ヘリコニア談話室ログ(2006年6月)




ヨー2のバラッド  投稿者:管理人  投稿日: 629()235231

  引用

 

 

私は腰が悪いので、同じ姿勢でずっといるこ とが出来ません。椅子に坐っていても、数分ごとにモゾモゾと位置を変えている。見ている人には、きっと落ち着きの ないヤツやなあ、と思われていると思います。

ところが今日、ついさっき、同じ姿勢で一時間近く本を読んでいたことに気づいた。
これはかなり腰の状態がよくなっているということです。
本掲示板のずっと下、6月6日「すべての原因は咬合不良にあった」に書いたように、(当該本の説明を信ず るならば)私は咬合不良のせいで、腰痛が発生しているようなのです(椎骨が1個つぶれているせいもある)。

咬合不良は自分ではどうしようもありませんが、その結果起きる頭の傾きは、意識していれば修正できます よね。頭の傾きを修正できれば、玉突き式に起こっている左右の非対称も解消され、腰痛も消える道理。
そういうわけで、私は自然体では頭が右に傾きがちなのですが、それを意識して(気がつけば)反対に傾ける ようにしていたのです。
原因を根本的に除去するのではなく、単に対症療法なんですが、どうやらその努力が実を結び始めているの かも知れません。このところ腰の調子もすこぶる快調です。
あとは歪みを起こさせない患部の筋肉の強化ですね。これがなかなか思うようにはいきません。

 


眉村さん新刊情報  投稿者:管理人  投稿日: 627()22155

  引用  編集済

 

 

「いいかげんワールド」 の発売(予定)日が判りました。
奥付では7月20日付けとなっており、おそらくその2、3日前(7月18日前後)から店頭に並ぶのではないか と思います。
お楽しみに〜(^^)

あ、それから「引き潮のとき(第2巻)」も注文可能とのことです。こちらは店頭には並びませんので、 またネット書店でも取り扱わないと思いますので、ご注文は黒田藩プレスへ直接お願いします。→こちら

 


卓通信、最終号  投稿者:管理人  投稿日: 626()203814

  引用  編集済

 

 

卓通信に、
【第10号】(無題)/カンヅメ
を掲載しました。

本号をもって眉村卓『日課・一日3枚以上』(全10巻)の挟み込み付録「卓通信」を、(一応)全号アップロード 完了しました。
いや、管理人の怠慢で作業が遅れに遅れ、申し訳ありませんでした。

とは言い条、第4号の「新制中学」がまだアップ出来ていません。というのは、卓通信の4号が行方不明にな っているためで、行方不明といいましても、この部屋の腐海のどこかに紛れ込んでいるだけの話でありまして、発見 次第可及的速やかに掲載いたす所存であります。今しばらくご猶予を頂けたらと思います。まことに相済みません。

 


卓通信第9号  投稿者:管理人  投稿日: 625()214938

  引用  編集済

 

 

卓通信に、
【第9号】801から900/考えさせられた言葉
を掲載しました。

 


「いいかげんワールド」  投稿者:管理人  投稿日: 625()170933

  引用  編集済

 

 

眉村さん久々の長篇「いいかげんワール ド」、いよいよ発売が近づいてきたらしく、版元のサイトに詳細が載りました。出版芸術社

定年間近の客員教授が紛れ込んだのは、教え子の空想が生み出した奇妙な異世 界。魔法の力を身につけたものの、使い方は当の本人すらわからない。右も左もわからぬままに、猫とロボットを仲 間にし、次々と起こる変異をやり過ごそうとするが……奇想天外な生活の行く末は?

