ヘリコニア談話室ログ(2006年10)

 




中国の未来は  投稿者:管理人  投稿日:1031()203728

  引用

 

 

国勢調査:人口、戦後初の減少 出産世代、未婚率上昇に拍車−−2005年確定値

うーむ。ついにビッグクランチが始まりましたな。
ところで、今でこそ日の出の勢いの中国ですが、1人っ子政策ですから日本よりもっとドラスティックな老齢化、人口減少に見舞われるのではないでしょうか?
と思って検索してみました。

中国の人口は、早くも2030年にピークに達し、以後減少していくようです。http://jp.epochtimes.com/jp/2006/06/html/d83226.html

60歳以上の老年者人口は現在すでに1億4千万人で、総人口の11%。2020年には17.17%となり、2021〜2050は毎年620万人増加し、2050年にピークに達して3億から4億人(総人口の31%)で安定するらしい。http://jp.epochtimes.com/jp/2006/07/html/d58688.html

日本の場合、国勢調査によれば総人口のうち老年人口(65歳以上)が占める割合が20・1%。中国と日本では老年の定義が違うので単純に比較できませんが、あと20年もすれば中国は途轍もない老齢社会化の圧力に苦しむことになりそう。
奢れる平家ではありませんが、中国の繁栄は案外短いのかも。

 




草上仁さんを囲む会  投稿者:管理人  投稿日:1030()205225

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28日の土曜日は、先般、初の長篇ミステリ『文章探偵』(早川書房、06)を上梓された草上仁さんを囲む会に出席してきました。
名張市の恒例乱歩講演会(今年は綾辻行人さんが講師)のあとに開催されたのですが、私は往路車中にて読了(^^;。
いやこれは傑作でした!
よくもまあここまでこねくり回し、作り込んだものだなと驚き呆れた次第。この大数の法則を逆手に取ったアイデアはうならされました。

作家ではないのでよく分かりませんが、ふつうの小説の倍は時間がかかっているんではないでしょうか。
実は本書、「文章探偵」というだけあって、記述された(印刷された)文章そのものに解明の手がかりが隠されているという凝った構成で、私も一字一句たりとも見落とすまじと、目を皿のようにして読んだことでありました(その甲斐あってミスプリも発見しちゃいましたけど)(^^;
草上さんも、最初の構想では「読者への挑戦」を入れるつもりだったとのこと。さもありなん。

ただ会の席で、この高密度の構成と文体は、読者がついてこれないのではないかという意見が出まして、まあそうだろうなとは思ったのですが、逆に「これくらい読みこなしてこそ読書人だろう」という思いも私の場合は強く、実は丁度ある日本人作家のホラー短篇集を読んでいまして、これがもう箸も立たない薄々のスカスカで、「こんな読者を嘗めた小説を出す作家も作家、版元も版元やなあ」と半ば呆れたのですが、結局読者の読書力の衰退が、このようなちんぴら作家をのさばらせ、逆に「文章探偵」のような作品の面白さが伝わりにくくなっているのが現実なんでしょう。ああつまらん現実!

「文章探偵」の中でもベストセラー現象のあらえっさっさ的な部分がかなり辛辣に描かれていますね。「いやルサンチマンです」と笑っておられましたけど(^^;

 




サンカとひとのみち教団  投稿者:管理人  投稿日:1027()233535

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かんべむさしさんのフリーメモが更新されています。
『サンカの真実 三角寛の虚構』、面白そうです。これは読まねば。
この本では三角寛を「虚言者」として、「いかにでたらめであるかを、驚異的な調査力でもって暴きつくしている」らしい。

ところで、去年出た『サンカと三角寛 消えた漂泊民をめぐる謎』(礫川全次、平凡社新書)によれば、三角がサンカを「でっちあげ」たというのはほぼ同じですが、そこにはある目的があったとします。
すなわち、ひとのみち教団(PL教団の前身)の有力者であった三角が、(ひとのみちが官憲に解体させられた後)、サンカなるものに「ひとのみち」の理念を投影してユートピアを建設(幻視?)しようとしたのではないか、という仮説を提出しているのです!
ほんまかよ(苦笑)、という感じなんですが、アイデアとしては面白かったチャチャヤン気分

『サンカの真実 三角寛の虚構』で『サンカと三角寛』を検証するのも一興かも。

 




大木金太郎さん逝去  投稿者:管理人  投稿日:1027()205218

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http://www.nikkansports.com/battle/p-bt-tp0-20061027-109006.html

