活」(ペレーヴィン)と「ネバーウェア」ニール・ゲイマンが
>とても面白かったです。
どちらも面白そうですね(^^)。検索したら図書館に所蔵されているようなので、借りてみようと思います。本当は購入するべ きかもしれませんが(少なくとも群像社は)。
私も「地下世界」って大好きです。乱歩の「大暗室」はまさに大東京の地下世界の物語でしたね。そういえば堀さんの「梅田 地下オデッセイ」の長篇版もはやく読ませて欲しいです(^^;

掲示板閉鎖は残念ですが、あれでは仕方ないですね。いつかまた再開してください。

さて、中井英夫『虚無への供物』(講談社文庫、74)チャチャヤン気分に掲載しました。


1月に読んだ本 投稿者:土田裕之 投稿日: 2月 5日(土)18時25分2秒

>「虚無」
500ページを突破。直線に入り、鞭が……いやいや、ゆっくり読まねば(^^;

かんべむさしさんのHP落語・演芸・笑いのノートの16「笑いのプロは笑わない 」を読んで、「あ、一緒いっしょ(^^)」と嬉しくなりました(いえ素人ですけど)。
私も南湖さんの会で、腕組みをして何を不機嫌な顔をしてるんや、と思われているのかもしれませんな。何かで聞きましたが 、こんな客が会的には一番始末に悪いそうで、すべったギャグにもわっはっはと大笑いしてくれる客が前に座ってくれると、 他のお客さんも釣られて会の雰囲気がよくなるらしいのですが、そういう意味では南湖さんに大迷惑をかけているかも(汗) なんにせよ腕組みは見た目も悪くよくありません。

かんべさんのような達人ではありませんが、どっちかといえば私も演者の芸をダイレクトに楽しむというよりは、常に何かと 比較したり型に分類したりしながら、つまりは間接的に、ちょっと離れたところから楽しんでいるように思います。

とりわけ読書の場合が典型的にそうで、ふと顔を上げれば明け方であった、というような、ああいう没入的な読書は絶えてし なくなってしまいました。大体もはやそういう体力もありません(ーー;
出来なくなってしまった「ないものねだり」かも分かりませんが、もう一度没入的な読書してみたいな、と思わないでもない 今日この頃なのでありました(^^ゞ
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第4コーナー 投稿者:管理人 投稿日: 2月 3日(木)21時34分45秒

edger_さん
>りはびりちうだったりします
そうでしたか。先日の会は気散じになりましたか(^^)

シオドア・スタージョンですが、いま紀伊国屋のサイトで検索してみました。『夢みる宝石』は品切れ中のようです(ーー;。
が、『夢みる宝石』と並ぶ傑作『人間以上』のほうは在庫があるようです。
スタージョンは精神的に「未熟」で、それゆえ「成熟」に対して強いあこがれを持つと同時に、それに起因する「自分はどう も他人とは違うようだ」という「孤独」意識が、逆に強い「紐帯」を求める傾向がありました。スタージョンの小説にはその ようなアンビバレンツがうねうねとのたくっており、とりわけ私のような「スタンダード」から外れた者を強烈に引き付ける 磁性があります。edger_さんもきっと気に入るのではないかと睨んでいるのですが(^^;

さて、先日来再読中の『虚無への供物』は、ようやく400ページを越えました。月末で仕事が忙しかったり囲む会とかでし ばらく滞っていたのですが、ようやく仕事も一段落、囲む会も終わり、いよいよ第4コーナーを回り、鞭を入れたいと思いま す(^^;
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(無題) 投稿者:edger_ 投稿日: 2月 3日(木)20時12分46秒

 
 わーい、若手・・だはは・・。
 いやもうわたしはこうして、遊んでいるだけでもう良いかなあとかの、
りはびりちうだったりします、体調不良。
 今度、お薦めのシオドア読んでみますね、よく知らないのです。
 料理、良かったですよ、とわたしも。

 さて、大阪芸大や大阪文学校のお話が出ていましたが、
余り言いたくない言えないかもですがきゃはは・・、わたしのジャズ・ダンスの
主宰者さんが確か前者の御出身だったと思います。
 昔々からとても好きな振り付けだったりします。
 後者出の人もわたしが入った詩の同人誌にお一人いらっしゃったらしく、
既に数年前に故人となられた女性ですが、H.氏賞候補にも入られた方
と多分読んだことがあります。

 大阪って良いですね、若い頃は余り興味が無かったのが、
最近はすっかり都会に嵌まっています。
 囲む会にいらっしゃった著名な方々にサインも頂きたかったのですが、
失礼かと思ってじっと耐えていました!・・
 

http://homepage1.nifty.com/edger_s/


ひっぱりますが 投稿者:管理人 投稿日: 2月 2日(水)20時23分58秒

>「イリュミナシオン」
これはひょっとして、合体ロボ・バトルものなんでしょうか? そんな気がしてきた(汗)

edger_さん
ご著書の略歴でedger_さんの生年を知りました。大丈夫、11名中上から数えて(同い年もうひとりと共に)6番目でした。 まだまだ若手です(^^;