うーむ、これって老人版オズでは? なんかそんな印象を持ったんですけど。教え子がオズの大王なのかな ? などと勝手な想像を膨らませております。いや楽しみだなあ(^^;
新井素子さんの推薦文も、興味をそそられますねえ。

 


卓通信第8号  投稿者:管理人  投稿日: 624()23085

  引用

 

 

卓通信に、
【第8号】1999年・夏から秋へ――揺れる「日課」
を掲載しました。

 


Re: どへ〜  投稿者:管理人  投稿日: 624()00127

  引用

 

 

大橋さん
そろそろSFM発売ですね。
今月号は小説が皆無のようなので(怒)、たぶん買わないと思います。
大橋さんの連載「SF挿絵画家の系譜」は、今回は立ち読みで済ませるつもり。ごめんなさい。

それにしても、レムはもう未訳はないのか知らん。
それならば(文庫化する気がないのなら)宇宙飛行士ピルクスでも再録すればいいのにねえ。

チャチャヤン気分に『グリュフォンの卵』(1)を掲載しました。

高野史緒『架空の王国』(ブッキング、06)に着手しました。

 


どへ〜  投稿者:大橋  投稿日: 623()204141

  引用

 

 

驚きました。
ありがとうございます。

http://www.vanilla-gallery.com/

 


Re:エロティックSFアート展  投稿者:管理人  投稿日: 622()194354

  引用

 

 

大橋さん

お知らせありがとうございます。
例によって東京はあまりに遠く、申し訳ありません。

それにしても突然ですねえ(^^; 各処に書き込みにいって周知徹底せねばなりませんね。
というわけで、私も及ばずながら、ブログにて告知さ せていただきました!(画像無断使用お許しください)
ご盛況お祈りいたします(^^)

 


エロティック SFアート展  投稿者:大橋  投稿日: 621()230538

  引用

 

 

告知です。
もう、始まっています。

「エロティックSFアート展」

出展作家■岩淵慶造、金森達、星恵美子

期日■6月19日(月)〜7月1日(土)

会場■ヴァニラ画廊
   〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-10 第2蒲田ビル(4F)
   TEL&FAX 03-5568-1233
   http://www.vanilla-gallery.com/
   銀座・松坂屋 裏


入場料■無料

※原画を販売しております。

http://www.vanilla-gallery.com/


銀座にお越しのさいには足を伸ばしてみてください。
ヴァニラ画廊さんというのはとても面白いコンセプトの画廊さんです。
今回、私の提案に乗って頂いて開催となりました。
一応、私のプロデュースという形です。

http://www.vanilla-gallery.com/

 


卓通信第7号  投稿者:管理人  投稿日: 621()213212

  引用  編集済

 

 

卓通信に、
【第7号】「何とか第7巻」/「木更津」のことなど
を掲載しました。

 


卓通信第6号  投稿者:管理人  投稿日: 620()214210

  引用  編集済

 

 

卓通信に、
【第6号】毎日書きながら……/平野流町の社宅
を掲載しました。

 


「金色のコルダ」  投稿者:管理人  投稿日: 620()003941

  引用  編集済

 

 

藤野恵美さんの今年4冊目の新刊が出る模 様。
小説金色のコルダ 君のためにできること(コーエー)

アマゾンで既に予約できるようです。→amazon

花とゆめ連載のマンガ(ゲーム?)のノベライズらしく、ジュブナイルより若干上の世代狙いか?
    オフィシャルページ→http://www.gamecity.ne.jp/neoromance/corda/
    こちらに紹介が→http://www.gamecity.ne.jp/media/book/corda/novel.htm

これは藤野さんとしては新境地ですね。
どんな風に料理したか楽しみ――といいたいところですが、私としてはもっとも手を出しにくい分野で、いかに 藤野さんの新刊とはいえ、多分読まないと思います(^^;
興味のある方はぜひ!

