ヘリコニア過去ログ1409


「昔、火星のあった場所」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月30日(火)21時07分55秒
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《雨のしょぼしょぼ降る晩に、豆狸(狸の幼生ユニットのことらしい)が徳利をもって酒を買いに来たなどという伝説が残っているくらいだ》(102p)

北野勇作『昔、火星のあった場所』(新潮社、92)読了。
 承前
 ああ面白かった。後半100頁を一気。
 ラストで、ごちゃっと確率的に融合していた世界は、観測され(?)確定されて元(?)に戻るのですが、基本本篇は確率的にしか存在しない世界の描写であります。
 したがっていわゆるストーリーは貫かれず(なぜなら因果律が無効化している)、一般的な読書において読み手を助ける「慣性」が働かないため、一気読みすればよかったのかも分かりませんが、読むのを休憩すると次に再開したとき、あれ、ここはどこ? と戸惑ってしまいがちになるのでした(^^;
 たとえば103頁、「なにがなんだか、よくわからないよ」で、一旦休憩し、二日後に続きの「雑誌『遺跡発掘』は、着実に部数を伸ばしていた」を目にして、あれれいつそんな雑誌ができたの?、と十数頁元に戻って読み返してしまいました(^^;
 かくのごとく、本篇においては因果的な慣性が無効化されています。何もかも確定していない世界を描写するのですから、これで当然なのです。最初は戸惑いましたが、ある程度全体像がわかってきますと、これがなんとも言えぬ快感になってきました。この一種眩暈に似た感じは、或る意味フリージャズが感じさせてくれるふわっと浮き上がる感じと(わたし的には)大変よく似ており、よい感じでした(^^;。
 ラストで、この世界の謎解きがなされ、「ぼく」や「鬼」や「彼女」の「位置」が確定し、(承前での解釈とは違って)客観的な火星や地球は関係ない「系」での出来事であることが明らかになります。たぶん。
 かくして「ぼく」は、「門」から脱出し得たんでしょうか。空には火星が元の場所でかがやいていますが……わかりません。
 わかりませんが、とても奇妙な世界で、堪能しました。
 
 

新弟子の光と影

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月29日(月)20時59分45秒
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  > No.5848[元記事へ]

高井さん
 体が大きいだけに、怪我には気をつけてほしいですね。
 把瑠都も琴欧洲も結局怪我で大望を果たせませんでした。


 さてさて、逸ノ城はたいへん明るい話題ですが、そういえば、こんな記事を見つけました。
          ↓
 元記事

 将来を嘱望される大器だったようで、記事はなくなっていましたが、毎日や読売にも痕跡が残っていました。
 へえ、そんな大器なら、いまどんな四股名でどの辺の地位にいるのかな、と興味を覚え、調べてみました。
    ↓
 元記事

 うむ。上の記事の前相撲で、二番出世で勝ち抜けたようです。
 ところが。
 元記事

 なんと、せっかく上がった序の口で全休。結局二場所で廃業(?)してしまったみたいですね。
 しかし理由とかその後については、ネットには何も上がっていません。
 怪我してしまったんでしょうか。稽古が辛くて逃げ出した?
 このへん、知りたいですねえ。
 というか、この力士のその後こそ、文学の領域なんですよね。
 だれか想像力と共感力を駆使して書いてほしいなあ(決して自分が書くとは云わない)(^^;
 

Re: 大関飛び級

 投稿者:高井 信  投稿日:2014年 9月29日(月)11時13分23秒
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  > No.5847[元記事へ]

>  そうか。来場所は小結なんですね(初日が横綱戦?)。たのしみですねえ(^^)
 小結というのは私の予想です。新聞の予想番付には関脇となっていました。確かに、充分にありえますね。関脇だろうと小結だろうと、楽しみ。まあ、今場所のようにはいかないと思いますけれど。
 

Re: 大関飛び級

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月28日(日)22時29分19秒
返信・引用 編集済
  > No.5846[元記事へ]

 そうか。来場所は小結なんですね(初日が横綱戦?)。たのしみですねえ(^^)
 ここのところ、有望な若手がぞろぞろと出てきましたね。また勢や碧山が力をつけ、(実力通りしか力が出なかった)宝富士が一皮むけそうで、世代交代が一気に進行しそうです。面白くなってきました。

*下の「雨を見たかい」MIDI、ちょっとひどいのでベースを修正しました(汗)→MIDI
 

Re: 大関飛び級

 投稿者:高井 信  投稿日:2014年 9月28日(日)21時50分54秒
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  > No.5845[元記事へ]

>  逸ノ城、残念でした。決定戦になったらわからんぞ、と思っていたのでしたが、鶴竜がふがいなかった。
 めっちゃ同感!
>  私は、まあとらぬ狸になりましたが、二場所連続優勝したら史上初めて大関飛び級で横綱なのかな、と空想したのでしたが、調べたら「大関で二場所連続優勝」という内規でした(^^;
 私は、来場所(小結?)でも13勝以上だったら、内規(というか最近の慣例。3場所連続で三役、その合計勝利数が33勝以上)を無視して大関推挙でもいいのでは、と思っています。
 ともあれ、ものすごく楽しい場所でした。逸ノ城の功績、超特大。
 

大関飛び級

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月28日(日)21時04分41秒
返信・引用 編集済
   逸ノ城、残念でした。決定戦になったらわからんぞ、と思っていたのでしたが、鶴竜がふがいなかった。
 私は、まあとらぬ狸になりましたが、二場所連続優勝したら史上初めて大関飛び級で横綱なのかな、と空想したのでしたが、調べたら「大関で二場所連続優勝」という内規でした(^^;

 ところで、今年は、酷暑はあいかわらず酷暑でしたけれど、去年のような猛烈な残暑がありませんね。
 そういえば去年、北極の氷が増えて寒冷化にターンしたという記事がありました(たとえばこの記事)。続報は全然見当たらないのがアレですが、しかし今の時期、列島を直撃するコースが常の台風が、太平洋上に居るというのは、大陸高気圧が優勢だからでしょう。やはり寒冷化に転じたのでしょうか。一回で判断するな。はいそうですね(^^;

 趣味にかまけてたまった仕事を、久々に日曜返上してようやく片付けました(もとい、目鼻がついた)。これで趣味に戻れるぞ(>おい)(^^;。
 ということで、暫く中断していた『昔、火星のあった場所』に復帰します。
 ←右手ピアノは難波弘之

 追記。いま気づいたが、竹内まりやは山尾悠子より5日だけ先輩なんですね。

 

Re: 冊子御礼

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月27日(土)22時45分58秒
返信・引用 編集済
  > No.5842[元記事へ]

かんべさん
 あ、押し付けがましくて申し訳ありません。是非とも読んでいただきたくてお送りしました。きっと楽しんでいただけると確信しております。

>勉強させていただきます(いろんな意味で……)
 うーん??? どういう意味でしょうか(汗)

 

Re: 竹内まりや

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月27日(土)22時41分20秒
返信・引用 編集済
  > No.5841[元記事へ]

トマトさん
>CCRっていうと、Have you seen the rainとProud Mary思い出しますねー
 CCRはこの二曲につきますね。「雨を見たかい」は、まさに私が高1のときリアルタイムでヒットしていた曲で、なおさら愛着があります。眉村さんのチャチャヤングでもしばしばかかっていました。→MIDI(MIDIコンバーターをさわり始めた、まだ馴れてない時のものなので、いささか稚拙ですが)←後記:ベース修正しました。

>「青い瞳のステラ」
 ステラは女名ですから、女なんでしょうね。しかし「もう一度船に乗る夢ばかり」で引っかかるのです。船員なら男だろうと。
 

冊子御礼

 投稿者:かんべむさし  投稿日:2014年 9月27日(土)19時07分43秒
返信・引用
  チャチャヤン・ショートショート・マガジンを、お送りいただき、
ありがとうございました。勉強させていただきます(いろんな意味で……)
ともあれ、とりいそぎ御礼まで。
 

Re: 竹内まりや

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月27日(土)17時27分42秒
返信・引用
  > No.5838[元記事へ]

CCRっていうと、Have you seen the rainとProud Mary思い出しますねー。

 Have you seen rain?はいろんなミュージシャンがカヴァーしていますね。私が高校時代、受験勉強していた近所の図書館の近くに進駐軍時代から伝わる伝説の店があって、ホームシックになった進駐軍が、近くのチャーチでアミュージングイス歌ったあとにこの店に立ち寄っては懐かしのマイホームタウンの話をしみじみと聞かせた・・・というレジェントの店でした。(懐かしのマイホームタウンって確かコロラド州デンバーだったような?)私はこの店でThe EaglesのTake it easy聴いたのが高校二年から三年になる春休みのことでした。それまでは受験生御用達ラ講のテーマソングであるブラームス大学祝典序曲だったりして・・・(笑)しかしカントリーロックというと、ザ バーズ、ニッティグリッティダートパンド、フライングバリッドブラザーズ、ポコなんかありました。

「青い瞳のステラ」のステラ、おじさんなのかおばさんなのか、三十ぐらいの女性なのか?謎です。「フェンスの向こうのアメリカ」も聞きまくりました。(五十円で中古シングル版買って・・・)この歌の舞台になったのは横浜の本牧というエリアで、このエリ80年代初めまで米軍住宅があり、高いフェンスがあって一般人は入れなかったそうです。今はマイカルなんかの商業施設がありますが・・・。

http://porcini.web.fc2.com/nekocat000.html

 

眉村さん情報:日経連載第13回

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月27日(土)16時54分12秒
返信・引用 編集済
   眉村卓さんの日経新聞連載エッセイの第13回「観客化・見物人化」が、昨日(9/26)の夕刊に掲載されました。

 クリックで全文
<以下、思いつき>
 これって、世界の擬似イベント化と並行現象ではないでしょうか。筒井さんは「48億の妄想」や「東海道戦争」で、演出する/演技する当事者側は描きましたが、それを見物している観客(中さんの所謂お物見衆)は描かなかったんじゃないでしょうか。それとも描いていたのかな。もうこれらの作品の記憶はほぼ薄れているのでアレなんですが、それは描いてなかったような。
 眉村さんの近作、たとえば「ペケ投げ」の主人公は、世界に主体的に関わることを拒否していて、その文脈に乗せれば、筒井さんが書かなかった部分を補完しているといえるのでは?
 

鶴竜撃破

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月26日(金)22時36分21秒
返信・引用 編集済
   いやアッパレ。今日の変化は、明日の白鵬戦への布石と見た。明日、白鵬は逸ノ城の変化があることを想定しての立ち会いとならざるを得ません。その分、無意識に様子見な立会となるはず。
 しかも逸ノ城、勝利インタビューで二の矢を放っている。「もう最初から決めていたんで(……)思い切りやろうと思って」。そして「明日は思い切りやります」。白鵬にしたら「何を思い切りやる気や。突っ込むんか。変わるんか」と疑心暗鬼になってもおかしくない。ひょっとしたら白鵬、考えすぎて稀勢の里みたいな待ったをするかもわかりませんぞ。
 若いのに老獪ではありませんか。騎馬民族の血でしょうか。事実逸ノ城は、モンゴルでも少なくなった遊牧民出身なのです(鶴竜によればアルハンガイ県というのはど田舎もど田舎らしい)。現在のモンゴル人力士たちでも遊牧民出身は逸ノ城が初めてなんですって。したがって明日はモンゴル都市出身者vsモンゴル遊牧民という構図でもあるわけです。
 いやー楽しみ楽しみ(^^;
 →元ツイート
 

Re: 竹内まりや

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月26日(金)13時51分16秒
返信・引用
  > No.5837[元記事へ]

トマトさん
>往年の名バンド、ジ イーグルスっぽい
 なるほど。イーグルスも基本はカントリー・ミュージックですからね。take it easyなんか、CCRの cottonfieldsと、たまにどっちがどっちだったかこんがらがってしまいます(^^;。ちなみに中島みゆきの「流浪の詩」もサビの部分似ていますね。

>柳ジョージ的ローカル神奈川県というかU S NAVY ホームシックなサウザナー
 それで思い出しましたが、「青い瞳のステラ」で鎮魂される「あんた」ですが、男なんでしょうか、女なんでしょうか。ずっと考えているのですが、いまだに結論が出せません(^^ゞ

>竹下さんとおなじ島根県ご出身なんですね。
 竹下さん? 誰? ひょっとして登さんですか?(大笑)(^^;
 せめて田中美佐子さんと較べてあげて下さい!(隠岐島ですけど)

 →元ツイート
 

竹内まりや

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月26日(金)07時51分21秒
返信・引用
  竹内マリアの新曲、いいですね・・・個人的には往年の名バンド、ジ イーグルスっぽい。
 横須賀の米空母甲板上生演奏のThe EaglesのDesperado(ならず者)を思い出しました。ドンヘンリーソックリのしわがれた声で・・・。どこか米兵たちの郷愁漂う横須賀界隈・・・。