>わたしは既に全てに挫折しておりまして
それはすばらしい。ヒトは挫折を繰り返して人間となるのだと私は信じております。憚りながら私もいろんなレベルで挫折を 経験しているつもりです。挫折してない人間なんて私は信用しませんね。口幅ったいことを申しました(汗)

>肝心のsf.はちょと書くのがむずい・・
シオドア・スタージョンはお読みですか? 未読ならぜひお試しください。いいですよ! 「夢みる宝石」(ハヤカワ文庫) がおすすめです。

南湖さん
お疲れ様でした。
当方喋るほうに必死だったので、本当に助かりました。ありがとうございました。

>料理も美味しかったです
そうでしょそうでしょ(^^) 誰も言ってくれないので、そう言ってくださると嬉しいです。

テレビデビューおめでとうございます。
それにしても、2段とびくらいでメジャーへの階段を駆け上がっていますね(^^) わがことのように嬉しく思います。そのう ちに芦辺さんに続いて東京へ行ってしまったりして(^^ゞ

私自身はミステリチャンネル、見る手段がなく残念ですが、見れる方はぜひご覧頂きたいと思います。
また探偵講談にお邪魔させていただきますね。


囲む会 投稿者:旭堂南湖 投稿日: 2月 2日(水)17時47分0秒

先日はお疲れ様でした。
興味深いお話ばかりで、充実した時間を過ごすことが出来ました。
料理も美味しかったです。有り難うございました。

さて、この度テレビデビューを果たしました。
今月はずーっと再放送していますので、機会がございましたら、是非ご覧下さい。面白いですよ。

CS放送『ミステリチャンネル』
探偵講談「まだらの紐」
出演・旭堂南湖(講談師)、芦辺拓(作家) 

2月3日(木) 7:00〜7:30/17:00〜17:30
2月5日(土) 4:30〜5:00/14:00〜14:30/23:30〜0:00
2月7日(月) 16:00〜16:30/20:15〜20:45
2月8日(火) 5:00〜5:30/13:30〜14:00

http://www003.upp.so-net.ne.jp/nanko/


 あ 投稿者:edger_ 投稿日: 2月 2日(水)13時22分57秒

 
 初対面の御挨拶も、何が何だかのうちに失礼してしまいました。
 大熊さん、御立派な御方でしたね。
 


(無題) 投稿者:edger_ 投稿日: 2月 2日(水)13時19分22秒

 
 大熊 様

 わたしが気を遣う?のは最初だけですから、大丈夫です、あはは・・。
 どなたのことも今も殆ど把握していなかったり、ぷろ作家さんが3人も
いらっしゃるということで、持って行ったわたしの拙冊子も出しにくく、
そのまま持って帰ろうかとさえ思っていました。
 眉村先生が歩いている!話している!というのも、まさしく感動でした。

 どなたともお話したかったのですが、やはり先生方のお話を静かに?
拝聴しておりました。
 アレクさん、お席が狭そうだったので替わりましょうかと思いつつ、
そのままで失礼しました。
 絶対にわたしよりお若いと思うのですが、だはは・・、まだ言ってるわたし・・。
 どなたもお若いですね。

 わたしは既に全てに挫折しておりまして、冊子もごみ同様・・、
去年の10月に社交辞令なのに入会してしまった詩の同人会さんは、
中学から大学の先生、お医者さんなどが同人で、わたしの原稿は
次回分やっと提出、載るかどうかなあというところです。

 私小説とショートショートと詩が主体のわたしですが、肝心のsf.は
ちょと書くのがむずい・・、やっと少しです。
 もみじまんじゅうも荷物になってすみませんでした、
今度先生のお宅にも送らせて頂きます・・。
 


SFM3月号より 投稿者:管理人  投稿日: 2月 1日(火)21時20分42秒

「イリュミナシオン 君よ、非情の川を下れ 読みました。
うおー! 副題はこっ恥かしいですが、これは大傑作の予感!
初期の山田正紀が復活しています。新エルド・アナリュシスか!?
ラカン理論のもとに5人の侍が集結し、人類を精神分析治療しようとしているらしい宇宙人「反復者」に立ち向かう!
まず今回登場の侍は、タルソスのパウロと阿修羅の二人。他に伊綾剛という主人公がいるのですが、彼が何者なのかはまだ不 明。アナグラムを試みましたが分からなかった。
残る二人の侍は? そして宇宙人の目的は?
ああ、はやく続編が読みたい(^^)
編集済


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