 


卓通信第5号  投稿者:管理人  投稿日: 618()230617

  引用

 

 

久しぶりに卓通信を更新。
【第5号】再び、無用の(?)雑感/阪南団地の頃
を掲載しました。

 


SFシリーズ200巻全採 点  投稿者:管理人  投稿日: 618()114240

  引用  編集済

 

 

昨日は畸人郷。参加者少なめ。
なんか京都に人気作家が来ていたらしく、若手がそっちへ流れたようです。
で、二次会に至っては、なんと私が最年少となってしまいました(^^ゞ
というわけで甲斐甲斐しく下働きに相つとめるのであった>大嘘です(爆)

SR会員のJ氏よりSRMonthly(東京編集128・昭和44年10月号) のコピーをいただきました。
早川SFシリーズ200巻突破
5人のマニヤによるSFシリーズ全巻採点簿というのが掲載されていて、当時刊行されていた「盗まれた街」から「大いなる 爆発」までの全巻が採点されています。J氏の許可を得たので本掲示板の読者の方だけにお見せしましょうSRM(右下のボタンで拡大)

それにしても当時のマニヤはハヤカワのシリーズ平気で片っ端から読んでおられたんですねえ!ちなみに私 の既読は200冊中106冊で、ようやっと半分超。
最高得点は「都市と星」が満点(5名全員10点満点)、2位が「地球の長い午後」、というの も納得の評価ですが、今現在で行なえばF派の得点がもっと上がってきそう(^^)

 


>『グリュフォンの卵』  投稿者:管理人  投稿日: 616()213840

  引用  編集済

 

 

「犬はワンワンといった」まで読みました。い や〜よいですねえ、予想以上(^^)。
これって、ゼラズニイの再来では?
と思ったら、解説にも書かれていましたね(^^;。

ところで、「ギヌンガガップ」は小説自体はなかなかよかったんですが、訳文に引っかかるところが散見された (詳細は感想文に書きます)。たしかにこの小説、SFジャーゴンを当たり前に使うスタイルなので、翻訳が難しいのは 容易に想像できますが、ややオートマチックに訳したきらいがあるように感じました。

別の翻訳者が訳した「クロウ」、「犬はワンワンといった」は特に訳文を意識せずに読めたので、上記は翻訳 者の訳し癖か。次の表題作が、また当該翻訳者なので、いろんな意味でたのしみ(^^;

なお、明日は畸人郷のため更新はありません。

 


「時の探検家たち」  投稿者:管理人  投稿日: 615()22245

  引用

 

 

H・G・ウェルズ「時の探検家たち」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収) を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

以上で、若島正編『ベータ2のバラッド』(未来の文学、06) 読了。

ひきつづき、『グリュフォンの卵』に着手。

 


「ハートフォード手稿」  投稿者:管理人  投稿日: 615()001423

  引用  編集済

 

 

リチャード・カウパー 「ハートフォード手稿」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収)を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

 


「プリティ・マギー・マネー アイズ」  投稿者:管理人  投稿日: 613()210420

  引用

 

 

ハーラン・エリスン 「プリティ・マギー・マネーアイズ」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収)の感想を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

 



「降誕祭前夜」  投稿者:管理人  投稿日: 612()21401

  引用

 

 

キース・ロバーツ「 降誕祭前夜」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収)の感想を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

 


「四色問題」  投稿者:管理人  投稿日: 611()222747

  引用  編集済

 

 

ベイリー「四色問題 」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収)の感想を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

 


「ベータ2のバラッド」  投稿者:管理人  投稿日: 610()164145

  引用  編集済

 

 

ディレイニ「ベータ 2のバラッド」(若島正編『ベータ2のバラッド』所収)の感想を、
チャチャヤン気分に掲載しました。

 


すべての足は腕  投稿者:管理人  投稿日: 6 9()202113

  引用

 

 

ようやく、『ベータ2のバラッド』に着手。
表題作読み始め、打ちのめされる。
こ、これは「宇宙の孤児」へのオマージュか? 凄い。傑作。痺れる!