私はなぜか、大木金太郎は沖職名の子供だと、ずっと思っていました(先般読んだグレート東郷の新書本「悪役レスラーは笑う」ではじめてその間違いを知った)。
今ひょいと思ったのですが、オキとオーキが音通だったから起こった思い違いではないかと。
なんせ小学生です。文字で情報を得ることはなく、テレビの音声情報がすべてだったわけで、無意識に沖と大木を混同していたのかもかも知れません。

頭突きの後遺症で苦しんでいたとは、まさに体を張った商売だったんでしょうね。
ご冥福を祈ります。

 




祝・優勝  投稿者:管理人  投稿日:1026()222828

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テレビの解説で巨人上原がいっていたが、日本シリーズ優勝決定試合を引退試合にできる選手は、まあいないでしょう。
息子が小学生の時からファンだっただけに、なんか時の流れを感じますなあ。そりゃあ大学生になってるわけだね。

いずれにせよファイターズ優勝は慶賀慶賀。
ここ数年のパ優位はプレイオフというシステムの勝利という人もいましたが、今年に関してはそれはあてはまらないわけで、プレイオフは関係なく、実際パの方が実力で強いということを証明したといえます。
いや痛快痛快。溜飲を下げました(^^)。

 




新訂版コナン全集(承前)  投稿者:管理人  投稿日:1025()233214

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ようやく『黒い海岸の女王』を入手。
いやこれはすばらしいです。
本全集における編者の視座は類例がなくユニークで、且つ理に適っていて納得できます。編者の主体性がよくあらわれた編集方針といえましょう。
巻末解説で、あちゃらで出た各種のコナンシリーズがその編集方針と共に紹介されているのですが、それを通覧するにつけても、この創元の「新訂版コナン全集」は独創的で優れているように思われます。
向うにコネのある方はすべからく日本のこの優れたコナン全集を宣伝してもらいたいものです。ひょっとしたら、中村融コンセプト版があちらで作られるかもですよ。

 




新訂版コナン全集  投稿者:管理人  投稿日:1022()110316

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わたし的には今秋最大の注目本である『黒い海岸の女王』 (創元推理文庫 新訂版コナン全集)が、ようやくbk1で購入可となっていました。ただし在庫はまだのようで、1〜3w対応。
みなさん、ここであわてて注文しますとひどい目にあいますのでご注意。
なぜならbk1自身の在庫分の発注はすでに行っているはずなので、ちょっと待てば24h対応に変わってしまい、あわてて発注した方が(bk1発注より発注タイミングが遅いので) 24h対応で出荷される分より遅く到着するというパラドックスが起こってしまうのです。
これで私は何度煮え湯を飲まされたことか。
ということで、もう一日二日、様子を見られることをお勧めします。

さてこの『黒い海岸の女王』がなぜ注目本なのかといいますと、単なる創元版コナンシリーズの復刊ではないからです。
中村融氏の刊行の言葉から引用しますと、

日本独自の編集によりハワードの原典に忠実な全集をめざすことにした。すなわち、ハワード自身が完成させた21篇に関しては雑誌掲載前のタイプ原稿から翻訳を起こし、未完成の5篇に関しては、梗概や未完の草稿のまま翻訳を載せることにしたのだ。重ねて強調しておくが、これらは後代の手がいっさい加わっていないハワード・オリジナル・コナンである。

という画期的な編集がなされているのです。
私自身はハヤカワ版と創元旧版をごっちゃに読んでおり、しかも一部しか読んでないので(当初から本人ではない作家による模作や改作が含まれているのに嫌気がさしていたので)、この際じっくりオリジナルコナンを味わいたいと楽しみにしているのです。
あー早く在庫にならんかね。というか書店ではもう売ったいるのかな。書店で買うのが何といっても一番手っ取り早いわけですが。

追記>ジュンク堂と紀伊国屋検索してみましたが、まだ在庫されていませんね。残念。

 




Re:これ前にも要望  投稿者:管理人  投稿日:1021()220918

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>大橋さん
SFマガジン系が登場し始めれば「誰のことやらさっぱり」ということはなくなるはずです(^^)。
しかしやはり画像をもっと載せてほしいですね。もう1ページあればねえ……

>日本シリーズ
うむ井端にやられた。ダルビッシュも日ハムも若さというか経験不足が出ましたね。

 