竹内マリアというとセプテンバー、不思議なピーチパイ、元気を出して・・・などのいかにも青学上智と並ぶ東急文化のメッカ三田(慶応)英文科っ!ていう印象ですが、この新曲は柳ジョージ的ローカル神奈川県というかU S NAVY ホームシックなサウザナー(南部出身者)の雰囲気ですね。

しかし容姿という点からすると竹内マリアも化粧が厚くなって体脂肪率もアップ、わたしはセプテンバーやピーチパイ時代の太い眉と目がパッチリのイメージしかなかったので、「これがあの竹内マリア?」とびっくりしました。
 そういえば昨日TVで久しぶりで宮沢りえみましたが、劣化して別人かと思いました。

私は竹内マリアってあまりにも東急文化的なので東急沿線の財界人の家庭出身・・・塾女(慶応女子中高)→三田英文だと思ったら、竹下さんとおなじ島根県ご出身なんですね。

 

http://porcini.web.fc2.com/nekocat000.html

 

「昔、火星のあった場所」に着手

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月26日(金)01時26分27秒
返信・引用 編集済
   いやー逸ノ城、強いですねえ。豪栄道を軽々と投げ捨てちゃいました。
 この怪物ぶりの前では、先場所までホープだった大砂嵐も遠藤も、完全にかすんでしまいました。なんたって面構えがよいではありませんか。まさにモンゴル顔(>おい)(^^;。
 チンギスハンてこんな顔だったんじゃないかなあ。と思ってググってみましたが、あれれ、チンギスハンて意外に優しい顔なんですね。
 あ、フビライのほうが似てるかも(^^;↓
            

 明日の鶴竜戦が楽しみ! 力勝負になったら一瞬でふっとばされてしまうのでは、と予想します。こういう剛者には、案外鶴竜のような柔者の技が有効かもしれないのですが、しかし今場所は技も冴えていませんからねえ。

 積読消化で、『昔、火星のあった場所』に着手。80頁まで。設定が頭に入らないと前に進めない性格ゆえ、主人公が「居る場所」は、どう解釈すればいいんだろう、と、頭をひねります。
 豊竹屋じゃありませんが、火星のようで火星でない。地球のようで地球でない。それは何処かと尋ねたら――(笑)
 火星が「門」にひきずりこまれたとき、地球も引きずり込まれたんじゃないでしょうか(繋がってるんだから当然そうなる)。で、ごちゃっと合体してしまった。そのごちゃは、量子力学的に重ねあわせになった状態で、したがって確率的に火星(要素)が現れたり地球(要素)が現れたりするのだろうと解釈しました。違うかもしれませんが、とりあえずその理解で、続きを読むことにします。

 ところで、ここまでのところ、作品の雰囲気が「S・カルマ氏」と、どことなく共通するところがあるように感じられます。それはどちらもタヌキが出てくるからかもしれません。そしてどちらも本物の狸ではない。その比較も頭の片隅において読みたい。いや面白いですねえ。
 

Re: (無題)

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月24日(水)22時29分35秒
返信・引用 編集済
  トマトさん

>Kaori September
 セプテンバーといえば、ただちに竹内まりやのセプテンバーが想起されますね。その竹内まりやの新曲「静かなレジェンド」は、トマトさん、もう聴かれましたか?
 フォーク調のなかなかの佳曲で、最近はふと気がつくと脳内で鳴っていたりするんですが、ただ竹内まりやとこの曲は水と油みたいに感じられるんですよね。
 これってあんたが歌う(べき)歌かい? と思ってしまうのです。
 詞も曲も、詞の生きざまみたいな内容も、曲のカントリーフォーク調も、土臭さがベースにあり、それと竹内まりやという存在は対極的な感じがしてしまいます。そもそもポップではありませんよね。むしろ吉田拓郎が歌ってしかるべきイメージです。なんたってそもそも慶応の学園祭のロッククイーンみたいなポジションからデビューして、私のイメージはシティ派のお嬢さん歌手です。血と汗と涙みたいなのとは無縁な印象が強いです。それがとつぜん、♪語ってくれ彼の生きざまを、ですからねえ。すごく落差を感じてしまいます。でもいい曲です(^^;

 フルバージョン


 

(無題)

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月24日(水)19時03分6秒
返信・引用 編集済
  管理人さん、製本&発送、お疲れ様です。
追加注文あって増刷ですね。
貴社ますます御清栄のこととお喜び申し上げます状態ですね。


それでまたああ、お話すを作ってしまいました。



Kaori September
香織ちゃんの居た季節


 ウチの隣は戸舞さんという独文学者だった。東京大学(いわゆる天下の東大のこと)文学部を出てここ黒磯日光大学の教授をしていた。細身細面で鼻筋の通った端正顔、メガネを掛けた厳つい表情…いかにも「独文学者」という風体のオッサンだ。
 そんな隣のオッサンは平日昼間でも家に居ることが多く、独文学者らしく年中と鳴りからはクラシック音楽が聞こえてきた。音量もかなりでかい。ウチの親父が
「…また隣のオヤジ、ベートーベン流してきやがる。」
となんとなくイヤミったらしくいう。ウチの親父はモーツァルトでもショパンでもクラシックだったらすべてベートーベンになってしまうものだが、しかし戸舞さんちではかなり大きな音でクラシック流しているものの、我が家のテレビの音やモジュラーステレオから流れるマヒナスターズや美空ひばりなどの非クラシック音楽を、隣の独文学者は歯医者のように嫌っていた。そんなわけで私たち一家は戸舞さんちから聞こえてくるベートーベン交響曲第三番「皇帝」やモーツァルトピアノ協奏曲第二十番「戴冠式」などを日常的にたっぷりと聴いて育ってきたのである。

 さて、そんな戸舞さんちに香織ちゃんという女の子がいた。お父さんに似てか細身で細面、整った顔立ちのきれいな女の子だったけど、口数が少なく、友達もあまり居なかった。ある日、友達のところから帰ってくると茶の間に隣の香織ちゃんが居て、姉と話をしていた。姉は香織ちゃんに「明星」「平凡」といったアイドル情報雑誌を見せていて、それを見ている香織ちゃんの表情が今までになく生き生きと輝いていたことを覚えている。姉は自分の部屋からGジャン(ジーンズの上着)やらショートパンツなどを持ってきては香織ちゃんに着せては
「うわ、似合う。」
とびっくりしていたものだった。そして香織ちゃんからは
「これがあの香織ちゃん?」
と思うほどヴィヴィットなオーラがきらきらと輝いていた。

それから何度か香織ちゃんは隣のアノ独文学者の厳ついオッサンの目を盗むようにしてうちに来た。まもなくありがたいことに戸舞賛歌というとなりのオッサンがドイツに半月ぐらい行くことになった。すると香織ちゃんは毎日うちに来るようになったし、隣の奥さんもうちにきて晩御飯を食べていったりするようになった。香織ちゃんたち、ここに来る前は静岡に居たという。
「静岡って暖かくて明るくていいところでしょう?それを何でこんな山だらけで気候が厳しい福島県との県境の北関東のヘンな町に…?。」
ときくと、隣の奥さんは
「主人が気に入っちゃって…。」
と下を向いてボソッと答える。このときは親父が職場で天然のホンシメジをもらってきたので、ホンシメジのてんぷら、ホンシメジの炊き込みご飯、ホンシメジの澄まし汁とホンシメジ尽くしだった。親父は辺鄙なところの市の出張所に居て、そこで土地の人たちから山から採ったキノコを良くもらってきた。

 実はそれまで私は姉に嫌われて受け入れてもらえなかった私が近所の悪ガキと付き合い、姉のショートパンツ姿を冷やかした上に
「男だったらあいつの腹を殴ってこい。お前男だろ。」
と煽り立てられ、姉のおなかを殴ってしまった。それで姉は激しく私を突き放し蛇蝎のごとく嫌ったのださらに姉は親父や母の同情も引き寄せ、私は家庭内でいづらい雰囲気を浴びせつけられていたうえに一日何十回も姉から
「あたしのことを冷やかしてくれた、どうしてくれるの。」
「あたしのおなかを殴って、あたしを殺すつもりなの?」
「私とのおなかを殴ってどうしてくれるの。責任とって。」
とネチネチいやみを刷り込まれ、参っていたのだ。
 香織ちゃんが着てくれて姉と香織ちゃんとの間に新しい世界が生まれると、姉はその世界に私のことも向かえくれるようになった。当時わたしはもう悪ガキのミッチャンたちと付き合っていなっかたし、姉ももう私のことを安全だと見たのだろう。そしてぐっと秋めいてきて、夕方になるとヒヤッとする季節になると、姉と香織ちゃんとの世界(そこに香織ちゃんのママも加わったりする)がより深みを増していった。我が家でウチの母も加わって飛び切り欧風の晩餐を、ウチの母、香織ちゃんのママ、ウチの姉の三人で作ったりしたこともあった。
 そして我が家に楽しい時が流れた。がまもなくあの厳つい独文学者、戸舞賛歌がドイツから帰ってきた。すると香織ちゃんのママも香織ちゃんも戸舞賛歌に縛られて我が家に来ることはできなくなった。

 ウチの親父がまたまた天然のホンシメジをもらってきて、香織ちゃんママがそれでグラタンを作ってくれたものことがあった。ベジャメルソースにチーズを入れるのがミソで、こくがあるクリーミーなグラタンにホンシメジの味わいは良く合った。ウチの親父もサントリー角瓶を飲みながら舌鼓を打ったものだ。その頃、親父が白いトヨタカローラを買って、香織ちゃんをつれてドライブに行ったモノだったなぁ…。そういや親父が角瓶飲んでカローラ運転していたこともあった。まあ当時の田舎では珍しくなかったけど…。
しかしようするに私は男子禁制の女の子だけの世界に引き込まれてしまったのだなぁ…と今以て感じるのだ。


?

http://porcini.web.fc2.com/nekocat000.html

 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン発送

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月23日(火)13時46分7秒
返信・引用 編集済
   いま、発送してきました! メールもお送りしました(メールに書き忘れましたが、お問い合わせシステムにはまだ反映されていません。今日の6時以降くらいから反映されるはずですので念のため)。

 と、新たなご注文が!
 第2弾10冊分、可及的速やかに製作に着手したいと思います(^^)
 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン製作完了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月22日(月)20時07分42秒
返信・引用 編集済
   残っていた4冊分をチョチョイのチョイで製作し、とりあえず30冊分出来上がりました。
 今日はチョチョイのチョイなのが、昨日は日本アルプスを縦走するくらいの困難感を感じていたのですから、よほど体力の限界だったんでしょうね。いやまあ、どんだけ体力が落ちているかってことですが(ーー;

 とまれかくまれ、これから宛名書きして封筒に詰める作業に入ります。明日、会員のみなさんと、既にご注文いただいているお二人の方にクロネコメール便にて発送しますので、お楽しみに〜。

 ちなみに明日発送しますと、クロネコメール便お届け日数早見表に従えば、近畿圏は発送日含めて3日、関東圏は同4日となっており、すなわち近畿圏は木曜、関東圏は金曜到着予定となります。これまでの経験上、ほぼこのお届け日は守られております。守られなかったのは一回だけ、一日遅れただけです。
 みなさんには、発送後、お問い合せ番号を記入したEメールをお送りしますので、各自ご確認下さい。

 あー、これで少なくとも会員のみなさんにはお送りでき、ほっとしました(^^)
 ひきつづき、残り10部の製作に入りますが、これは眉村さん他、献呈分としてほぼ出てしまう予定。
 その後は、注文があれば製作する、オン・デマンド方式に切り替えます。ただ、ひまわりいろの表紙は40冊分しかなく、次の10冊で使い切ってしまいますので、オン・デマンド分の表紙は、在庫の色画用紙(やまぶきいろなんですが、オレンジにしか見えない)にさせて頂きたいと思います*。しかし是非とも同じ色でという要望があれば、もちろんそうさせて頂きます。
 *追記。ひまわりいろの表紙用画用紙を確保しました。ご注文分はすべてオリジナルどおりひまわりいろで作成します。

 なお、ご注文受け付けています。この掲示板を一番下までスクロールしますと、[管理者へメール]というボタンがありますので、そこからご発注下さい。今号も面白いですよー(^^;

 ※しまった。自分を数えてなかった。オレの分が残らない(ーー;
 