ということで、再読に突入。

 


「愛国者は信用できるか」  投稿者:管理人  投稿日: 6 8()203150

  引用

 

 

を、チャチャヤン気分に掲載しました。

 


「退化する若者たち」  投稿者:管理人  投稿日: 6 7()214016

  引用  編集済

 

 

丸橋賢『退化する 若者たち 歯が予言する日本人の崩壊PHP新書、06)読了。
後半はありがちな警世エッセイになってしまいました(まあ想像がつきましたが)。
ありがちな、というのは、結局のところ「健康な体に健康な精神は宿る」という主張に収斂してしまうので。

いや個々の主張は私も同意できるのです。というかものすごく当たり前な結論なんですね。運動しろ、とか軟 らかいものばかり食べず固いものも嫌がらず食え、とか……。こういう主張は否定する余地もなく当然の生活の指針 というほかない(本書を読んで、私も生活態度を改めようと思いましたから)。

が、下に纏めたような事実から「だから」でそのような結論に持っていくのはあまりにも強引過ぎる。咬合不良 から見出された生気の枯渇という臨床事実から結果される因果関係以上のことが結論として述べられているわけで す。内容的に間違ってなくても、これでは八っつぁん熊さんに説教するご隠居とそう変わりません。

たとえばものごとは常に積み重ね的に継続的に発展するというが、例に挙げている音楽にしたって、無調と か全音音階の発見は、継続ではなく断絶だったのではなかったでしょうか。
相対性理論はアインシュタインがいなくても、いつかは誰かが発見したのでしょうか。そうかもわかりませんが 、それもまた「天啓」(断絶的発見)であったはずです。
「淘汰」が働かなくなっている点を憂えているのですが、ではホーキンスはどうなのか。
このように議論がおおざっぱに拡散していくのが惜しかった。警世エッセイとしては当然かもしれませんが。
*そういえば寒冷地適応を遂げた弥生人が手足が長いというのは間違っていると思う。

昼休みに読み終わってしまったので、手持ち無沙汰で講談社現代新書の新刊『愛国者は信用できるか』 を買ってしまった。
その道40年の新右翼の大物がにわか右翼、ネット右翼、オタク右翼の「愛国心」を批判しているようです。面 白そう(^^)

 


すべての原因は咬合不 良にあった  投稿者:管理人  投稿日: 6 6()202334

  引用  編集済

 

 

丸橋賢『退化する若者たち』PHP新書、06)着々読み中。<若者>はネタですね。むしろ<退化する日本人>かも(>でもないな あ)。

で、気づいたこと。以前にこんな文章を書きましたが、全然間違ってました(後半の顔の部分。下図(同書 80p)と同じですね)(^^ゞ

若者に特徴的なとされる身体の左右非対称ですが、これまさに私自身そのもの。
原因は右脳左脳関係ありません。なんと奥歯の噛み合せが悪いことに全ては起因しているのであった。
うーん、面白い。面白くてためになります。

私の場合、子供のころ歯の矯正のため上の歯が一本抜かれているため、きわめて噛み合わせが悪い。まさ かこれが原因とは……。
つまり噛み合わせが悪いため、下顎位が左にずれる。その結果左に偏位した頭部の重心を補正するため、 頭を右方向に傾ける。それによって頚椎も右に傾く。その反動で胸部が左に傾き、結果両肩の水平性が崩れ、左肩 が下がる。胸椎から腰椎はそれに引っ張られるかたちで垂直ではなくなり、左が窪んだ形に湾曲する。それでも重 心は左にずれているので、骨盤も左が低くなる。その傾きに抵抗するため、左足をやや前方に出して突っ張る。
これはまさに私の姿勢そのものなんです。結果、左の肩と首が凝ると言うのもそのとおりで、腰痛も発生しま す。

で、試みに左奥歯をティッシュを噛んで咬合調整してみました。あら不思議、リンクに書いた顔面の左右非対 称がかなり改善されたではありませんか。歯医者に行ってちゃんと治してもらおう(^^;