これ前にも要望  投稿者:大橋  投稿日:1021()072730

  引用

 

 

少年ものの画家さんとはこだわっていません。
〈SFマガジン〉はやはり中島靖侃先生から始めたいと思っています。
現在、靖侃先生と詰めている所。
靖侃先生の次は真鍋先生だし、それから金森達先生〜と続きます。
途中、いろいろ脱線しながら・・・。

 




Re:誰のことやら  投稿者:管理人  投稿日:1020()191513

  引用

 

 

大橋さん
そうか、こっちは「少年」の冠がないからSFマガジン等SF専門誌で活躍した人も紹介していくのでしょうか。
そうなら、希望としてはかんべさんや北杜夫の本に多く挿絵を書いた佐々木侃司も紹介してほしいですね。
あれ、これ前にも要望していましたっけ。

 




誰のことやらさっぱり  投稿者:大橋  投稿日:1020()071020

  引用

 

 

著名な方と有名な方を混ぜていきます。
今月の号は石原豪人先生(前編)。SFは描いていないんですけどね。
真鍋博先生もやりますよ。2月売りの号で登場の予定です。

 




「SFマガジン」シェクリイ追悼号  投稿者:管理人  投稿日:1019()21318

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SFマガジン11月号をようやく購入。
しかしSFM、ほんとうに書店で見かけることは皆無になってしまいましたな。
堺市より南の大阪府下の書店は多分全滅状態かも。
私が学生時代は、どんな商店街の小さな本屋にも(同じ形態の少しいかがわしい雑誌と並べて)陳列されてたもんですが(^^;

それはさておき、今号はロバート・シェクリイ追悼特集。
昨年12月に逝去しているので、ずいぶん間のあいた特集となりました。もっとも、どうやら編集長としては追悼特集を組む気はなかったみたいですな。
「何人かの方から「シェクリイの追悼特集をやらないの?」と聞かれた時、正直、シェクリイは過去の作家という印象を持っていました」(編集後記)なんていっているんですから。
まあ正直なのは評価しますが、このような発言をするところをみると、やっぱりこの編集長、根っからのSFファンではないようですね。SFファン上がりではなく、異動で与えられたポストがたまたまSF雑誌編集長だったという感じか。

さはさあれ、出来上がった特集の内容自体は、(レム追悼特集などと比べて)これぞ正しき追悼特集のかたちに則っていて、とてもよいものでした。シェクリイに対する崇敬と哀悼の念がすみずみにまで感じられるもので、これならシェクリイも満足でしょう。
殆どの翻訳を担当されているところから鑑みて、やはり浅倉さんが中心になって出来上がったものなんでしょうか。だからこのようないい特集になったのかも。と思ったら、編集後記に「企画の段階から中村融、牧真司の両氏にご協力いただきました」とありました(^^ゞ。

シルヴァーバーグ、ハリスン、ポールという同世代の追悼文「永遠のシェクリイ」がやはり胸に沁みます(他にプリーストとラッカー)。シェクリイというのはオンリー・ワンなイメージがありますが、これらの追悼文やプラットのインタビュー記事「誠実なる相対主義者」を読みますと、出自としてはホレス・ゴールドの<ギャラクシー>誌一派(ビクスビイ、バドリス、テン、コーンブルース、ポール、デーモン・ナイトetc)だったようですね。
そういえばこの辺の作家の紹介が、日本で忘れられているような気がします(個人的にはポールのゲイトウェイ以前の作品をもっと読みたい)。

シェクリイ自身も70年以前は殆ど訳されていますが、それ以降は皆無に近い。
その理由として――「人間の手がまだ触れない」54)のシェクリイは、実のところ「無限がいっぱい」(60)あたりで終わっていることが考えられます。
「明日を越える旅」62)あたりからのシェクリイは、ある意味難解な作風に変化している。ところが日本の読者がシェクリイに期待するのは、いつまでたっても「人間の手がまだ触れない」のシェクリイなのです。そこに期待と実作の乖離が大きくなって、結局翻訳されなくなってしまったのではないでしょうか。

「明日を越える旅」は一種哲学的な物語で、私にはとても面白く、何度か再読しているのですが、未だに謎にみちています。70年代以降その作風が深化していったのか、また別方向に変化したのか、とても興味があります。