ニッポニカの厚木淳

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月22日(月)20時06分31秒
返信・引用
  トマトさん
 ニッポニカ(日本大百科全書)は、調べましたら、1984年開始で1989年に全25巻完結なんですね。1989年には既にパソコン通信は始まっていて、インターネットも1990年代には開始されています。
 そう考えると、このニッポニカ(日本大百科全書)って、ひょっとしたらほぼ「最後の」紙媒体の百科事典企画だったんじゃないでしょうか(調べたわけではありません)。まさに恐龍が巨大化しすぎて滅んでいくのを想像してしまいました。恐龍の滅亡は実際は巨大隕石の衝突が原因だそうですが、私の子供の頃は巨大化説ってのがあったと思います。
 ところで、このニッポニカ、無用の長物のようで、意外に読みどころがあるのです。実はSF関係の記事を執筆しているのが、60年代、70年代の東京創元社のSF部門を統括した厚木淳なんです。この厚木淳の記事だけまとめたら面白いんじゃないでしょうか。どれだけボリュームがあるか、それは確認していませんが、チャチャヤング・ショートショート・マガジンみたいな私家版でなら十分出版する意義があるように思います。いまSFの項目を確認したところ、まるまる2頁、ざっと20枚の分量がありました(第3巻)。個人作家の記事は、第3巻ではウェルズは1000字強、2枚半くらい。ヴォークトはありませんね。大体そのレベルということでしょうね。

段野さん
>どうか、お許しを。
 ダメです。あなたはかんべ講演会につづいての累犯で、反省の色が認められません。執行猶予は取り消されるでありましょう(>おい)m(__)m

雫石さん
>横溝イベントがある日ではありませんか
 あら、そうでしたか。私のところへは案内がこなかったです。全然行ってないので当然ですね(^^;


 

Re: 堀さん情報:NHK文化センター梅田教室

 投稿者:雫石鉄也  投稿日:2014年 9月22日(月)19時09分40秒
返信・引用
  > No.5826[元記事へ]

う〜む。困った。11月15日というと、野村さんとこの神戸探偵小説愛好会の、横溝イベントがある日ではありませんか。
もろにバッティングしております。どっちに行こうか迷っております。
仕事の関係で、最悪、両方行けないかも。困ったもんです。

http://blog.goo.ne.jp/totuzen703

 

Re:堀さん情報:NHK文化センター梅田教室

 投稿者:段野のり子  投稿日:2014年 9月22日(月)14時17分9秒
返信・引用
  堀様
すいません、受講予約しちゃいました。どうか、お許しを。
 

懐かしの百科事典

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月22日(月)07時49分27秒
返信・引用
  おはようごさいます。

何年かまえに小学校のバザーで百科事典全巻が1万円で出ていても誰も買い手がつかず2000円になっても買い手がつきませんでした。
重石として役に立つ百科事典はかつてのお堅い岩波教養主義の臭いプンプンですね。


神田の神

http://porcini.web.fc2.com/nekocat000.html

 

「月虹」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月22日(月)01時13分44秒
返信・引用 編集済
  > No.5820[元記事へ]

承前
 タゴール「園守」。20頁以上あるので前詩同様大きな構想の長編詩かと思ったら、対称的なかわいい詩が14篇。各詩にはタイトルがない。以下仮に番号を振る。
 1>は草食男子の詩(ほんまか)。
 2>「夕べ」は夕方の意味と共に「晩年」の意味も? 詩はマルチリフレクティブで年齢に関係なく年齢相応に読み取るべきものを読み取る。
 3>詩人が内なる海に投網し引き上げて得た数々の詩を、愛する人に差し出すだが、ひとこと「なにこれ」(>おい)(^^;。
 4>詩人が座す前を人々が通りすぎる。こっちへおいでと言っても誰も来ない。
 5>私は遠く隔てられた詩神を求めて飛び出そうと欲す。それに届くすべ(技術)が自分にないことも忘れて。
 6>「飼はれたる鳥」とは詩人自身か(前の詩から類推すれば)。森の鳥と一緒に飛び回りたいのだけれど、籠から出るすべなし。いやそれ以前に(鳥籠の鳥の)翼は、既に飛ぶ力を失っている。
 7>これもオモテ読みではなく別の見方をすれば、詩神を求めてかなわぬ心情かも。
 8>わが詩の湖に来て瓶を満たせ。死にたくなったら来て飛び込んでもいいよわが湖に。
 9>女の人とすれ違ったら、仄かな香がかすめて消えた。でも何かがふんわり心の上に留まった。
 10>叙事詩がふいにやって来て荷降ろしを始めた。来た来た来た、と思った瞬間、君の足音が聞こえ、一瞬それに気を取られたら、大叙事詩が砕け散ってしまった。糞どうしてくれる。でも君だから許しちゃう(汗)。
 11>これは期待していたけど何もなかった夜のかなしみの詩?(違)(^^;。
 12>漢詩にありそうな昼時の駘蕩たる情景。
 13>これは一転、夢の通廊を通って前世の恋人と会う。ドイツ表現派風。
 14>百年後の読者に宛てたあとがき。

 この詩集(?)はとても気に入りました。訳者解説によると原詩集の半分にも満たない抄録らしい。全部読みたい。

 後記。ここまで来て振り返ると、可愛い、時には他愛のない詩の集合と見えた本篇ですが、あるいはこれは全体で「詩」が主題の、ひとつづきの長編詩だったのかも、と気づいた。いやそれが正解でしょう。とすれば1>の「僕」(しもべ)は「詩」のメタファーなのかも。

 つづけて松村みね子「ダンセニーの脚本及短編」。みね子が、(訳者を離れて)読者の立場から綴ったダンセイニ雑感。非常に興味ぶかい。言及される「海陸物語り」は、私もよく覚えています(河出文庫版)。確かに面白かった。脚本は読んだことがないのですが、「演出者は安価な……」以下の文は、そうだろうなと納得します。

 ということで、未谷おと編『月虹 ――松村みね子訳詩集――』(盛林堂ミステリアス文庫、14)読了。いやこれはよい本を読みました。
 

Re: 堀さん情報:NHK文化センター梅田教室

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月21日(日)23時13分21秒
返信・引用 編集済
  > No.5825[元記事へ]

 チャチャヤング・ショートショート・マガジン製作は30冊まであと4冊迄来ましたが、だいぶ疲れたので、残りは明日に回すつもり。今から風呂にはいるので、ひょっとしたら気分が変わって今日やってしまうかもしれませんが(^^;。でも本も読みたいし。
 いずれにしろ、明日は休日明けの五十日になるので、慌ただしくてこっち関係は手がつけられないと思います。出来るようならもちろんやりますが、発送は秋分の日と思っていていただいたほうが。その方が私も気が楽ですm(__)m

トマトさん
 このネット時代に、百科事典なんてほんとに無用の長物になってしまいましたね。わがエンサイクロペディア・ニッポニカも、年に一回、この時期だけ書棚から引き出されるばかりです(^^;

>離婚調停ネタですけどね。
 後日読ませていただきますね。

堀さん
 はい、了解しております。でもツイッターでも話題に(^^;
     ↓元ツイート
 

Re: 堀さん情報:NHK文化センター梅田教室

 投稿者:堀 晃  投稿日:2014年 9月21日(日)21時49分1秒
返信・引用
  わ、えらいものの紹介を……

拙作(および本掲示板)をお読みの方には、特に目新しい話題もありませんので、ご自宅で静かな午後を過ごされますように。
青空書房の坂本さんが古書店人生を語った時に、あの人の話題も面白いでっせなどと主催者に話したことから始まった話。
講師本人がこんなこといっていいのか迷いますが、ここだけの話、SF大会ではないんだから、次元がちがいまっせ。
 

秋めいてきました、が台風が...。

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月21日(日)17時38分26秒
返信・引用
  管理人さん、
チャチャヤング製本お疲れさまです。百科事典二冊が重石というのがなんとも味わいが...カミングアウトの覚悟が出来たらオーダーしてみたいです。実は山本有三のほかにも困ったことに身内に...なんです。本郷独文科という厄介なカルト教団のメンバーが...そのうちメールでカミングアウトします(^_^;)
そういえば夢書房の石川タカシさんは本郷仏文ですね。仏文は緩くてソフトてすが、独文というと石頭で頑固で意地っ張りで庭師みたいです。


でコツコツとお話書いていました。
離婚調停ネタですけどね。↓

http://porcini.web.fc2.com/nekocat000.html

 

堀さん情報:NHK文化センター梅田教室

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月21日(日)13時19分41秒
返信・引用
 

 

本多正一写真と仕事展

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月20日(土)21時24分52秒
返信・引用 編集済
   今日はまた新たに15冊分冊子化しました(表紙はまだ)。そして表紙を12冊+15冊=27冊分印刷。表紙はA3ノビというサイズの色画用紙を横長に二分割したもの(本誌はA5横長という変則サイズ)なので、カンプリは使えません。自宅のプリンターで印刷しました。
 今夜は、昨日も三冊作りましたが、表紙を冊子に付けて三方をカットして整える作業を行う予定。このカッティングが、日頃怠けて筋力が最低にまで落ちている私には重労働で、限界が来ると、突如カットが汚くなってしまいます。ですから出来るところまで。無理はしません。その方がロスが少なくなります。残りは明日回し。
 とはいえ、よほど何か、仕事か家庭で突発事態が出来しない限り、明日中には、少なくとも会員分と既にご注文下さっている方の分は出来上がると思います。月曜日には発送できるでしょう。お楽しみに(^^)
 あっ、送付用の封筒がもうなかった。買ってこなければ。

 ということで、お知らせ。
 本多正一さんが、なんだか面白そうな展示会を開催されるようです(^^)

      ――――――     ――――――     ――――――

 ■本多正一写真と仕事展「私的文人交流録ーHere Today(1989-2014)」

[内容]中井英夫、埴谷雄高、渡辺啓助、宇山秀雄、西井一夫、黒岩比佐子ら、ゆかりのあった人々をポートレイトと資料で紹介。再評価に尽力した装幀画家?村上芳正の原画、中井英夫中城ふみ子往復書簡など貴重な資料も多数展示。

[日時]10月27日(月)〜11月3日(月・祝) 11:00〜18:00(最終日16:30終了)
[会場]東京古書会館 2F情報コーナー
[入場料]無料


      ――――――     ――――――     ――――――

 ちょうど神田古本まつり期間ですね。
 本展は本多正一さんの四半世紀におよぶ写真、文筆、編集などの仕事を総覧するものとして、初の本格的な展示会とのこと。
 古本まつりに行かれる方は、ぜひお立ち寄り頂きたいと思います。
 いやむしろ、当展示会を見に行くついでに、古本まつりもお楽しみになるとよろしいのではないでしょうか(^^ゞ。どうか沢山の方がご来場されますように!(青空掘り出し市とは開催期間が少しずれているのでご注意)
    

 

眉村さん情報:日経連載第12回

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月20日(土)15時13分21秒
返信・引用
   眉村卓さんの、日経新聞連載中のエッセイの第12回「頑張るとき」が、昨日の夕刊(7/12)に掲載されました。

 クリックで全文


 

Re: 「月虹」読み中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月20日(土)00時34分29秒
返信・引用 編集済
  > No.5818[元記事へ]

承前
『月虹』より、ヒックス「蘭のうた」。これはいまいちだった。
 しかし次のタゴールがなかなかいい。
 詩集(?)「新月」は全体で一つの物語。「みなもと」「睡眠どろぼう」は、赤ちゃん讃歌。それに続く5篇では、その赤ちゃんが小学生くらいになっていて、その子視点で、お母さんへのうたになっている。「シャンパの花」では、自分が花に変身し、そのことを知らないお母さんが自分を探しているのをこっそり見る、という空想。「雲と波と」では、自分が雲になりお母さんが月になる。そして、自分が波になりお母さんが海岸になる、というどちらも空想。「見えない國」では、自分の王国が植木鉢の中にあるということを、お母さんに教えてあげたいという空想。「紙の船」では、紙で作った船に自分の名前を書いて毎日川へ流すという空想。「商人」では、自分が旅に出てお母さんにいろんな土産を買ってくるという空想。「職業」では、夜じゅう町を歩いていたいという空想。
 すべて空想である所が大事。なぜなら「終り」で、その子は死んでしまうことがわかる。つまりその子は病弱で外に出られない子だったのですね。ここまで読んではじめて、前5篇の「空想」の意味が分かる。
 トリの「榕樹」は、お母さんが死んだわが子を追想する詩。
 詩で編んだ物語です。せつない。男の子なのに自称が「あたし」で訳されているのが、より哀れをさそう。なお編者解説によると収録作品は「新月」からの抜粋とのこと。ということは、ひょっとしたらこの構成は松村みね子の意図なのかもしれない。もしそうなら、この物語はタゴールの詩を素材に編み上げたみね子の「創作」だったのかも。

 次もタゴール。「ほめうた」はタイトル通り神への頌歌。翻訳もそれらしく文語体が採用され、格調高く荘厳で、読んでいて心地よい。
 ここで特筆すべきは、訳者が「なんじ」と「汝」を訳し分けていること。「なんじ」と書いている場合は神をさす。「汝」は普通の意味の汝。
 111頁第3段「汝の聖なる上着を脱ぎ」の汝は権威に安住する聖職者(の批判)か。タゴールの神はきれいな服を着て上座に ふんぞり返る既成宗教のそれではないのだろう。地に汗して働く労働者と共にある神。既成宗教とは無関係な、タゴールが実感した神。
 タゴールは「詩」を媒介して神と交感する。従って神は詩神でもある。110頁「此の小さき蘆の笛」は「我」(タゴール自身)のこと。神がタゴールを「器」として利用し満たしたものから詩が生まれる(笛から音色が出る)。その意味で当詩はタゴ ールの神との交流の形式を説明したものかも。


 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン途中経過

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月19日(金)22時05分49秒
返信・引用
   昨日今日で2工程進めました。
 まず、本誌はA5サイズなのですが、カンプリでは(コンビニも同じですが)A5もA4も同じ単価なのです。なので経費節減のため、原版はA4サイズにA5サイズを2列に並べて作っているのです。いわゆる2丁取りというわけです。こうすれば1ページあたりの印刷単価(紙代含む)が半分になります。
 しかしそのかわり、私の作業が1工程(A4をA5二枚にカットする)増えるのですが、安く上げるためには人間力で代替できるところは可能な限り代替していかなければなりません。
 で、その作業を昨日していました。
 で次の工程が、頁の順番にまとめてホチキスで止めて冊子にするという工程です。これを本日は15冊分行いました。
 最後に、表紙を付けて三方をカットし、ペーパーをかけて一丁上がりとなります。
 今日はとりあえず三冊だけ完成させました。
 この調子で、2、3日かけて仕上げるつもり。日曜日に終わらせる予定ですが、ひょっとしたら祝日にずれ込むかもしれません。いずれにしても次の土日(27、28日)にはお手元に届けられると思います。鶴首してお待ち下さい!
 