でもこれって、若者に特殊な症状ではないですよね。
若者の顔が退化顔なのは、書かれているとおり食生活の変化でしかなく、食生活の変化で個人が変わるも のは(形質遺伝のような)進化でも退化でもないのでは?
あるいはこの変化を退化というならば、類人猿以降、人類はずっと退化し続けていることになるわけです。

というところで、中間報告終わり。読みに戻ります。

 


退化顔はアニメに反映さ れていた!  投稿者:管理人  投稿日: 6 5()21491

  引用  編集済

 

 

大橋さん
大橋さんも中央図書館に通われていた口では(^^;
同じ本を読んでいるかもしれませんね。
そういえばロケットの(傘型のイオンロケットの絵が載っている)本なんですが、私が借りて読んだ本を、芦辺 拓さんが(たぶん数年後に)やはり借りて読んでいらっしゃるんですよ。不思議な感じがいたしました。

『ベータ2のバラッド』に着手のつもりだったんですが、書店でパラパラッと捲った『退化する若者 たち』(PHP新書)が意外に面白そうだったので購入、いま読み中(^^ゞ

本書によれば「退化型」の若者顔というのがあって、下図左のように、下顎角(度)が広く120度にもなっている (従来の日本人は100度程度)のがその特徴のひとつだそうです。
で、おやっと思ってSFMを開けたわけです。
そう、下図右のマンガの若者の横顔、これも大体同じくらいの角度ではありませんか。このマンガはSFM7月 号8pのMagazine Radar掲載のアニメ「NIGHT HEAD GENESIS」の主人公の一人、霧原直人です。
アニメの主人公の顔がまんま「退化顔」そのものだったわけです。私思わず笑っちゃいましたですよ。

なお上記Magazine Radarによれば、小松崎茂の絵物語「地球SOS」(SFM4月号「SF挿絵画家の系 譜」第1回参照)がアニメ化される由。これは見てみたい気がしますね。

 


ラベンダー  投稿者:大橋  投稿日: 6 5()060326

  引用

 

 

いつもありがとうございます。
私もいまだに「ラベンダー」と聞くとピクリと反応してしまいます。
ラベンダー畑とか、ラベンダーのアイスクリームとか〈笑〉

 


レモネードはラベンダー の香り  投稿者:管理人  投稿日: 6 4()22511

  引用

 

 

月一連載(あたりまえ)の大橋博之「SF挿絵画家の系譜」第4回は「ラベンダーの香り◎谷俊彦」

ラベンダーの香りと聞いて「時をかける少女」を思い出さないSF者はいないでしょう。
これを読んだ頃、私はラベンダーなるものを見たことも聞いたこともなかったので、それは一体どんな香りな んだろうかと、子供ながらに強く知りたいと思ったものでした。

大阪市立中央図書館の小中学生室で読んだのですが、当時、2階だったか3階だったかの図書館の食堂に 行って昼飯を食ったり、ジュースを買って飲んだりするのも、楽しみの一つでした。
で、そこにレモネードという飲み物があり、さっきまで読んでいた本のラベンダーの香りとは今俺が飲んでいる このレモネードの香りに似ているのだろうか、と、単に字面からの連想なんですが、思った記憶があります(笑)。

さて、この「時かけ」(盛光社版)の挿絵を担当したのが谷俊彦。過日大橋さんから「次回は谷俊彦です」と聞 いたときは、実はピンとこなかった。「谷俊彦? はて」という感じだったのですが、今回採録された挿絵を見て、「な んだこの絵の絵描きさんか」と得心しました。

当時私は旺文社の「時代」を定期購読していたのですが、誌面には「谷俊彦」が溢れかえっていたように思い 出されます。まさに当時のジュニア小説の挿絵を一手に引き受けていたのではないか、とさえ思われます。眉村さん が時代に連載されていたSFも、挿絵はこの絵だったんではなかったかな。