高橋良平の未訳長篇紹介「知られざるシェクリイ」は、その意味で興味深かったんですが、俎上に乗せられたのは90年代の作品でした。その間が知りたいんだよな。

梶尾真治と草上仁の追悼エッセイ「シェクリイの思い出に」は、両者のシェクリイ受容の違いが伺われて面白かった。

ということでいよいよ創作2篇。どちらも70年代の作品でした――

「スタンダードな悪夢にようこそ」(浅倉久志訳、73)は皮肉な話で、編集長のいう「もともとある設定を用いて、ユーモアや風刺を書き込む」作品の典型。
たとえば「何しろ宇宙はせちがらくて」(11p)というフレーズは、前代の安直なスペオペが「広大な宇宙狭しと暴れまわる」設定を踏んで捻ってあるわけで、70年代当時の、まだ設定の共有度の高かったアメリカのSF読者は、まずここでどっと笑い声を上げたに違いありません。
このようなくすぐりを随所に盛り込んで進んでいく物語は、しかしラストでとんでもない展開(転回)をみせる。主人公ジョニイの心理の転回が笑えると同時に、ジョニイが我々読者自身の周囲にいるだれそれ(そう、上司のあいつですよ)に見えてくるのではないだろうか? そして「いやあいつだけじゃないな、オレもだよな」、と思いついてしまうともういけません、さらに力なく笑うしかない。
その意味で特集解説の、「ひねりの効いた結末は、書かれた時代の影響を感じてしまう」という不満は、結局「人間の手がまだ触れない」のシェクリイから離れていないからなんだと思います。

「決して終わらない悪夢」(中村融訳、76)は、ちょっとまだよく分かっていない。これは読者(観客)を嵌める叙述トリックで、ウェストワールドのようなロボットなのか? いずれにせよあんまり捻りが効いてないか、効きすぎて私に理解できてないかどちらか。

以上、追悼特集の感想。

つづいて大橋博之「SF挿絵画家の系譜」第8回は、伊藤展安。といわれたって、誰のことやらさっぱりですが、『宇宙怪獣ゾーン』(ビーグル号ですな)のカバー絵の方なんですね。この偕成社のシリーズはかなり持っていました。今はもうどこにあるやらですが。
ところでこの連載、どの辺までカバーするのかな。真鍋博も取り上げてもらえるのかな。

 




「薬でうつは治るのか?」  投稿者:管理人  投稿日:1018()224626

  引用

 

 

片田珠美『薬でうつは治るのか?』(新書y)チャチャヤン気分に掲載しました。

 




「銀の弦」(訂正)  投稿者:管理人  投稿日:1016()215830

  引用

 

 

チャチャヤン気分に掲載した「銀の弦」の感想ですが、明らかな誤認がありましたので訂正しました「銀の弦(訂正)」

「ソフトマシーン3」(70)を聴いている。
はじめて聴いたのですが、いいですねえ。こんなニュージャズっぽい音だとは思ってもみませんでした。

 




Jコレ雑感(2)と「せちやん」  投稿者:管理人  投稿日:1015()220719

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Jコレクションネタの続きですが……
まずJコレ執筆作家を実質的な現役SF作家とみなしましょう(Jコレには書いてませんが、同世代として瀬名秀明と川端裕人も加えておきます)。
彼らのうちで今年新作のSF(ラノベは含まない)を上梓したのは誰でしょう(今日現在)。
26名中なんとわずかに8名(川端裕人と小林泰三作品はSFかどうか不明ですがとりあえずカウントしました)だけなんです。
これは意外でした。

――  ――  ――

小川 一水  天涯の砦
石黒 達昌  冬至草
山本 弘    アイの物語   まだ見ぬ冬の悲しみも
藤崎 慎吾 レフト・アローン
牧野 修   月光とアムネジア
平谷 美樹  銀の弦

川端裕人   てのひらの中の宇宙(?)銀河のワールドカップ (?)
小林 泰三 脳髄工場(?)

林 譲治    (戦記小説あり)
浅暮 三文 (ミステリあり)
田中 啓文 (落語小説あり)
高野 史緒 (増補版「架空の王国」あり)

野尻 抱介     ナシ 
町井 登志夫   ナシ 
北野 勇作     ナシ 
仁木 稔       ナシ 
桐生 祐狩     ナシ 
坂本 康宏     ナシ 
森 奈津子     ナシ 
藤田 雅矢     ナシ 
深堀 骨       ナシ 
紺野 あきちか  ナシ 
恩田 陸       ナシ 
飛 浩隆       ナシ 
佐藤 哲也     ナシ 
瀬名秀明     ― ナシ 

――  ――  ――

ひょっとしてまた冬の時代が訪れつつあるのでしょうか?

