「太陽からの知らせ」を読み始めたところなんですが、これ以上は望めない完全無欠のバラードワールドでびっくりするやらうれしいやら! 今頃になってまたこのようななつかしいランズケープがのぞめるなんて、いや眼福眼福(^^)。 ところで巻頭、パラボラ集光器によって主人公が「自分自身が空に舞い上がり、白いジャケットを伸ばした袖が奇形の鳥の翼のようにたなびく姿」を見るシーンが出てくるんですが、私は一読これはあれだな、と思いました。 あれとは、近頃またニュースを賑わせているロマン・ポランスキーの学生時代のシュルレアリズム映画「タンスと二人の男」です。この映画、タンスの鏡に魚を乗せる場面があるのです。一瞬あたかも魚が空を飛んでいるように見える美しいシーンなんですが、本は読まないけど映画は観るよ、とどこかで語っていたバラードがこの有名な前衛映画を観ていないはずがなく、おそらく上記の場面はそのオマージュだろう。 また打ち捨てられ廃墟と化した黄昏のヴェガスの路上で、「遁走」という時間が固まる奇病で佇立したまま凝固し長い影を曳く人びとの姿は、さながらキリコの描く黄昏のイタリア広場にたたずむマヌカンを髣髴とさせられます。
もしやと思って検索したら、ありました。なんでもあるなあ、youtube(^^) 2-1↓
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