大橋さんがいみじくも書かれているように、「昭和40年代のジュヴナイルSF小説は( ……)谷の描く明るくモダンな絵はあっていた。時代は勇ましい絵よりも親しみやすいムードのある絵を求めていたの である」。まさにそういう感じですね。

ということで、一応SFMは読み終わりとし、週明けから『ベータ2のバラッド』に着手の予定。

 


とはいえ SF専業の未来は……  投稿者:管理人  投稿日: 6 4()213138

  引用

 

 

(追記)
ただしそのような事態になると、「直球」SF作家はSF専業では食えなくなるかもしれません。草上仁さんのよう にサラリーマンとの二足の草鞋を履くか、作家専業でも大衆迎合的作品を書くことで生活し、その合間に小出版社で 超硬質直球SFを心ゆくまで書くという、「作家内二足の草鞋」体制を取らなければならないかも。でも、意に染まない 軽薄SFを書かされるくらいなら、非SFな大衆小説を書き飛ばすほうが作家さんも心安らぐのでは?
そういえばケリー・リンクは、自身が小出版社の経営者なんですよね。

 


「直球」 SFの未来を拓く小出版社  投稿者:管理人  投稿日: 6 4()201044

  引用  編集済

 

 

年一回連載の中野善夫「SF BOOK SCENE」お題は「復古出版」が興味深い話題で面白かった。
海外では古い作家の作品を出すのは小出版社が多い。そればかりか今もっとも勢いのある作家作家たちの 短篇集も小出版社から出ているとのこと。

これはSFというものが商業主義の間尺になかなか合いにくいものであることを示しているのではないでしょう か。つまり一部のベストセラーを除けば、本質的にSFは大衆的なジャンルではないと。

そういうことであれば当然、日本でも同じことがいえるはずです。そう考えて見回してみれば、たしかに純粋な SFはきわめて出版のチャンスにめぐまれてないような気がします。

時評欄「SF BOOKSCOPE JAPAN」で風野春樹が、平谷美樹の新作『銀の弦』を評して、「変化球の作品が多い昨今では貴重である」と述べていますが、平谷美樹の文系SFに しろ、その対極にある理系ハードSFにしろ「直球」勝負の作品は出版社が拒絶反応を示しているとしか思えません( ライトノベルっぽいのは比較的門戸が広いようですが)。

理由は簡単。商業出版のシステムでは利益を見込めないという判断なのでしょう。国書が成功しているといい ますが、ほんとうに商業出版として成り立っているのでしょうか。節税対策という話もよく耳にしますよね。そこまでい かなくても、損益さえ出さなければオッケーということかもしれません。

以上は商業出版と「直球」SFはサイズが合わないという話でした。その状況はおそらく英米でも同じなんでしょ う。ケリー・リンクやエムシュが商業的に引き合うはずがないことは日本にいる私にも自明のように見えます。

そういう状況で生まれてきたのが、おそらく「小出版社」という形態なのではないでしょうか。
そのかみ荒俣宏(団精二)が、創土社を日本のアーカムハウスと称揚していましたよね(SFM154号)、それに よると「社長と副社長たったふたりで営業から校正・在庫整理を行な」っていたらしい。

英米の小出版社がどれほどの規模であるのか判断する材料を私は持ちませんが、私のイメージでは、極端 に人件費を絞る意味でも団精二の述べる創土社と50歩百歩、社長ひとりと、あとは非常勤のアルバイトという感じで はないでしょうか。

私はこの米英の、小出版社による純粋SF出版という手段は日本でも有効というよりも、この手段でしか直球 SFは生き残れないのではないかと思います。
とまれ中野さんが紹介された小出版社の具体的な存在形態をもっと知りたいと思いました。

 


SFMが存在する不幸  投稿者:管理人  投稿日: 6 3()20306

  引用

 

 