川端裕人『せちやん』の感想をチャチャヤン気分に掲載しました。

 




Jコレ雑感  投稿者:管理人  投稿日:1015()133939

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なんとなく、AmazonSearch50.jpでJコレクションをリストアップしてみました。
Jコレクションは現在のところ30作品、マンガを除けば27作品(28冊)が上梓されています。ラインナップのうち私の読書状況は、既読19作品、途中で投げ出した(壁に叩きつけた)もの2作品(「からくりアンモラル」「小説探偵 GEDO」)、未読6作品(下記)となります。
  石黒 達昌 冬至草
  山本 弘 まだ見ぬ冬の悲しみも
  町井 登志夫 血液魚雷
  藤崎 慎吾 ハイドゥナン
  仁木 稔 グアルディア
  坂本 康宏 シン・マシン

このうち石黒作品は、「こんな感じの小説なら自分でも書けそうな」と書評者(プロパーSF読みとして信用している方です)にいわれる程度の、つまりSF的見地からは「ぬるい」作品なんでしょう。とすればわたし的には読む必要のないものとなります。
仁木、坂本作品はデビュー作で、突き放していうならば「海のものとも山のものとも分からない」作品といえます。30年前なら真っ先に読んでみんなに吹聴したものですが、もうそんな元気はありません。その後の活躍を見てから読んでも遅くないというスタンスなんですが、これが一向に第2作が出ない。古い話で恐縮ですが、山田正紀が登場したときは矢継ぎ早に新作がSFMに載ったものです。そういう意味ではSFM編集部自体が評価していないのかな、と。

話は飛びますが、Jコレ登場作家24名中、純粋にハヤカワ生え抜き作家といえるのは、上記2名のほかには、紺野あきちか、深堀骨、飛浩隆の計5名。深堀と飛はその後もSFMに掲載されていますが、残り3名はもはや見捨てられたのでしょうかね。作家にクリアする力がなかったのかもしれませんが、編集部もあまり育てるという意識は希薄なようですな。
まあこれは仕方がないのかもしれません。小さな会社では新人から育てていくのは負担であるらしく、私の知っている会社(大企業ですが関西に基盤がなく切り込み部隊的に設立された子会社)でも、新卒は一切採らず中途採用オンリーという会社があります。そっちの方が「効率的」なんだそうです。もっとも編集者が受け持った新人を一人前にしなくて何が編集者かとも思いますがね。

閑話休題、そういうわけで上記2作家の作品も緊急に読まねばならないものでもなさそうです。
結局残ったのは山本作品、町井作品、藤崎作品。
「血液魚雷」、どうなんでしょうか。粗筋を見るだに詰まらなそうな気がして仕方がないんですけど。

 




「空獏」  投稿者:管理人  投稿日:1015()003228

  引用

 

 

いやはや今日は畸人郷に行くつもりで夕方家を出たのでしたが、駅で電車待ちしていたら懇意にしていただいている方からケータイに架電あり、飯でもとのことでUターン。これは断われません(^^;
いや今日は行って聞きたい話がいっぱいあったんだけどな、致し方ありませんね。

北野勇作『空獏』(ハヤカワJコレクション、05)読了。
感想をチャチャヤン気分に掲載しました。

 




畸人郷  投稿者:管理人  投稿日:1014()164316

  引用

 

 

野暮用で呼び戻されちゃいました(ーー;

 




カネタタキ  投稿者:管理人  投稿日:1014()16054

  引用

 

 

下の記事を書いてから、どうも気になってしまい、ちょっと調べたんですが、どうやらチッチッチと鳴くのはカネタタキという虫のようです。カネタタキの声
ついでにマツムシの声
(どちらも虫の音WORLDより)

そうしますとカネタタキがいなくなってマツムシが現れたということになるのかな?
しかしインターネットは便利ですな。

北野勇作『空獏』読了。
いまから畸人郷へ向かいます(^^)。

 




マツムシ  投稿者:管理人  投稿日:1012()22105

  引用

 

 

