島田 いわば純文学の金科玉条がまかり通っていた時代でもあったんだよね。星新一さんなんて、子どものころに読んでいるから、パーティで隣になったりすると、おおっと思うわけじゃない。星新一が横にいるよって。緊張しながら挨拶すると、延々と純文学への恨みつらみを語られたからね。SFやミステリーは長らく一段下に見られていた。
山田 私もいきつけのバーで、しょっ中お会いしていたので、製薬会社を築き上げた御父様のことを書かれた『人民は弱し、官吏は強し』が好きですと言ったら「君、どうしてそんなの? 珍しいね」って凄く喜ばれて(……)
山田詠美・島田雅彦「対話 鎮魂と教育」(新潮4月号)より
SFの自虐かも(ーー;
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