特集残る一編は分載なのでパス。
新連載「乱視読者の短編講義」を読む。第1回はウェルズ「ザ・スター」。
岩波文庫版『タイムマシン』所収ということで、私は未読なんですが、穿った読解は面白かった。これではまる で実験小説ではないか(^^;
「ウェルズが大衆というものをどのように見ていたか」(101p)は、私も興味あります。多分非常にアンビバレン トな見方に引き裂かれていたのではないでしょうか。しかしその後のSF作家はアンビバレントなうちの「見下ろす」視 線をより多く継承していった。その状況を改革しようとしたのがNWだったといえましょう。端的には昨日言及したニー ヴンとランディスの視点の位置に象徴的に見て取れます。
翻訳では省略された「I」から語り手を推理する部分は秀逸。その視点は、「宇宙戦争」を引き寄せると共に、 コンストラクティブなイメージのある(例えば穏健社会主義、世界連邦主義)ウェルズの「破壊衝動」を見据えています 。

ところで本論の眼目は、実はラストにあって、著者は現在のSFがウェルズの延長線上にはなく、アメリカパル プ雑誌から誕生しているという認識のようで、それを残念に思っているようです。それが証拠にもしウェルズ的SFが 主流であれば
今頃SFマガジンなんかこの世に存在していないのだ 、とえらい鼻息(^^;
SFマガジン誌上でSFマガジンを根本的に否定するなんざ、若島先生さすがです(拍手)。もちろん私も同感。

 


<太陽系探査SF特集> よりB  投稿者:管理人  投稿日: 6 2()222547

  引用

 

 

ラリイ・ニーヴン「ロ キ」は、(おそらく)地球人類が(おそらく)宇宙の各所に存在する文明以前の惑星 種族に「介入」し、その文明化を促進させるべく放った教育装置が、ある惑星で機能した物語(ただし教育される側か ら描かれた物語)だろう。凡作。

「司政官」が既に知的生命化した惑星種族がターゲットであるのに対し、本篇の「先生」はもっとずっと以前の 、火を持つ以前のレベルの種族の教導が眼目で、「司政官」がそのような「教導」に懐疑的で極力介入を回避し悩む のに対し、ニーヴンはあっけらかんと介入して泰然としているのが、いかにもアメリカ的オプティミズムを感じないでは いられない。この見地とブッシュの間には一歩の距離もない。「青き深淵へ」のカイパーハビットの取り扱いと比べて 、ニーヴンの無邪気さが際立つ。

 


<太陽系探査SF特集> よりA  投稿者:管理人  投稿日: 6 2()210515

  引用  編集済

 

 

サラ・ゼッテル「暗 黒の中の見知らぬ他人」は、ベルト近傍で自力帰還が不可能になり遭難した宇宙船が、近くを通って太 陽に向かって戻っていく彗星を見つけ、それに「銛」を打ち込んで牽引させて地球へ戻るという話。
このアイデア自体は面白い。このプロット一本に絞って書けば、長さは半分になるが、引き締まった佳作にな っただろう。

しかし――著者は物語を作りすぎてしまった! これは一般的に女流作家のSFに多いパターンといえるかも なんだが、つまらないサイコホラーめいた浅い心理描写に一生懸命になってしまって、せっかく作ったシチュエーショ ン自体の面白さを減殺しているのだ。
つまりB級ホラーSF映画のシナリオめいた作りが、ハードSFとしての面白さを殺してしまったのだが、多分著 者はこんな2時間ドラマみたいなストーリーを面白いと感じる人種なんだろう。

 


「青き深淵へ」<太陽系 探査SF特集>より  投稿者:管理人  投稿日: 6 2()203944

  引用  編集済

 

 

ジェフリー・A・ランディ ス「青き深淵へ」は、天王星海洋SF!
本篇で描かれる天王星は、真水球。岩石(珪酸塩)の核は海がすっかり溶かしてしまって残っているのは底な しの海ばかりという世界。
その天王星の海に不安定な化学現象が確認される。すわ有機分子=生命か? ということで、探査隊が派 遣される。既に第一回有人探査隊が生命を探したのだが見つからなかった経緯があった。そのときは人間は直接 降りたたず、プローブによる探査に終始した。今回は人間が、直接海に潜ることになる――ということで、海洋SFな のだ!