マツムシが鳴きだしました。
いやもうずいぶん前から鳴いていたんですが、チッチリリ、チッチリリではなく、チッ、チッ、チッ、チ、という感じで、ほんとうにマツムシなんだろうか、とちょっと疑問を感じていたのでした。それが今日はちゃんとチッチリリ、チッチリリと鳴いているのです。あるいは成長してようやく正調(笑)で鳴けるようになったのかもしれません。
秋の虫の声は自然に聞こえてくるのが一番。なかでもマツムシの声が私は一等好きです。
もうかなり以前ですが、たまたまマツムシを捕まえたので、飼ったことがありました。エサが合わなかったのか全然食べず、数日で死なせてしまいました。もっと何日も鳴いたはずなのに殺したようなものです。それ以来虫を飼うのはやめてしまいました。虫の声は、どこからともなく聞こえてくるのを楽しむのがいいです。

 



Re: 思いあがりの夏  投稿者:管理人  投稿日:1010()234737

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柳生さん
眉村さんの講演会、楽しんで来られたようで何よりでした(^^)

>「思いあがりの夏」再読しました。今読んでも新鮮!
そうですね。「あの真珠色……」「ワルのり旅行」「思い上がりの夏」、この一連の作品集で眉村さんは私SFという方向性を確立したと思います。

>今読んでも新鮮
はそのとおりなんですが、年齢的な要素もあるかも(^^ゞ


平谷美樹『銀の弦』の感想をチャチャヤン気分に掲載しました。ドッペルゲンガーSFの傑作!

 




思いあがりの夏  投稿者:柳生真加  投稿日:1010()224811

  引用

 

 

こんばんは。
10月4日、神戸での眉村さんの講演会に行ってきました。学生時代、会社員をしながらの作家修行、それにペンネームの由来、新作についてまでテンポよくたっぷりと聞いてきました。
「新異世界分岐点」にサインをもらってきましたよ。
で、やっぱりこの中では「エイやん」が大好きなのですが、日常から奇妙な世界へシリーズとして「思いあがりの夏」再読しました。今読んでも新鮮!

http://6823.teacup.com/kumagoro/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fkazenotubasa.cocolog-nifty.com%2F

 




「銀の弦」  投稿者:管理人  投稿日:10 9()22316

  引用

 

 

平谷美樹『銀の弦』に着手したのですが、あっちゅー間に100ページ弱読んでいました!
もともとドッペルゲンガーものは大好物なんですが、いやそれにしてもこれは大傑作の予感が(^^)
……うーむ着手時期をあやまったかも。
というのは他でもありません。明日は連休明けでただでさえ仕事が溜まっている筈な上に、五十日(ごとび)という大阪独特の決済の商習慣の日なのです。
今日中に読みきれるかな。おれの速度では無理だろうな。
しかし、たとえ読みきれなくても、明日仕事場には絶対にもって行くまじ。と予めここに記しておきます。
でないと大変なことになってしまいそう(^^;。

 




「超能力訓練記」  投稿者:管理人  投稿日:10 9()161653

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昨日、『新・異世界分岐点』の前半三作品について、60年代を70年代後半の視点で振り返った作品を現時点から振り返る」と書きましたが、勇み足でした。

たしかに前2篇「血ィ、お呉れ」「夜風の記憶」はそのとおりですが、3つ目の「超能力訓練記」は明らかに違いますね。

「血ィ、お呉れ」では平野区という土地が旧世代と同一化されており、主人公(戦後の新しいライフスタイルの実践者)に対して有形無形の圧力を及ぼして来、それに対して主人公(夫婦)が必死に抵抗する姿が描かれています。まさに60年代真っ只中の話。
「夜風の記憶」では、その(60年代を通しての旧世代との)闘争に勝利した主人公が描かれ、自分たちの生き方はそれなりに正しかったと甘い追憶に浸っています。

で、「超能力訓練記」(元版『六枚の切符』講談社、78)が配置されます。
ここには60年代はすでに影も形もありません。60年代を勝ち抜き、70年代を謳歌した主人公が、その70年代の末に、立場が逆転したことに気づく話です。ここでは主人公の世代自体が「旧世代」となりつつある危機感が描かれています。おそらく「夜風の記憶」とほぼ同時期、でありましょう。勝利の甘い追憶に浸っているということ自体、すでに後ろから新世代が迫ってきている証左なのです。

その意味で、この三作品は、戦後の共働き、企業戦士(すなわち新中間層)といった新しいライフスタイルの発生から終焉までを点描しているわけです。

 




