めずらしく労働をしました。筋肉痛。腕がブルブル震えて原稿用紙に字が書けない。と、ふた昔前なら言うところですが、今はキイボードを叩くだけなので問題なし(^^;。しかし、私が労働するときにかぎって、なぜに嵐なのか。びしょ濡れになりましたがな。そういえば先回はカンカン照りで熱中症になりかけたのだった。これはもう歳なのだからあんまり無理するなという、神のサインなのか。しかし悲しいかなたった一人の極微企業、自分がやらねば誰がやる、なんですよねえ。マイッタマイッタ。
渡辺温『アンドロギュノスの裔』に着手。文庫なのにずいぶん重い。重いはずです。なんと630頁もある。腕がブルブル震えている身にはキビシイのでした。60頁まで。 「影 Ein Märchen」「少女」は、共に10頁程度、20枚に満たない掌篇。うーん、こういうのを読むと、また書きたくなってくるんですよねえ。私の創作の理想はこのような作品。ところがこのような作品は、実は私の資質からは最も遠いのでした。それに気づくのに20年近くかかったわけですが。哀号(ーー;。
「象牙の牌」は、「ウィアードテールズ」に載っていてもおかしくない、クラーク・アシュトン・スミスばりの小説。ところが、最後で無理やり探偵小説の型に押し込めてしまい、「新青年」向きの小説になってしまいました(初出は「雄辯」=講談倶楽部の前身?)。もっとも謎明かしでメタを導入しているのはなかなか捨てがたい。
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せっかくですから、ギャラリー・オキュルスの渡辺温オマージュ展《アンドロギュノスの裔》に、もう一度リンクしておきます。
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