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管理人さん、ありがとうございました。
あの朝日新聞に縮小する出版界という記事が何日か前に載っていましたね。
文芸書などでとてもシノギにならないのでは?というのが現実なのかもしれません。かつては活字文化華やかで、ユーミンの歌にも『文庫本を開いて」なんていうフレーズが出来ましたが、かつては電車の中でも若い人たちも文庫本を開いて読んでいるのが普通の光景でしたが、今は文庫本ではなくスマホですね。若くないわたしもそうですが・・・。
文庫本及び活字文化復活祈願文学(オハナシ)
純正ドイツ文学「学童舎弟」
北関東のスーパースター、「路傍のストーン」で有名な山本Uゾウという文豪は本郷の独文科出身で、本郷独文科の舎弟に高橋健二、中野幸次がいる。あの時代は本が売れた。その本が売れた時代、活字文化華やかりしころというと、高橋健二訳によるへルマンヘッセのデミアンが「普遍的に」読まれていたそうです。
ヘルマンヘッセの長編小説「デミアン」は、かつては有名だったが今は知っている人などほとんどいなくなった。今の感覚では「いかにもお堅いドイツ文学」といった感じのデミアンだが、冒頭に「二つの世界」とかいう章がある。どういう世界かというと、一つは模範的なよい子の世界で聖書を読み正しく教育的な雰囲気に包まれた主人公「脳村尿夫」が属している世界だ。(脳村尿夫なんてドイツ文学なのに名前が日本人っぽい)この主人公脳村尿夫は良家に育った模範的なよい子なのである。そんな脳村少年は十歳を少し過ぎた頃、もう一つの世界の存在を知った。それは市場の女や盛り場の女給、飲んだ暮れの人夫たちのいる世界、いわば世俗の世界だ。もちろんこの世俗の世界に属している少年たちもいる。
スケベで女のケツの話や「チン○コ擦り」などの話をしている悪ガキどもだ。主人公脳村がこういう悪ガキの世界に身をおくと、この悪ガキの世界では泥棒や万引き、大人を困らせるイタズラなどがスキルとして尊敬されることを知った。そういうスキルが何もなかった脳村少年は悪ガキどものなかでハッタリをかました。「ボクはJR総武線本八幡駅前にあるエビス卸売りセンターで激安で売られていた賞味期限切れの荒挽きソーセージを一箱かっぱらってきたんだ。」もちろんこれは嘘だ。ドイツ文学なのにどうしてJR総武線が出てくるのかというのが嘘なのではなく主人公脳村は万引きなどする度胸のない気弱なよい子なのだがしかし見栄を張ってソーセージ一箱を万引きしたというのが本章で重要な嘘なのである。
しかしそれを聞いた悪ガキのリーダー格の糞山吐瀉彦はふふーんとおもった。この脳村が見栄張って嘘を知っていると見抜いたのである。
「そうか、お前だったのか、脳村。」
「何が?」
「オレはなあ、あの本八幡駅前にあるエビス卸売りセンターで賞味期限切れのソーセージとか売っているピンクレディのケィ似のねーちゃんに言われたんだ。ソーセージ箱ごともっていくガキの泥棒がいるってその泥棒誰だか教えてくれたら五十円やるっていわれたんだよ。」
と糞山は脳村に脅しを掛けたのである。これに脳村はびびった。そして
「…糞山くん、五十円上げるからだまっていてくれよ。」
といってしまったのである。がその後糞山の脳村への要求はエスカレートしていった。脳村少年は食欲がなくなり、たべても戻してしまった。そして糞山はわざと脳村少年の家の前で口笛を吹いて脅しを掛け続けた。脳村少年はあらためてあの糞山などがいる世俗の世界に足を踏み込んだことを後悔した。糞山は仕立て屋の息子で、糞山のところは一家で評判の悪かったのだ。
がそんな脳村少年に救世主が現れる。長身で大人びた少年豚川腎介だ。豚川少年は脳村少年が糞山に追い込みを掛けられてカツアゲされているのを見抜いた。そして脳村少年に話しかけた。脳村少年はすべてを打ち明けなかったが、糞山がどういうことをして脳村に脅しを掛けているのかがわかった。そして豚川少年は糞山にこうった。
「おんどれ、こちとらの舎弟にカツアゲしおってどう落とし前つけるつもりだ。おい、本八幡駅前のピンクレディのケィ似のH田さんていうねーちゃんにきいてみたけど、荒挽きソーセージ一箱盗まれたなんていうことはなかったって言っていたなあ。おい、うそ語ってこちとらの舎弟脳村に追い込みかけて、どう落とし前つけるつもりじゃ、おんどれ。」
「…いや、その、それは何かの間違いで...。」
と糞山
「こんがきゃナメさらすんじゃねーぞ、本腰あげて追い込みかけてしのぎにするぞっ、それともそんなに慣れ親しい間からか、だったらこちとらの振る出した約束手形に裏書保証してもらおうか。」
こうして糞山は脳村少年に詫びを入れて巻き上げた金品を返却したという話だ。
もちろんこのデミアンはドイツ文学なのに何故か日本の千葉県市川市八幡界隈が舞台になっている。それはドイツ文学者中野幸次が千葉県市川市国府台出身で京成電鉄国府台駅下車であるからだろう。
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眉村さん情報:日経新聞連載
投稿者:管理人 投稿日:2014年 6月30日(月)21時52分39秒ということで本題。日本経済新聞夕刊に、7月4日(金)から週一連載で、眉村さんのエッセイが掲載されるそうです。あ、今週ではありませんか。
掲載されるのは「あすへの話題」というコーナーで、「各界の著名人たちが、思い思いのテーマで熱く語る」コーナーとのこと(下画像参照)。これは楽しみ。みなさん、ご期待ください(^^)
私も忘れないようにしなければ。というのは他でもありません。いま確認したところ、電子版は「有料会員」でなければ閲覧できないみたいなのです。
私は日経を購読していないので、販売店で購入しなければなりません(コンビニは夕刊を取り扱っておりませんのでご注意)。
ところがどうも当市には日経の販売店がないらしい(何たる田舎。隣市にはある)。そのかわりASAで取り扱っていることがわかったのですが、ASAでも日経を余分に置いているものでしょうか。ちょっと心配。予め確認しておいたほうが無難かも。