 

「月虹」読み中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月17日(水)21時53分30秒
返信・引用 編集済
  > No.5817[元記事へ]

 今日はカンプリでコピーしてきました。とりあえず40部分コピー。これでは足りなくなるのは目に見えているのですが、とりあえず。コピーに何時間もかけられません(汗)
 ところで機械が進化していて、最初ずいぶん紙を無駄にしてしまいました。年に一回しか利用しないので、進歩についていけないのです。でも1時間ちょっとで済みましたから、便利になっているのは間違いありません。
 最後の方は馴れてすいすいでした。無駄な授業料を払ってしまいましたが、これで来年はバッチリ使いこなせるでしょう(>来年はさらに進化していたりして)(^^;

 で、只今の工程は、コピーの熱で撓んだ紙束の上に、百科事典を2冊乗せて熨しているところ(笑)

 承前『月虹』は75頁まで。以下備忘。
 パトリック・ピアス
「馬鹿もの」「もしその年月がもう一度与へられたら、私は又それをむだにつかってしまはう」。ああ共感共感。「人間はまき散らすべきものだ、たくはへるべきものではない」『所有せざる人々』のアナレスがそんな社会。呼びかけられる「國民」とは愛蘭国民の意か?

 エイミー・ローウェル『春の日』より、
「浴み」「朝の食卓」「散歩」「午と午後」、すべてまるで印象派絵画のような詩世界。あざやかな色遣い。きらめいています。文章なのに!
「夜と睡眠」は、むしろモダニズム世界。

 ここで覚え書き。松村みね子の訳業自体がモダニズムでは?

 さらにエイミー・ローウェル『貴婦人』より、
「貴婦人」「痴人の財布」「贈物」、これらは恋の詩なのですが、男が女への恋情を吐露する詩に読めるのです。エイミーって女名前だけど、実は男なのかな、と疑問に思ってウィキペディアを見た。レズビアンなら納得。
「梭魚」はカマス。読めなかったので調べた(^^;。これも印象派風。水の煌めきがあざやか。

 

「月虹」に着手

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月17日(水)00時24分53秒
返信・引用
  トマトさん
>私もオーダーしてみたいなっていう、気持ちもあるんですが
 ぜひぜひ(^^)

>色々とカミングアウトしなくちゃならないことがありまして
 仕事場宛にお送りすることもできますよ。私の個人名で発送しますから、「なんだ?ショートショートだあ?」なんて冷やかされる心配もありません(>おい)(^^ゞ

 三谷おと編『月虹――松村みね子訳詩集――』に着手。45頁まで。またまた盛林堂ミステリアス文庫です。なんか月に一冊出ているような。すごいですねえ。月一なら創元SF文庫の刊行ペースとそんなに変わらないのでは(^^;
 以下備忘。
 まずはイェイツ。
「野うさぎの骨」 常若島に到着した私は、野兎の骨を遠眼鏡替わりに覗いて、来し方を振り返り、基督教に縛られた彼の地を哂う。
「ソロモンがシバに」 両者共基教的にはケシカラン者達だが、此処では千里を見透す智者として描かれる。そんな智者も、恋に落ちれば狭い池の中で蠢くのみ。
「猫と月」ああ、これはいいですねえ。唯々よい。なぜかクレーの航海者を想起。画の上端を越えた遙か高みでは月が皓々と煌いている筈。

 続いて愛蘭民謠。
「詩人の愚痴」 なるほどそうもっていくのか。「なんでもいいから、わたし自身でさへなかったら、よかったらうに!」 うべなり。
「女ごころのかなしみ」 「ソロモンがシバに」の伝で言えば、「池の中」でもがく女のかなしみ。ドナルオグは若きドナルの意らしい。単なるヤング? 常若島と関係はあるのかないのか。

 ジョゼフ・キャンベル。
「とりいれ」は収穫と出産(生殖)のダブルイメージ。生命の謳歌。
一方「黄ろい小路」は、おそらく女に愛想尽されたのであろう男の、酒場で飲んだくれての大仰な未練恋情の吐露。まさに詩です(^^;。相手になった者大迷惑(^^ゞ

 ジェイムズ・スティーヴンズ。
「ほそい月」 ああこれもいいですね。ちょっとタルホ的でもある。しかしこのわたしって誰だ(^^;
「ちひさいもの」とは何をあらわしているのか? 愛蘭? 愛蘭の人民?

 

Re: チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号製作開始

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月16日(火)21時43分36秒
返信・引用
  管理人さん、こんばんわ。
チャチャヤング、お疲れさまです。
私もオーダーしてみたいなっていう、気持ちもあるんですが、色々とカミングアウトしなくちゃならないことがありまして、考えてみます。山本有三以外にも...なんです(^_^;)(>_<)




http://porcini.web.fc2.com/2014_08_12.html

 

Re: 感想ありがとうございました

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月16日(火)20時12分10秒
返信・引用 編集済
  > No.5814[元記事へ]

平谷さん
 毎度重箱の隅をつつくようで恐縮です(^^;
 まあ一般的な読者は、全然気にせず(あるいは気がつかず)読み過ごしてしまうんじゃないでしょうか。面白さに影響するものではありません。どうぞお気になさらず。そもそも時代小説って、あんまり読んでいませんが、もともとルーズなジャンルですよね。問題ないと思います(>おい)(^^;。
 しかし、自分の書いたものって、なかなかミスを発見できないですよねえ。
 実は今朝、昨日アップしたチャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号のもくじに重大なミスがあることを指摘されまして、大急ぎで訂正したところなのでした(汗)。
 他人のミスはよく見つける私でも、自分の文章のミスはなかなか発見できませんねえ。思い込んでしまっているんでしょうねえ。
 出版社では編集者がそういう機能を果たすわけですが、今後増えていくであろうネットでの個人出版ではその機能が存在しませんから、そこが今後問題になってくるのではないでしょうか。

>続編は来年になると思います。
 楽しみにしております!

>11月以降、またバタバタと出版が続きますので
 了解しましたー(^^ゞ

 

感想ありがとうございました

 投稿者:平谷美樹  投稿日:2014年 9月16日(火)12時50分31秒
返信・引用
  感想、ありがとうございました。
文庫本にするときに手直しをしたのですが、充分ではなかったようですね。
これから気をつけます。
続編は来年になると思います。
11月以降、またバタバタと出版が続きますのでそちらもよろしくお願いします♪
 

「蘭学探偵 岩永淳庵」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月16日(火)01時38分15秒
返信・引用 編集済
  平谷美樹『蘭学探偵 岩永淳庵海坊主と河童(実業之日本社文庫、14)

 これは面白い。一気に読んでしまいました(^^)。
 新シリーズです。不遇をかこつ蘭学者・岩永淳庵が、辰巳芸者にして剣の達人の豆吉に養われながら、ひょんな事で知り合い意気投合した火盗改方同心・瀬川又右衛門が持ち込む奇怪な事件を〈科学的〉に解決する連作集で、4篇収録。
 著者が創出する主人公たちと小説には、大別して二種類あります。超自然現象の存在を前提とするお話(ex.ゴミソの徹次)と、いまひとつは超自然現象(と思われた現象)を自然科学的に解明してしまう、いわば「この世には不思議な事など何もない」という前提のお話の二種類。本書は後者です。

「高櫓と鉄鍋」は、淳庵と瀬川が初めて出会った第一作で、江戸に人工的に地震を起こす企みを、淳庵が見抜き事なきを得るが(まあ最初から無理だったのですが)、敵は次に富士山を噴火させようとする……

「鬼火と革紐」 鬼火が原因の火事が連続して起こる。淳庵は鬼火のはずがないと……

「吉と橘」 金売吉次の隠し金の在処を示す絵図が盗賊の手に渡る。淳庵、豆吉、瀬川の三人組は賊を追って江戸を飛び出し、奥州北上川を遡る……

「海坊主と河童」 品川の海に海坊主出現? 三人組は品川に赴き現認する。だがそれは実は……

 第四作目の表題作がずば抜けて面白い。次に第三作。つまり一作目と二作目は、もうひとつ乗れなかったのです。それは設定がまだ馴染んでいなかったせいでしょう。三人組の阿吽の呼吸が、まだ私の裡に構造化されていなかったのだと思います。

 しかしそれだけでもないように思うのです。前半二作品は、作りがいささか粗っぽいのです。たとえば「鬼火と革紐」で、敵は犯行のたびに必ず「目撃者」を作っておかなければならない必要があるのです。呉服屋菱屋の事件では夜鳴き蕎麦屋がそれを担わされるのですが、薬種屋福丸本店の目撃者は「偶然」なのです。米問屋信濃屋の場合は、そもそも目撃者の記述がない。これはミステリーとすれば大きな穴です。

 これは第三作ですが、215頁で服部が「”橘司”穴の方へ行って下さい」という場面。とつぜん橘司穴という言葉が飛び出し、狼狽えました。すぐに頁を繰りましたが、それまでに一言もそれへの言及はありません。これも粗っぽいです。

 一方、第四作目は文句のつけようがない傑作。で、はたと気づいたのは、本篇のみ書下ろしなのですね。他の三篇は雑誌掲載で、長さも大体70頁。一方書下ろしの第四作は110頁の堂々たる中編なんです。

 つまり前三篇は、当の小説が要求する長さに対して紙幅が不足していたのだと思います。これら三篇も100頁の紙幅が与えられていれば、もっと丁寧に仕掛けも作れたんじゃないでしょうか。非常に惜しまれます。続刊は是非とも充分な紙幅を貰って書いてほしいと願わずにはいられません。

 一応時代小説の範疇ですが、私の感覚では、ホームズ物の冒険性の強い作品に近い印象を受けました。ホームズものって、推理面ばかり喧伝されますが、実は非常に行動的な探偵で、冒険小説的な要素がかなり濃い(実際、小学生の私はシチメンドクサイ推理はすっとばして冒険小説として楽しんでいました)(^^;。
 本書は、パズラー的な推理小説であるよりは、江戸時代の知の地平に、のちの近代科学的な(思考というよりも)知識が導入されて解決されるもので、基本的に知識小説といえる。それに加えて三人のやりとりが面白いのも、本編の魅力の大きな部分となっています(続き物として成功している)。

 しかも第四作に至って、とてつもない「謎」が提示されます。これはワクワクします。もし、宿敵(ライバル)三輪祥沢(森堤蛙*)が、淳庵が想像する人物で正解なら、第一作で建てられた四つの高櫓の設置場所が、江戸城の四隅であったのも偶然ではなかったのかもしれません。その場合はドラマ「天下御免」とは別解釈になるわけで……いや続篇が待ち遠しい(^^;。
*追記。あっ。モリアーティか!?

 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号製作開始

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月15日(月)21時33分10秒
返信・引用 編集済
  《チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号》掲載作品が確定しました(^^)
 さっそく製作に入りたいと思います!
 早ければ今週の土日くらいで完成し、会員の皆様には翌週中(遅くとも再来週あたま)にお届けできると思います。
 全70ページです。力作揃いであることは前号となんら遜色ありません。期待してお待ちください(^^)。

 また、(従来と同じですが)一般頒布も行いますので、読んでみたい、あわわもとい、まあ一度読んでみてやろう、と思われる方は、当掲示板を一番下までスクロールしますと、[管理者へメール]というボタンがありますので、ご注文下さい。
 一冊420円(+送料80円)です。送料は4冊まで80円で大丈夫です。

 今号も面白いですよ!(^^) おたのしみに〜!!