「それはビートルズから始まった!」  投稿者:管理人  投稿日:10 8()125030

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GYAOで「それはビートルズから始まった!」を見ました。私は初見でしたがこれはよかった。

74年に制作されたドキュメンタリーで、あのツイギーやアメリカン・グラフィティのスザンヌ・ソマーズ、PPMのマリー・トラヴァーズらのナビゲートによりポップ音楽シーンから振り返った60年代回顧録なのですが、それを現時点から振り返れたというのが面白かった。
ちょうど『新・異世界分岐点』の前半三作品と同じ楽しみ方(60年代を70年代後半の視点で振り返った作品を現時点から振り返る)をすることができたといえます。
マリー・トラヴァーズって写真でみるより生で見るほうがずっとよかった(^^; いっぽうグレース・スリックは生はいまいち(>オレ比)
そんなことよりゴールドウォーター、JFK、ジョンソン、ニクソンのみならずハンフリーやマッカーシー、ウォーレスアラバマ州知事、キング牧師の映像も挿入されていてこの辺は70年代からの回顧ならでは。
製作者には「自明」であったに違いない「視点」のポジショニングが、現時点から見るととても新鮮です。

ネットを徘徊するに、ガンの「アメリカ国民の皆さん」に対して背景がよく分からないという感想を散見したが、これを見たら多少は参考になるかもです。

 ギャオ

 




12月もイベントがいっぱい  投稿者:管理人  投稿日:10 7()012021

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某筋より指令が下りましたのでお知らせします!
立命館大学ミステリ研究会主催の関西ミステリ連合冬の総会が、下記の次第で開催されるそうです。

    ―― 記 ――

 関西ミステリ連合冬の総会

  主催:立命館大学ミステリ研究会
  日時:2006年12月3日(日)

  ゲスト講師:戸川安宣氏

  会場:立命館大学衣笠キャンパス 以学館1号ホール
  入場料:未定
  プログラム:未定
  ・企画、オークション等検討中。
  ・詳細な新情報はhttp://members.freespace.jp/ritsmc/index.htmlを参照して下さい。


今回は戸川安宣氏をゲスト講師として迎え、関ミス連25周年ということで企画やオークションなど色々と力を入れて準備を進めている由。これはミステリマニアには堪えられないイベントですねえ(^^)
細目はおいおい決まっていくと思われますので、興味のある方は、上記リンクの立命館大ミス研のHPを定期的にチェックされることをお勧めします。

以上、関ミス連冬の総会のお知らせでした。

 




「天涯の砦」  投稿者:管理人  投稿日:10 5()214523

  引用

 

 

の感想をチャチャヤン気分に掲載しました。

 




10月はイベント目白押し(その2)  投稿者:管理人  投稿日:10 4()20272

  引用  編集済

 

 

16回 なぞがたりなばり・綾辻行人講演会

 江戸川乱歩生誕の地、名張市では地域の資源を活かしたふるさと振興事業として、社団法人日本推理作家協会の協力のもと、著名作家によるミステリ講演会を開催してきました。第16回を迎える今年は、昨年に引き続き「新本格」の旗手、綾辻行人さんをお招きして開催します。
 少年に「異形なる様々なもの」への強い想いを呼び覚ました乱歩作品の数々・・・あこがれつづけた乱歩への想いを語っていただきます。

 平成18年10月28日(土)
  13:00 開場
  13:30 開演(講演、質疑応答)
  15:30 終演予定
  15:45 サイン会
  16:15 終了予定

 会場
  名張市武道交流館いきいき 1階多目的ホール
  名張市蔵持町里2928
  電話:0595-62-4141

 定員 200名
  (定員になり次第申込を締め切りますが、定員に余裕がある場合は当日券を会場で販売します。)
 参加料 1000円(18歳以下500円)

 詳しくはこちら

去年は有栖川さんで今年は綾辻さんですか。しかし土曜日ですか・・。うーむ、私はちょっと聴講は難しいかも。

 




10月はイベント目白押し  投稿者:管理人  投稿日:10 4()001146

  引用

 

 

岩橋さん関係のイベントを紹介しておきます(適当にコピペ)。

【映画+演劇 異次元への誘い】

  『アカシック・レコード』監督:西尾孔志(25分) 出演:渡辺大介
   香港で上映された西尾監督の最新作
         +
  オリゴ党『ザクレロの鎌』出演:渡辺大介、有馬ハル、岩橋貞典
   オリゴ党の傑作を再演!コタツ不条理SF演劇!

