「<物質生成の場>の秘密」を読む。
本書収録作品はすべて50年から51年にかけてスタートリング誌に掲載されたものだそうですが、この短編企画が二年強で打ち切られたのも肯なるかな、という感じですな。
とはいえ本篇でも「若気の至り」をフォローするものとしての年配者の存在意義が語られており、以前の脳天気なスペオペから脱却しようという意志は感じられます。むしろこの7作での試行錯誤の結果、「向こうはどんなところだい?」(52)でニュー・ハミルトンが誕生する。打ち切りから僅か1年半後のことです。
そのような意味で本書はオールドハミルトンがニューハミルトンへと移行する過渡期的作品群といえるかもしれません。
本書にはあとコラム集「フューチャーメンとその仲間たち」が残っていますが、これはまあいいでしょう。
ということで、エドモンド・ハミルトン『鉄の神経お許しを 他全短編』野田昌弘他訳(創元文庫、07)の読み終りとします。
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