 
 




 

「大阪ラビリンス」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月14日(日)20時34分46秒
返信・引用 編集済
  > No.5810[元記事へ]

承前
 トリは柴崎友香「火花 1/ 2」。まさに掉尾を飾るにふさわしい傑作でした。実はこれ、『ビリジアン』という長篇小説から切り取ってきたものなのです(→私の『ビリジアン』感想文)。
 そしてこの断章だけ取り上げると、実は長編全体のイメージから少しずれるのですね。お読みになれば歴然ですが、荒廃感に満ち満ちています。その底深い荒廃感は、同じ島つながりで(大正区は木津川と尻無川と西は海によって区切られた「島」です)井上光晴の崎戸島(蛎浦島)ものをすら髣髴とさせます。主人公たちの無感動ぶり(注意されたらすぐにやめる無意志性、場所を変えて同じことをする無反省性もしかり)の描写――と、それに見合う人影のまばらな、大型トラックがぶっ飛ばす道路と工場しかない、粉塵が万遍なく行き渡った風景描写。まさに傑作。大阪の一風景としてくっきりと立ち上がってきます。

 ということで、有栖川有栖編『大阪ラビリンス』(新潮文庫、14)読了。
 19世紀末から現代、東北端の旭区から西南端の大正区まで、大阪を一望する楽天地登仙閣の展望台から梅田の地下世界まで、様々な大阪の近現代の文学風景が、アンソロジストの宜しきを得て過不足なく提示された好アンソロジーでした。存分に堪能しました。
 ところで神戸や京都を舞台にしたアンソロジーは数多いのですが(先般読んだ『神戸ミステリー傑作選』もそうでしたね)、大阪がテーマのそれは、ほとんど記憶にありません。有栖川さんは「大阪小説の傑作選は、これまで何冊か編まれています」と書いていますが、私は寡聞にして大谷晃一さんの大阪文学アンソロジーくらいしか思い浮かびません。エンタメを含んだアンソロジーは、本書が殆んど初めてではないでしょうか。大変貴重重要なお仕事をなされたと思います。が、ひきつづき第二弾、第三弾を編んでいただければもっと嬉しいので、よろしく希望するのであります(^^;。

 明日から『蘭学探偵岩永淳庵』の予定。

 

「大阪ラビリンス」より

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月14日(日)18時59分16秒
返信・引用 編集済
  > No.5809[元記事へ]

承前
 つづけて芦辺拓「天幕と銀幕の見える場所」を読む。この話は初出の『異形コレクション』で読んでいましたから、くだんの人物の正体は知っていたのですが、まあ誰が読んだって途中で判りますよね。ですからバラしちゃっても何も問題ない(>おい)。いやほんまですよ。《大阪時事新報社》に暫く席をおいていたというんですからね(>あ、バラしちゃった)(^^;
 むしろそれと知って読んだほうが、前半の羅列の部分、つまり楽天地の観光案内の部分ですが、ちょっと単調で草臥れるところも、より興味の目が啓けて楽しく読めると思います(>おい)(^^;
 でも、やはりラストの、主人公の新聞社の給仕の少年が、くだんの人物と別れてサーカス小屋に戻ってきてから、一気に引き締まります。すべてが明らかになる場面です。
 この場面、私はブラッドベリの「亡命した人々」(「亡命者たち」)を想起しました。そう感じた人は少なくないと思います。著者も多少は意識していたかも。
 いやもちろんベクトルは反対で、ブラッドベリ作品がアッチへ行ってしまうのに対し、本篇は「これから」コッチへやってくるわけです。

「しかし教えてあげたかったな。確かにおれたちは向こう側の世界にいるにはいるが、その間を隔てる壁はときにサーカスの天幕並みに、風一つで取り払われてしまうことを」

 

「大阪ラビリンス」より

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月14日(日)14時11分58秒
返信・引用 編集済
  > No.5808[元記事へ]

かんべさん
 たしかに合いの手を入れる感じの曲ではないですね。でも子供が合唱すれば、そこそこ元気な感じになるのですけど。
 まあオカリナでは、何をやってもお化けが出そうになってしまいますね(^^;。

承前
『大阪ラビリンス』より、岩阪恵子「おたふく」を読みました。千林商店街辺が舞台。小説空間としてはちょっと珍しいのではないでしょうか。時代もかなり前そうな感じですが、ダイエー一号店が既に閉店しているとあるので(303p)、70年代後半の話でしょう。
 私が大学生だった頃です。私の感覚ではつい最近です(え、違いますか(^^;)。まだこんな感じが残っていたんですね。そういえば高校の友人で、千林(旭区)の南隣の城東区に住んでいた男の家が、おやじは国鉄職員なのですが、おふくろさんが入り口の土間で文房具屋をやってましたね。道路をへだてた向かいが小学校だったのでした。
 そんな風に、今でもたまに、それまで普通の家構えだったのが、とつぜん看板が出て食べ物屋とか喫茶店を始めるのを目にすることがありますが、たいてい成功していません。もうそんな時代じゃないんでしょうねえ。

 さて物語ですが、本篇も「大阪の女」みたく、本編の前にも後ろにも物語が続いている感が強い。女の半生を描いた長編の、本篇はそこから或る時間を切り出してきたものという印象です。連続ドラマの任意の一回だけを見た感じ。これだけでは欲求不満になります。とつぜん消息の絶えた俊夫はどうなったのか、とか(^^;
『淀川に近い町から』という作品集からの転載のようで、この短編集を読めば、前後の物語が載っているのでしょうか。

 

へええ。こんなメロディーでしたか。

 投稿者:かんべむさし  投稿日:2014年 9月14日(日)11時06分57秒
返信・引用
  私がうろ覚えしてたのは、
♪雨がしょぼしょぼ降る晩に(あ、こりゃ)
といった感じで、相の手が入るような、
まめだが、ひょっこひょっこと歩いていくような、
そんなリズムの、囃し歌的なメロディーやったんですが、
えらい、しみじみしたものやないですか。
いや。ありがとうございました。高齢化したら、
これをうたいつつ、徘徊いたすでございます。
 

Re: ♪まめだの件

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月14日(日)09時48分21秒
返信・引用 編集済
  > No.5806[元記事へ]

かんべさん
>私は豊中の小学校だったけど、習いませんでしたがなあ
 そうでしたか。ひょっとしたら中学校かも。いずれにしても音楽の教科書にのっていました(採用しなかった教科書もあるかもしれませんね)。

 ユーチューブにありました(^^)
 
 この動画では歌詞が下のようになっています。
 雨のショボショボ降る晩に 豆狸が徳利もって酒買いに
 「今晩は〜」
 (壊(つ)えたお城の蓮池で 貂(てん)が化かすき 気をつけよ)
 「風が出たかよ〜」


 じつは( )の中の歌詞があやふやで、念のため昨日は全文を書かなかったのですが、いま( )部分を読んでも、ピンと来ないので、私が習ったのとはひょっとしたら違うものかもしれません。
(でも「壊(つ)えた」はたしかにそうだったな、と思いだしてきました。「壊(つ)えた」の意味がわからなかったので、きちんと記憶できなかった可能性も)。

「今晩は」もいいのですが、最後の「風が出たかよ〜」がすごくいいです。まるで近代詩のようです。ひょっとしたら本当に作者のある近代詩なのかも。

 

♪まめだの件

 投稿者:かんべむさし  投稿日:2014年 9月14日(日)08時23分57秒
返信・引用
  その歌、開高さんの「青い月曜日」にも出てくるので、
あるのは知ってましたが、小学校の音楽で習ったとは、驚きました。
私は豊中の小学校だったけど、習いませんでしたがなあ。ただしまあ、
転校してきて5年と6年だけやったから、低学年の必修やったのかも。
それから、ラストの「こんばんは」も知らなかった。これは笑いました。
「青い月曜日」には、そのラストは書いてなかった。このひとことで、
雰囲気がぐっと、とぼけたおかしいものになりますねえ。
実は恥ずかしながら、肝心のメロディー、正確なのを知らんのです。
お得意の演奏で、アップしていただけたら、ありがたいのですが……
 

Re: 眉村さん情報:眉村さん自筆ミニ色紙プレゼント!

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月13日(土)22時30分7秒
返信・引用
  > No.5803[元記事へ]

斎藤さん
>早速応募させて頂きました
 おお、当選するといいですね(^^)

>「ミスターカレー」(「C席の客」か「ぼくの砂時計」に収録されていたと思います)
 確認したら『C席の客』でした。内容が思い出せなかったので、読み返してみました。なるほど。皮肉な、でもちょっぴり切ないお話でした(^^;

>眉村さんご自身がミスターカレーの主人公のモデルだったのですね。
 柔道部ですから、お若いころは豪快な食べっぷりだったんでしょうね(^^;
 

「大阪ラビリンス」より

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月13日(土)22時13分43秒
返信・引用 編集済
  > No.5798[元記事へ]

 田辺聖子「コンニャク八兵衛」を読んだ。
 これは小説なんでしょうか。エッセイみたいですが、小説なんでしょうね。なぜならくだんの八兵衛氏が、実在する人物なのかどうか、読者には分からないのですから。
 いずれにせよ話芸の小説。うーむ。こんな風に書きたいもんですねえ。
 ところで、「大阪の穴」にも出てきましたが、雨のショボショボふる晩に♪の歌は、大阪人なら皆口ずさんだことがあることでしょう。私など、いまでもたまに脳内で(誰かが)歌っているのを耳にします(^^;。
 小学校の音楽で習ったのですが、これは皆、喜んで歌っていましたね。
 そのようにこの歌が鮮明な刻印(好意的な印象)を残すのは、メロディが、歌詞の大阪弁のイントネーションを、そのまま崩さずに利用して作られているからではないでしょうか。
  ・ ・  ・     ・・・      ・     ・ ・・・・・  ・
 あめのショボショボ ふるばんに まめだが とっくりもって さけかいに こんばんは

 ね。大阪弁イントネーションでしょ。ここまで完璧なのは、実際なかなかありません。
 たとえば「悲しい色やね」は
 泣いたらあかん 泣いたら と大阪弁イントネーションではないけどまあ許せるのですが、
 切なく なるだけ
 の「なるだけ」で、はっきり東京イントネーションになって、がっくりします。

 その点、
 大阪で生まれた女やさかい 大阪の町 よう捨てん
 大阪で生まれた女やさかい 東京へはようついていかん

 は大阪イントネーションを保っていて、わたし的には評価が高いです(^^;

 つづいて有明夏夫「川に消えた賊」は、なにわの源蔵シリーズ。はじめて読みましたが、面白い。なんといっても大阪が舞台ですから、源蔵の位置がよく分かるのが楽しい*。江戸時代小説で歯がゆく感じるのがそれなんですよね。地図が頭に入っていたらもっと楽しめるんだろうな、読むといつもそう思ってしまいます。なにわの源蔵シリーズ、読みたくなりました。
*(但し源蔵の住んでいるのが何処なのかがまったく判らない。これは珍しいですね)

 そうは言い条、葭屋橋は知りませんでした。googlemapで検索しても出てこないです。しかし記述から推測して、おそらく天神橋と難波橋の間の、阪神高速が架かっている場所にあった橋ではないでしょうか。「乾と巽の方角に渡った格好で架かっている」(277p)ということですから、間違いないと思います。
 あと、蜆川もgooglemapには見当たりませんが(つまり地名にはもう残っていない)、これは私はよく知っています。なぜならジャズ住職のお寺の前の道が、かくいう蜆川を埋め立てて作った道なんです。つまり関電病院や元阪大病院の裏道ですね。ジャズ住職も一時蜆川漁人を名乗っていました(^^;
 追記。お初徳兵衛が渡った梅田橋は、この蜆川に架かっていた橋なのです。堂島新地は堂島川と蜆川の間の狭い一帯にあったのですね。

 

Re: 眉村さん情報:眉村さん自筆ミニ色紙プレゼント!

 投稿者:斎藤  投稿日:2014年 9月13日(土)18時51分54秒
返信・引用
  > No.5801[元記事へ]

これまた素晴らしいニュースですね。
ありがとございます。
早速応募させて頂きました。
カレーライスのお話で、眉村さんのショート・ショート「ミスターカレー」(「C席の客」か「ぼくの砂時計」に収録されていたと思います)を思い出しました。
眉村さんご自身がミスターカレーの主人公のモデルだったのですね。

 

眉村さん情報:日経連載第11回

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月13日(土)14時50分5秒
返信・引用 編集済
   日経新聞に連載中の眉村さんのエッセイ第11回「仲間と他者」が、昨日の夕刊(9/12)に掲載されました。

 クリックで全文


 

眉村さん情報:眉村さん自筆ミニ色紙プレゼント!