  10月21(土)22(日)夜7時開始
  ¥1500(1ドリンク付)
  場所は心斎橋アメリカ村にできたイベントカフェURASIO(アメ村三角公園横のコンビニAMPMの2階)
  初日は中原昌也さんが来ます〜


『ガンダム講談会』

  10月16日(月)
  場所:トリイホール(大阪市中央区千日前1−7−11上方ビル4F)
  時間:18:30会場 19:00開演
  料金:前売り2000円 当日2500円

  なにをするかというと、講談師・旭堂南半球先生が、地球で初のガンダム講談をします
   つうか、これまであちこちでちょくちょくやってたものを、ここで一気に集大成して、世に問う!
   イワハシは舞台監督と、あといろいろとちょこちょこ出たりなんだり悪の限りを尽くします

ガンダムには興味も知識もないのですが、コタツ不条理SF演劇は見てみたいなあ(>無理っぽいですが)。
興味がある方はぜひぜひ。

 




ネオン太平記  投稿者:管理人  投稿日:10 1()154624

  引用  編集済

 

 

堀さん

フロリダはその後洋酒喫茶になり、執筆当時(79年ごろ?)にはまた取り壊されて板囲いになっているとの記述(72p)ですから、単独の建物だったみたいですね。千日デパートと大劇のあいだ辺りのゴチャゴチャした建物のひとつだったんでしょうか。
キャバレーユメノクニは、やはり大阪歌舞伎座の5階にあったようです(*)。

太平洋戦争敗戦後の1945年10月、6階のスケート場等が占領軍向けの特殊慰安所(キャバレー)に改装され、それが朝鮮戦争(1950)で閉鎖となったとき、1階下の大食堂が改装されたものとか(千日デパートに改装の際、隣のアシベ劇場<元芦邊倶楽部・現アムザ>に移転)。

一方大劇サロンですが、同じく1950年に大劇地下に出来ていて、こちらがアルサロ第1号という説があるようですね。(ウィキペディアのここ他による)
「ネオン太平記」というのは、堀さんの投稿ではじめて知りました。織田作とネオン太平記(どうでもいいですが、「オカマホステス役の渥美清」というのはいかにもハマリ役めいていて目に浮かぶようですね(^^;)

 (*)しかしキャバレーと歌舞伎が同居していたなんて、重要無形文化財に祭り上げられ過保護化された現在の歌舞伎の状況からは想像も出来ませんね。国立劇場にキャバレーが併設されているわけですから。……と思ったのですが、考えてみればキャバレーの初期は「大人の社交場」という感じで、今のキャバクラのイメージとは全然違うのかもしれませんが……それにしてもたとえ新地の最高級のクラブが国立劇場に入居したとしても、やっぱり違和感がありますわな。→ 画像は千日前通り対岸から撮った楽天地と芦邊倶楽部 http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Sennichimae_Osaka_ca1916.JPG

 




Re:推理「もとは劇場だった建物」  投稿者:堀 晃  投稿日:10 1()084242

  引用

 

 

「夜風の記憶」……「エイやん」の距離的調査に引き続き、今度は時間的検証ですね。
ぼくも「もとは劇場だった建物」が千日テパートの「残骸」であることは間違いないと思います。
ただ、その近くに「フロリダ」かそのモデルになるようなアルサロがあったかどうか、これはさすがにわからないですね。
当時だと「大劇サロン」が有名ですが(「ネオン太平記」の冒頭で客として米朝師匠と小松さんが登場する)、「中規模のアルサロ」ではないし。
それに、「幽霊ビル」と呼ばれていた時期の千日デパート跡地がどんな外観だったか、意外に記憶にないでいね。単に塀囲いしてあっただけからか、印象が薄い。
千日デパートの火災はよく覚えております。
この日は土曜で、当時本町に勤務してましたから、午後、天王寺方面から古本屋を色々回って北上、夕方千日デパートに寄っております。ここの2階に古書コーナーがあったのです。
その後、大劇シネマで映画を見るか迷ったあげく、買った本を読みたいので、まっすぐ寮に帰りました。映画を見ていたら、終わったころに現場が大騒ぎだったかも。
キタの太融寺も死体安置所となり、歌之助さんの独演会が中止になったのは有名な話。歌やんと出会う10年前のことでした。
眉村さんの作品、色んなことを思い出させてくれますねえ。

 


 

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