細かいネタも面白い。ベースステーションは薄い金属メッシュのV字型の帆から100キロメートルの係留索で 吊り下げられており、帆にマイクロ波ビームを照射することで、上下に移動し、ステーションを成層圏最上部まで降下 させることができる。
その最下端からイルカ型のポッドに乗り込んだ、というよりも一体化した隊員が射出される。イルカ型ポッドは 大気層を自由落下するのだが、大気が地球とは比較にならないくらい濃いため次第に落下速度が奪われてゆくの だ。そうして適度な速度で、ポッドは天王星の海に飛び込んでいく。

そうしてポッドは、海中に漂う炭化水素が主体の薄い油の浮きカスのような層を発見する。有機物だ。だが、 熱源のない天王星の海中でどうしてそのようなものが存在できるのか? ここでも著者は成立させる面白いアイデア を提出する。
やがて浮きカスを濾過摂食する「魚」も見つかる。魚といっても組成も密度も同じで、油カスより少し進化した パンケーキ状の平べったい塊に過ぎない。そうしてそのパンケーキを捕食する「サメ」が発見される。

――という具合に、天王星の最新の知見から演繹された不可思議で魅力的な海中世界が描かれていて実に 面白かった。脇ネタとして描かれる、カイパーベルトハビットを襲う(グローバリズムを揶揄しているのであろう)資本 主義的文化侵略もなかなか面白く、これを発展させた別物語も読みたいと思った。

ともあれ、実に正統的なハードSFの教科書のような話で、これは『火星縦断』読まなくては、と思わされる秀 作でした。

 


SFM7月号  投稿者:管理人  投稿日: 6 1()215349

  引用

 

 

土田さん
>「私の失敗」という本です
確認できました。ありがとうございました。

ようやくSFM入手。今号は太陽系探査SF特集ということで、面白そうです。
まずはジェフリー・ランディス・インタビュー「科学を実践する」。
とても興味深いインタビューで面白かった。

太陽を追いかけて移動する月面基地の話題で、「水星でも同じことが言える」とありますが、水星のトワイライ トゾーンと共に移動する水星都市は、以前SFMにありましたね。あれ誰の作品だったっけ。
チューブ輸送が結局実用化しなかったというのは、私も以前ここで書いたと思いますが、ランディスも感慨深く 思ったようですね。

それはそうと、ランディスと私は、生まれが一日違いであることが判明しました。
ランディスは1955年5月28日生まれで、私は同年5月29日生まれということで、一日だけランディスが先輩 のようです。
で、ふと「まてよ」と思ったのです。

ランディスはデトロイト生まれだそうです。デトロイトと日本の時差はマイナス14時間です。ただしサマータイム 期間中はマイナス13時間となります。
すなわち日本時間の0時はデトロイトでは前日の11時にあたるわけです。
もしランディスがデトロイト時間の5月28日の11時以降(11時から24時の間)に生まれたのであれば、その 同時刻は日本時間では29日0時から13時ということになるのです。ちなみに私は明け方生まれたと聞いています。

つまりランディスは、出生時刻を日本時間で表すならば、50%以上(13/24=54.1)の確率で私とほぼ同時刻 に生まれた可能性があるのです!
これはすごい偶然ではないでしょうか? ほぼ同時刻に生まれた人間が、ひとりはSF作家として、今ひとりは SF読者としてこの世に存在しているんですから。

しかしまあ、1955年生まれの人がSFに関係する確率は、1985年生まれのそれより一桁は大きいともいえま すから、まあそんなものかな、という気もしますね。
それにしてもジェフリー・ランディス、5月28日の11時より後に生まれたのか先に生まれたのか、ちょっと知り たいものです。

 


 

 

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