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月13日(土)10時27分9秒
返信・引用
   こちらも嬉しいニュースです(^^)。出版芸術社さんのツイートより↓

 元ツイート
 元ツイート

 これはすばらしい! 出版芸術社さん感謝です(^^)
 色紙ご希望の方は、こちらから申し込んで下さい→info@spng.jp
 

Re: 嬉しいニュースです。

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月13日(土)10時26分30秒
返信・引用
  > No.5799[元記事へ]

斎藤さん、情報ありがとうございます。
>10月には修復が完了し、あとは公開方法が検討中とのことです
 本当に嬉しいニュースですね。私自身はすでに大学生でして遊びまわっていて、「未来からの挑戦」は観ていなかったのです。この頃の少年ドラマシリーズは、平日夕方の18時枠の帯番組だったようで(wikipediaによる)まだ帰宅していなかったんでしょうね。
 放送されたらぜひ見たいと思います!
 リンク先見ましたが、紺野美沙子が出ていたんですね。幼い(^^;
 

嬉しいニュースです。

 投稿者:斎藤  投稿日:2014年 9月13日(土)09時44分49秒
返信・引用
  とんでもなく嬉しいニュースを発見しましたので、久しぶりに投稿させて頂きます。
NHK少年ドラマシリーズ「未来からの挑戦」全話が発掘済みで、NHKでの修正作業も順調、
一部欠けている部分はあるものの、番組に西沢杏子役でご出演されていた女優の紺野美沙子さん
から提供された番組台本から、字幕情報で補い完成させるようです。
10月には修復が完了し、あとは公開方法が検討中とのことです。

私の個人的な希望としてはもちろんDVD/BR販売なのですが、放送も検討されているような
ので、楽しみです。
でもこれが、NHKアーカイブのみでの公開となるとちょっと残念です。
自分のライブラリに出来ないからです。
これはもう、ぜひぜひDVD/BRでの市販、せめて放送で公開頂きたいと切に願う次第です。
NHKのHPには早速、嘆願投稿をしてしまいました。

この番組は、私を「眉村ファン」に導いてくれたとても思いで深い番組です。
「なぞの転校生」以上に夢中になりました。
リアルタイムで見ていました。
当時中学生です。
学校でも、この番組は話題になっていて、出演者はアイドルと同じ扱いでした。
原作の「ねらわれた学園」(角川文庫)は、近所の本屋さんにはなく、隣町(田舎の隣町はとても遠いです)
の本屋まで捜索し、電話で取りおいてもらって、自転車で取りに行こうとしていました。
山を一つ越えて15キロほど先にある遠い本屋さんです。
危ないと母親に静止され、変わりに母親にバイクで取りに行ってもらって入手したほどです。
そんな思い入れも深い「未来からの挑戦」。
全話版が見れるようになることはほとんど諦めていましたので、今回のニュースは本当に、とてつも
なく嬉しいものでした。
一人で興奮して投稿までしてしまいました。

NHKの該当ニュースのURLはこちらです。
http://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/

以上です。
 

「梅田地下オデッセイ」

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月12日(金)19時48分15秒
返信・引用 編集済
  > No.5797[元記事へ]

 承前『大阪ラビリンス』より、堀晃「梅田地下オデッセイ」を読みました。
 今回がたぶん三読目か四読目。記録によれば、前回は2008年7月のようです。しかし記憶が確かなら、そのあとでネット版を読んでいるはずです(後述)。
 何度読んでも面白い。読み飽きるということがありません。以下に理由を述べますが、堪能しました(^^)。

 しかし、それと同時に、当時のウメチカの記憶映像がどんどん薄れてしまっていることに気づかされ、愕然としたのでもありました。
 本篇を読みながら、ああ、そやったそやった、と記憶を掘り起こしていたのですが、残念ながら三番街の北のどんつきあたりは、本篇を読んでも具体的な映像が甦ってこず、いささか消化不良となってしまいました(ずいぶん様変わりしていますし)。
 でもそれも或る意味当然で、なぜならその区画へは、当時でもおそらく数度しか行ったことがなかったから(多く見積もっても生涯で十回以下)。なんたってデートコースですからね。ほとんど私にとって関係のないスペースなのです(^^;。
 でもまったく無関係なスポットでもなかったのですよ。そういえば阪急プラザで「007」をみたなあ。いやもちろんデートですがな(^^;。前にも書いたかもしれませんが、あのときはロビーでくじかなんか引かされて、当たって(というかみんな当たりなんでしょう)ブローチだったかネックレスだったかを買わざるを得ない状況になり、しぶしぶ買ったのは買ったのですが、(後のことを考え)財布の中がとても心配だったのを今思い出しました(^^;。

 話が外れました。今日本篇を喫茶店で読んでいて、あれ、と思ったところがあるのです。変更されている部分があるのではないでしょうか。元版では、曽根崎グループとの確執がもっと具体的に書かれていたような気がしますし、医大助手と別れて逃げた時、非常に印象的なゲームセンター(パチンコ屋だったかも)に迷い込んだ場面があったような。
 あと、ロッカーの秘密通路を抜けて(実はここもあんまり位置関係が甦ってきません。現在とはだいぶ変わっていますよね)、梅田地下センターの西端に出た時、オバチャン(のグループ)に遭遇したのではなかったか。

 で、帰宅してからハヤカワJA文庫版を引っ張り出してきて突き合わせたのですが、意外にも、といいますか、当新潮文庫版と同じでした。
 次にネット版を確認。やっぱり、私が気づいた(と思った)部分はありません。元版と同じでした。
 うーむ。これって偽記憶? それとも、ついにボケが始まったのか(汗)

 話を戻します。今気づいたのですが、大阪を舞台にした小説かずかずあれど、大阪の地下、ウメチカを描いた小説は、本篇以外に私は思い出せません(東京の地下だったら乱歩の「大暗室」があります)。これは(手前味噌ながら)非常に重要な指摘のはずです。
 ちょうど私が「橋の上」を読んで感銘をうけたように、50年後100年後の未来の読者もまた、本篇を読み、20世紀後半に栄えた大阪独特の地下街というシステムに或る種の感慨を覚えるんじゃないでしょうか。

 ラストも大変面白い。本篇が描出した梅田地下街閉鎖は、ゴローを生み出すためのプロジェクトだったのでしょうか。だとしたら地下水湧出は、ゴローを確保するためチカコンが吐いたウソかもしれませんね。しかし、チカコンはなぜそんな(何百人という人死にを出すような)乱暴な手段にまで出てゴローを欲したのでしょうか。本篇(だけ)ではそれは分かりません。 さらにまた、ラストはリドルになっており、ゴロー自身はどっち(地上or地下)を欲したのかも分かりません。
 もしゴローが地上を選択したのだったら、主人公は従ったのでしょうか? 医大の助手は? 内紛が起こりそう、とか、いろいろ妄想が浮かんできてたまりませんなあ(笑)。これはやはり、続編が必要なのではないでしょうか(>おい)(^^;

 

「大阪ラビリンス」読み中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月10日(水)21時21分0秒
返信・引用 編集済
  > No.5793[元記事へ]

承前
 横溝正史「面影双紙」は、面白さで一気に読まされました。道修町の薬問屋に生まれた主人公が語る、母親の役者ぐるいの顛末を描いた陰惨などぎつい極彩色の世界。このまま舞台を江戸時代に移しても(まさに草双紙)違和感なく通用するのではないでしょうか。
 一気に読ませますからこれでいいわけですが、ミステリーの癖で振り返って逆算すると、瑕疵があります。68頁「知ってるぞ、知ってるぞ……」。このあと、母親は息子にどう答えたのでしょうか。なにか応答があったはずで、そのリアクションとしておつるに暇が出されたという展開もありうる。母親と役者の逢引が暫く控えられる可能性もある。しかし本篇ではそういうのは一切ないようで、何もなかったかのように逢引は続けられ、おつるに咎もなく、その結果ラストがある。
 しかし逆に言えば、そういうところをうまく糊塗して、というかそれを劇的転回点として、話を作ってしまっているわけで、むしろ正史の作劇術を褒めるべきでしょう(大体、語られたものであって、語り手が信頼できるかどうか確定できません。満州で消息をきいたというのも、ほんまかな、と思ってしまいます。うまく作ってあります)。
 現代のテレビドラマだったらもっと雑で強引なストーリーもありますよね。ある意味草双紙の読者って、現代のテレビドラマ消費層と重なる面があるのかもしれませんね。

 織田作之助「大阪の女」は、あまり織田作らしくないあっさりした通俗小説で、いわばBORO「大阪で生まれた女」の2番目の歌詞みたいな話。
 本篇も道修町が旧時代の因習的な世界の象徴として観念されています。戦後の新時代の理想(民主主義、平等主義)に「安易」に染まった薬問屋の息子が、息の詰まる旧世界から脱出しようと(旧時代の考えでは)身分違いの娘とともに東京へ行く。それを見送る娘の母親の感慨(前途への危惧)で締めくくられる。この話にもし後日譚があれば、それは織田作らしい話になるんでしょうけど(前日譚はあるようです)。というかこれは長編小説の一部分ですね。
 いずれにせよ本篇は、あっさりと、急ぎ足で進んでいき、ストーリーに陰影があまりありません。

 小松左京「大阪の穴」は、集英社文庫『猫の首』より転載。初読時はこの話が、ガチャ付いているように感じられて評価が低かったのですが、今回再読して、決してそんなことはないことに気づいた。シームレスに内宇宙に移行してしまう構成で、ラストの混沌感は、そのままフリージャズに平行移動しますね(^^;


 

Re: チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月10日(水)13時00分42秒
返信・引用 編集済
  > No.5795[元記事へ]

海野さん
>僕の作品が「公募ガイド10月号」の「実践シナリオ・小説教室19」で、優秀賞になっています。
 またまたの快挙ですね! おめでとうございます(^^)
 読ませていただきました→「廃校の階段」
 いいですねえ。ダークファンタジーですね。映像的(映画的)な世界。海野ワールドの中でも重要な世界のひとつですよね。
 この傾向のを集めて「新・10月は黄昏の国」で出版したいですねえ(「新・闇のカーニバル」のほうが的確ですが、ありがちな感じなので)。

>「小説虎の穴」では佳作という呼び方ですが、ここでは優秀賞と言うらしいです。
 インフレですね。そのうち最優秀賞格とか準最優秀賞とか準々最優秀賞とか、できそうですね(>おい)(^^;

>元祖チャチャヤングショートショート1号をほうふつとさせますね
 そうなのです。それで、あっちは純粋の「きいろ」でしたから、「ひまわりいろ」を注文しました。きいろより濃いと思います。画面上の色での判断なので、実物を見ないとわかりませんけど。

 

Re: チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号

 投稿者:海野久実  投稿日:2014年 9月10日(水)08時52分25秒
返信・引用
  おお、元祖チャチャヤングショートショート1号をほうふつとさせますね。
ごくろうさま。

えーと、一応報告。
僕の作品が「公募ガイド10月号」の「実践シナリオ・小説教室19」で、優秀賞になっています。
最優秀賞以外の10編の中に入っただけですけどね。
「小説虎の穴」では佳作という呼び方ですが、ここでは優秀賞と言うらしいです。
作品は掲載されていないので、間違って買わないようにヾ(´ε`*)ゝ

優秀賞は作品の講評をしていただけるようで、これは郵送で来るんだと思いますが、楽しみです。

http://marinegumi.exblog.jp/

 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 9日(火)22時49分19秒
返信・引用 編集済
   さっきベランダから満月を見ました。今日はスーパームーンですよ。ニュースによれば、「見かけの直径は、最も小さい時より約14パーセント大きく、明るさも3割ほど増す」そうです。
 とか言いながら、ふだん月を見上げる習慣の全くない私には、いま見ている満月が、通常のそれよりどれほど大きいのか、皆目見当がつかないのでした(^^;

 それはそうと、明日登板予定の巨人菅野が、阪神について「今は失速ぎみですけど、乗らせたら怖いのはわかっている。(プレーオフに向け)しっかりと封じ込めなければいけない相手」と話したそうですが、さすが分かってらっしゃる。とりあえず上本が出ると、阪神はノリますから、まずは上本封じですね。
 しかし阪神がノッていけない原因は、他にあります。それは監督の用兵。野球って流れのスポーツですから、「機を見るに敏」にして、見つけた機に「一気呵成」に全パワーを集中することが大事なのは、誰でもわかっていると思います。
 ところがこの監督は、あまり気にしないんですよね。狩野が大活躍しました。これは社会学理論でいうところの「理法勢命」の中の、(実力を超えた)「勢」の突出です。これを利用しない手はないし、というか最優先で使わなければいけません。たいていの勝負師と云われる監督は、上手に利用してきたわけです(例えば去年の日本シリーズの田中マー君)。
 となれば、翌日の試合も先発で当然でしょう(左右に関係なく)。ところが、先発メンバーじゃなかった。私は唖然としました。いま神がかり的に実力を超えたパワー(時限パワー)を持っている選手をなぜベンチウォーマーにする?(もちろん結果はわかりませんよ。でも勢がへなへなとしぼんでしまったのは間違いない事実)
 この監督は、シーズン前半の大和の使い方でもそうでしたが、競合するライバルにできるだけ公平にチャンスを与えようとします。それはそれで間違ってないのですが、「機」を見つけたら、その時は「勢」を傾注するのが勝負です。
 なんていうか、公務員なんですよねえ。10連敗もしないかわりに10連勝もない。それでは優勝に届きませんよね。

 ということで、じゃーん!!(^^;
 この色で行きます。画用紙発注しました。
 
          ↑(あくまでイメージです。実際は多少変わります)

 

「大阪ラビリンス」に着手

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 8日(月)22時22分56秒
返信・引用 編集済
   宇野浩二「橋の上」を読みました。ああこれは好い! 面白かった。

 19世紀末頃の大阪の町を、縦横無尽に流れていた川や運河に、掛かる橋も八百八橋は大袈裟ですが、それでも二、三百はあったそうで、夏になるとその主たる橋には、”氷店”なる屋台が店を広げて、欄干には赤や青の提灯、とりどりの色硝子の四角なランプを吊り下げ、ランプの隣にはチリンチリンと硝子風鈴も涼やかな音を立てて、夕涼みに訪れる客相手に、氷水や雪や氷あずきを供して、当時の大阪の夏の風物詩だったようです。
 いやこれ、風情があっていいですねえ。情景が目に浮かんできます。

 主人公(というか作者)は、子供の頃、夕涼みに母親に連れられて、あちこちの橋の氷店を訪れたそうですが、とりわけ記憶に残っているのがE――橋。就中その橋詰に据えられた(縞モスリン屋の)電飾広告。それが一筆書きのように豆球が灯って顔を描いていき、最後に口から赤い舌がパッパッ出たり入ったりするさまに、当時六、七歳の主人公は魂を奪われたように見惚れてしまうのでした。

 E――橋って、たぶん戎橋ですね。そして電飾広告が立っていたのは「南詰」(40p)の「向かって左手の岸」(38p)とありますから、現在の”かに道楽”の川に面した壁面あたりでしょうか。なんとなく右手のグリコの広告あたりだったんじゃないかな、と思いながら読んでいました(^^;。

 で、南の方を見れば、通天閣に日立の電飾*が輝いていたのだろうな、と妄想したのですが、宇野浩二が六、七歳なら1897〜8年ですから、通天閣もルナパークもまだ開店していませんね(1912年オープン)。
 しかも、電飾広告が取り壊されたのが日韓併合(1910)直後ですから、実のところ通天閣(1912〜)とこの電飾広告(〜1910)は同時期に存在したことはなかったんですねえ。

 *あ、当時はライオン歯磨だったのか!
 

 また、「茶屋町」という地名が出てきますが、キタの茶屋町である筈がありません。ミナミの地図に茶屋町は見つけられませんでした。おそらく花街であった宗右衛門町あたりでしょう。

 難波停車場(という語感もグッド(^^;)から郊外電車一時間たらずで住吉とあります。これは南海線でしょうか、阪堺線でしょうか。難波とあるから南海線でしょうね。いずれにしても開通して間もない頃だと思われます。でも一時間もかかるんだったら、路面電車かと思ってしまいますよね。
 南海ではなく、阪和電鉄(現JR阪和線)で、しかも1926年以降の例ですが、天王寺・阪和浜寺間16分ですから、1時間というのはいかにも遅いような気がしますね。
 
 まあこの阪和電鉄は、「超特急」が売りの、当時日本最速の鉄道会社だったんですけどね(笑)
「南満州鉄道の著名な特急列車「あじあ」号(1934年運転開始)は蒸気機関車牽引の客車列車ではあるものの、標準軌路線での運転で表定速度82.5km/hであったが、阪和超特急は狭軌線ながらそれにも匹敵する水準に達していた。」(ウィキペディア)

 

Re: 「神戸ミステリー傑作選」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 8日(月)01時18分38秒
返信・引用
  > No.5791[元記事へ]

深田さん
>「久坂葉子がいた神戸」展
 知らなかったです。いま調べたら、12月までやっているんですね。十分余裕がありますが、しかし神戸は当地からあまりに遠い(往復の電車だけで4時間弱)。あ、野村さんの顔を久しぶりに見に行きがてら、寄ることにしましょうか(^^;

 三枝和子は山野浩一も評価していて、NW-SFで対談もしています。このショートショートもいいですよね。


 

Re: 「神戸ミステリー傑作選」読了

 投稿者:深田亨  投稿日:2014年 9月 8日(月)00時45分21秒
返信・引用
  > No.5790[元記事へ]

神戸文学館で開催中の「久坂葉子がいた神戸」展を見に行った帰り、うみねこ堂書林に寄って、野村さんと「神戸ミステリー傑作選」の話をしました。
管理人さんが陳舜臣と野村さんの文章を比較されていたので、その話になったのでした。
野村さんも三枝和子のはいいですねえ、と言っておられました。
うみねこ堂にもご当地ミステリー傑作選は何冊か並んでいましたが、神戸のはなかなか古本市場に出てこず、入荷してもすぐに売れてしますそうです。
 

「神戸ミステリー傑作選」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 8日(月)00時13分37秒
返信・引用 編集済
  > No.5789[元記事へ]

 三枝和子「街に消えた顔」は、「梅雨のトアロード」「秋風メリケン波止場」の2篇の神戸幻想ショートショート。ああ、これはしびれますー。二回続けて読み、堪能しました。
 まさに《風の翼》テイスト。できることならば《チャチャヤング・ショートショート・マガジン第2号》に転載したいくらい。神戸競作に合わせるにぴったりな作品です。いや、高校生の私だったら確実に転載していますね(^^;
 この作品、みなさん読まれているんでしょうか。案外有名な作品だったりして。でもとりあえず、こっそりコピーを配布します(>おい)(^^;→こちら *ただし数日で削除しますね。
 この作品を読めただけでも、本書を読んだ甲斐があったというもの。わずか1メートル横に、10年以上ひっそりと鎮座していて、『大阪ラビリンス』が遅れなかったら、ひょっとしたら一生読めなかったかも、と思うと、なんと人生の偶然に左右されるものか、とうたた感慨を禁じえませんねえ(^^;
 追記。あ、忘れていた。著者は関学出身。ですから堀さんの所謂阪神間のSF(幻想)作家の要件を満たしているのでした。

 島尾敏雄「石像歩き出す」、これも面白い。『夢の中の日常』から転載とあります。えー、覚えてない。忘れたのでしょうか。それとも読んだという記憶が偽記憶? 確認も兼ねて読み返してみよう。
 それにしても、数十年前に読んだ(と記憶している)本は、すべからく読んだかどうか確認のために再読すべきかも(^^;。

 眉村卓「須磨の女」。あれー? 名作品集『異郷変化』収録作品なのに、読み終るまで遂に筋を思い出せなかった。木の精が地方ラジオ局でパーソナリティをしているという話なんですが。私は本当に『異郷変化』を読んだのでしょうか。心配になってきました。
 しかしながら、「中之島の女」とか「風花の湖西線」とか、スラスラとタイトルが出てくる(内容もうっすらと記憶している)ので、たしかに読んでいる筈なのです。当短篇集も要再読であるなあ(ーー;
 しかし、おかげでこの名短編を、初読さながらに味わうことができたのは儲けものでした。健忘万歳です(>おい)(^^;。

 陳舜臣「幻の不動明王」。昭和45年初出ということで、オウム以前の、西海岸ヒッピー的な瞑想集団が舞台。すべてのピースがピタピタピタッと嵌って、しかもラストで、教義からくる或る情動があります。間然するところなき傑作というべき。(註)先回、著者を本書の選者と書きましたが、違うみたいです。解説担当の関口苑生が中心になってセレクトしたアンソロジーのようです。

 ということで、陳舜臣 他『神戸ミステリー傑作選』(河出文庫、86)読了。
 いよいよ明日から『大阪ラビリンス』に着手。

 

「神戸ミステリー傑作選」読み中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 7日(日)01時24分20秒
返信・引用 編集済
  承前
『神戸ミステリー傑作選』より、千代有三「痴人の宴」と、森詠「真夜中の東側」を読みました。
 前者は探偵作家クラブ(現・日本推理作家協会)新年会恒例であった犯人当て小説として作られたもの。
 この犯人当てクイズみたいなの、ミステリ研究会などでよくやってますよね。こういう性向が私には皆無で、正直どこが面白いのか、と思っちゃいます。要するにミステリファンではないということでしょう。
 本篇も、まさにパズルとして作られているので、ストーリーにグルーヴ感がなく、退屈でした。というか、冒頭、主人公が甲子園浜で佇んでいる場面、「左手の紀伊半島が次第に影を深め、右手では六甲の背に大きな陽が沈んでいくにつれて」でげっそりしたのが尾を引いたかも。いくらなんでも紀伊半島はないでしょう(汗)

 後者は、ジャズ小説で、意外によかった。でも冒頭「生演奏に替って、スピーカーからレコード曲が流れだした。MJQの「プレイ・バッハ」」でがっくり(「プレイ・バッハ」は事実上ジャック・ルーシェの(C)で、MJQが使うはずがないと思うのですが、念のため調べました。「ブルース・オン・バッハ」はありました)。こういうのって、あんまり具体的な曲名を書くのは避けたほうがいいですね。もちろん根っからのジャズファンの作家はこの限りではありませんが、ケアレスミスを防ぐ意味だけではなく、読者によっては、ここでその曲は違うやろ、となる場合が大いにあり得るからですね。
 それであまり期待していなかったんですが、港、ジャズ、ヤクザの神戸三題噺になっていて、やはりこれだけ揃えれば、面白くなりますよね(^^;

 

Re: 花笠道中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 6日(土)23時52分56秒
返信・引用 編集済
  > No.5787[元記事へ]

トマトさん
>あの「花笠道中」が入っていました。
 美空ひばりは、わたし的にはなんといっても「真っ赤な太陽」with ブルーコメッツですね(^^ゞ

 

 私が作ったMIDIもどうぞ(笑)→真っ赤な太陽


 

花笠道中

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月 6日(土)19時28分35秒
返信・引用
  今日、図書館にいっていきました。
収穫は・・・美空ひばりのCDです。
あの「花笠道中」が入っていました。
親父在りし日を思い出しますね・・・。
それはあの、白黒テレビ時代です。

そんなこんなでオハナシをまた作ってしまいました。






家庭内北朝鮮興亡史


 千葉県船橋市のこの家の二階部分は家庭内北朝鮮に実効支配されている。
最近とくに荒れているらしく、夕べは夕食中一階の食堂にミサイル攻撃してきた挙句、二階では一晩中核実験をやっていた。おかげでほとんど眠れなかったし隣近所にも迷惑だ。
 思えば家庭内北朝鮮成立の背景には患者に対して期待通りの結果の出せない精神科の臨床という問題があった。家庭内北朝鮮でもあるキム第一書記はもともとしがない精神科医。精神保健センター勤務医として日々患者さんの気が滅入るようなお話を聞いていたが、
「ワタシはこんなことをするような人間ではない、特別な才能があるんだ。」
としてさっさとセンターをやめてはこの家の二階で読書と執筆活動を開始した。その当時の起床時刻は正午ごろだったが最近は
「鼻子と餡」
という朝ドラを見るために八時ちょっとまえに起床する。そして朝食に過糖フレンチトーストと味噌汁を飲んで、再び平壌ともいわれている二階へと移動、就眠する。
さて、家庭内北朝鮮が荒れている原因がわかった。というのも二階を震源とする核実験の地震を観測したと思ったら目茶苦茶に破かれた「文学界」と印刷された紙片が降ってきたからだ。つまりまたまた自信作を文芸雑誌「文学界」に投稿してポツになったらしい。

 そして私たちは決意した。極秘裏に神奈川県大和市の家に引っ越すという計画だ。そして少しづつ気が就かれないうに大和市の家に荷物を運んだ。そして引越し完了。この大和市の家には家庭内北朝鮮は存在していない。
 以前の船橋の家はどうなったか・・・そんなことは知らない。家庭内北朝鮮がどうなったかもしれない、だいたいそんなもの、最初から存在していなかった・・・ことにしたのである。うわさに聞くと、船橋のあの家には特設リングが設けられ、(餡と匂う)猪木議員主催のプロレス大会が開催されているという。そこにはビューティペアとピンクレディのタッグマッチが行われたそうだ。ピンクレディのケィがお腹を殴られてリングの外でうずくまっている。それを観客である船橋のおじさんたちがケィのお尻や胸を触っているという光景が見られた。




町内ガサ地区 ダンナが二人居る家庭

 去年の4月、隣にとある一家が引っ越してきた。
小柄な御主人が段ボールを運んでいた。がこの御主人、やけにお尻が大きく胸も膨らんでいる。すると夜になって背の高いダンナさんもやってきて一緒に段ボールを運んでいる。
どうも私がダンナさんと思ったのは性別な♀で実は奥さんだったのだ。一人の背の高いダンナは朝、仕事に行く。
この小柄なダンナは人の家を興味深そうに除きこんでいる。なんだか観察しているようだ。
「なんだか隣のあの人、ヤだ。」
と娘たちが言う。
そしてこの小柄なダンナさんはやたら近所の男の子たちを家の中に集めている。隣の家にはあっという間にガキの自転車が五、六台。午後になるとギャーギャーうるさく隣の家からミサイルやロケット砲が発射され、また頻繁に核実験をやっているらしくガシャーンとうるさい。
 どうも隣の「小柄で胸とお尻が大きなダンナ」がガキと一緒に騒いでいるらしい。この子柄で胸とお尻の大きなダンナ、いったいどういう脳みそなのだろう・・・と思っていると、事態はさらに深刻化した。
 隣から工作員のガキが進入してきて人の家の敷地に侵入したり、我が家で買ったばかりの真っ赤なアウディA3にベターッと手を着いてプロレスをしたり、ウチのカミサンが大事にしている家庭菜園のイタリア野菜をメチャクチャにしている。しかしとなりの「小柄で胸とお尻の大きいダンナさん」は涼しい顔。
「男の子は腕白のほうがいいんでっさい。」
だとか
「腕白のほうが男の子らしくていいでっさい。」
といっている。そして隣からはガキの工作員が潜入しては洗濯物として干してある下の娘のブラジャーを振り回している。

 それである決意をした。私は軍の特殊部隊を派遣して隣の「小柄で胸とお尻の大きいダンナさん」を拉致してくるような指示した。早速特殊部隊は「隣の小柄で胸とお尻の大きいダンナさん」を拉致してきた。
 で観察すると髪は短くいつでもすっぴんで服装もグレーのティシャツによれよれジーパンで、服を脱がせなければどう見ても♂だ。確かに服を脱がせて見るとやはり肉質シリンダーは存在せず代わりにクラムが存在しているので、やはりダンナさんというより生物学的には奥さんらしい。
そして私たちは積年の恨みとしてこの「隣の小柄で胸とお尻の大きなダンナさん」に電気ショック療法というものを行う決定をした。痴漢よけに娘が持っていたスタンガンを隣の「小柄で胸とお尻の大きなダンナさん」のクラムに押し当てたのである。しかしクラムは一向に湿潤しない。どうもこの人、感じないらしい。
さらに特殊部隊は機関銃を持って隣のうるさいガキどもに機銃掃射をした。その光景は「セーラー服と機関銃」の「快感」というに等しいものだった。

 すると背の高いダンナが帰ってきたので私は上の娘に
「隣の背の高いダンナをハニードロップせよ。」
と指示した。上の娘は
「了解」
と敬礼したのちに早速ピンクのビキニに着替えた。
「ほーっ。これは良質の女性だ。」
とそれを鑑賞していた隣の「隣の背の高いダンナ」のズボンの前は富士山のように隆起しはじめた。そしてこの状態は持続したので、上の娘はこの富士山を手でいじり始めた。するとまもなく隣の背の高いダンナの口から「ああっー。」という音声が発せられ、富士山山頂部分が白く冠雪した。

こうして背の高いダンナはキャバクラ嬢と駆け落ちしてめでたしめでたし。

http://porcini.web.fc2.com/2014_08_12.html

 

眉村さん情報:日経連載第10回

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 6日(土)15時10分54秒
返信・引用 編集済
  日経新聞の眉村さん連載エッセイ第10回「電車で思考」が、昨日(9/5)の夕刊に掲載されました。
 クリックで全文

 以前のエッセイに、散歩していると、だんだん早足になり、前の人を抜かずにはいられない。気がつけばひいひい汗だくで飛ぶように歩いている、というお話がありましたが、けっきょく同じですね。年齢とともに手段が変わっただけで(笑)
 そういえば眉村さんの主人公たちも、たいていそんな感じですよね(>おい)(^^;。

 

「神戸ミステリー傑作選」に着手

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 6日(土)01時27分25秒
返信・引用 編集済
  『賢女の呪い』を想定より早く読み終わってしまったために、次に読むべく注文した『大阪ラビリンス』がまだ届いていない、という空白状態が起こってしまいました。
 はてさてと、ふと机の横の本棚を見やったところ、なぜかぱっと『神戸ミステリー傑作選』という背表紙タイトルが目に飛び込んできました。
 実はその本棚は眉村卓関連本の本棚でして、当傑作選には眉村卓「須磨の女」が収録されており、その関係でその棚に収められていたわけですが、本としては未読のその背表紙のタイトル文字が、ギラッと光って(と感じられた)目に突き刺さってきた。
 ああこれは、大阪の前に神戸を片付けておけということだな、「そして大阪」ということだな、と解して手にとった。
 まずは編者、陳舜臣の巻頭エッセイ「ミステリーの似合うまち」
「神戸はミステリーの似合うまちである」
 と言う冒頭を読んで、おや、どっかで読んだような、という既視感が。
 あれかな、と、現うみねこ堂書林店主野村恒彦さんの『探偵小説の街・神戸』を引っ張りだす。
「神戸は探偵小説の街である」

 以下。
「外国の商船は船内図書館の本が古くなれば、神戸で古本屋に払い下げられることが多かった」「おそらくミステリーが主な柱であったのだろう」
「神戸市内の古書店で、海外の探偵小説を数多く見かけた。そのほとんどがペイパーバックであったが、何よりもそれらの本が古書店の書棚に並んでいることに違和感を覚えないどころか、かえって棚に見かけない方が不自然に思えたのであった」

「若き日の横溝正史は神戸に住んでいて、探偵小説好きの仲間と、よくそんな古本屋で英語のミステリーを漁った。仲間の一人に、横溝の友人の兄西田政治などもいたのである」
「神戸出身の作家と言えば、当然横溝正史の名前がうかんでくるだろうが、西田政治、山本禾太郎、戸田巽、酒井嘉七と言った名前も忘れることは出来ない」

 で、
「やがて『新青年』を介して、彼らは江戸川乱歩とも知り合い、日本のミステリー界の開拓者となった」
 一方、
「(守口に住んでいた)乱歩、正史、政治の三人が邂逅して、乱歩が東京へ行き、続いて正史が乱歩の誘いで東京へ居を移してしまうあたりから、戦後の昭和22年7月に神戸探偵小説クラブが結成されたあたりまで、神戸は探偵小説の表舞台から身を引いてしまったように思える」

 かかる新青年偏重の通説に対して、
「しかし、本書に述べるように、実は(神戸から発信された:管理人註)「ぷろふいる」という雑誌を通じて、神戸では探偵小説愛好の情熱は脈々と続いていたのである」
 という事実を実証してみせたのが、野村氏の『探偵小説の街・神戸』なのですね。この見方は陳舜臣のエッセイにはありません。野村氏の新解釈と言ってよいでしょう。

 閑話休題。
 ということで、まずは冒頭の中編、高木彬光「黒い波紋」を読む。
 強制送還者を乗せた貨物船が神戸港に到着そうそう、当の強制送還者が殺害されてしまいます。タクシーのトリック、カンでわかっちゃいました(^^ゞ
 

「賢女の呪い」読了

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 5日(金)19時01分9秒
返信・引用 編集済
  ダンセイニ卿『賢女の呪い』稲垣博訳(盛林堂ミステリアス文庫14、初刊1933)読了。

 承前。面白かった。嵐が機械や工場を吹っ飛ばす三十二章が圧巻。これはもはやゴジラですね(>おい)(^^;。ただしその現象が、超自然現象とも自然現象ともどっちとも取れるところが、主人公(≒卿)の立ち位置を示しています。
 後年の主人公は現実主義者となっています。274頁「そして弱小国家が繁栄する場合は(……)強大な隣国の利益に合致しているのが常なのである」の強大な隣国とはいうまでもなく英国。この記述で主人公が、急進的な民族独立運動とは一線を画した立場だったことがわかります(事実、融和的なアイルランド自由国の主席となる)。

 ここで最初に戻って、主人公の父親は一体誰に(いかなる組織に)襲撃されたのか。それはまったく明示されません。政治に深入りしすぎたからと襲撃者が言うばかり。想像を逞しくしますと、おそらく襲撃者は、急進的なアイルランド独立運動の一派でしょう。もしそうなら、父親は穏健派の立場で(民衆よりは領主の立場で)政治活動をしていた。

 解説を読むと、一神教と汎神論の葛藤ばかり論じられていて、政治性が捨象されていますが、片手落ち。独立主義者とアイルランド人ながら親英的な領主層との対立関係を考慮しなければ、この物語は読み取れないのでは。
 つまり[キリスト教(カトリック):アニミズム]という軸と、[親英派:民族派]という軸との二重構造を考慮しなければならない(さらに[近代:反近代]を加えてもよい)。

 たとえば襲撃者たちはキリスト教且つ民族主義者であり、マーリン親子はアニミズム且つ民族主義者ですから、民族主義者としては同じでも、決して手を組むことができない。
 そういう複雑性が本書にはあるにもかかわらず、著者の筆は、いかにも幻想小説家らしく明示を避けた筆法なのでさらにわかりにくい、というのは、私が21世紀の日本人だからで、同時代のイギリス人やアイルランド人には自明だったかもしれません(^^;

 主人公はかかる3つの対立軸の交点に位置する。すなわち、キリスト教とアニミズムの間で揺れ動き、イートン校に通うイギリス紳士の卵であり、しかして近代と反近代では反近代の立場、というヌエ性を帯びた存在なんですね。
 たぶんそれがダンセイニの偽らざる現実だったんでしょう。それを単純な物語化せず正直に描写しているので、本篇は分厚い重層性を獲得した作品になっているわけです。
 重層的すぎて俄にわからないところもあります。ラストで功成り名を遂げた主人公は、襲撃者の一人と再開するのですが、彼が影でバックアップしてくれていたことがほのめかされる。襲撃者は急進派ではなかったのか(だから50年前、襲撃者は主人公の屋敷の使用人達に匿まってもらえたのです)。このへんの政治事情はわかりません(その辺こそ、解説してほしいところです)。
 と言う次第で、充分に楽しめたのでしたが、私にもう少し愛英間の政治的、宗教的知識があれば、もっと深く面白がれたのではないかなと、それが少し残念に感じました。
 

チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 4日(木)20時03分53秒
返信・引用 編集済
  > No.5782[元記事へ]

トマトさん
>自覚症状ないから
 あ、そうなんですか。だったら私のは肝臓ではなさそうですね(おい)(^^;


 西さんの玉稿が届きましたよ(^^)
 さっそく読みましたが、おお、モダン神戸・西ワールド!
 旧居留地外国人商館の使い走りの若い衆が見たのは!?
 平谷さんの横浜居留地ものと並べて読みたい(笑)
 はっ。となると、今号でいよいよ神戸トリロジー、神戸大三角が、実現するかも。
 楽しみ〜!!(あ、せかしているわけではありません。どうぞじっくりと)


 
 

Re: 『肝女の呪い』

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月 4日(木)19時07分30秒
返信・引用
  ウチのオヤジみたいに慢性肝炎→肝硬変になっちゃうともうアウトですね。
肝臓ってかなりひどくなっても特に自覚症状ないから秋にクニに帰ったときは親父も肝硬変って言われても山にキノコ採りに行ったり元気でわいわいやっていました。
でも年末に帰ったらすごく弱っていて年明けて二月に血を吐いて死んじゃいました。



http://porcini.web.fc2.com/2014_08_12.html

 

Re:サイン本

 投稿者:段野のり子  投稿日:2014年 9月 4日(木)13時10分47秒
返信・引用
  >薬師丸ひろ子版「ねらわれた学園」試写状
まだ、持ってますよ。家の中を探し倒せば出てくるはずです。(何枚か、当たりました。試写には、眉村さんもゲストで来られていました)
 

眉村さん情報:「オバケコーラスだ」

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 4日(木)03時11分38秒
返信・引用
  元ツイート

 

Re: 「賢女の呪い」読み中

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 3日(水)22時51分18秒
返信・引用 編集済
  > No.5765[元記事へ]

承前こちらも。前回、マーリン=社会主義者仮説を述べました。
 しかし、前回も引用し、仮説の根拠とした
「マーリンにとっては、静寂で穏やかな日々、そして悔悛を経て天国へと向かうような道は無縁であるということであった。彼は斯様なものには背を向け、若さがもたらす栄光にのみ想いを向けており、天国への救済などは一切知らぬ若者の夢がその国の歴史であるような国をいつも切望していたのである。その時私は彼を救うための最後の言葉をかけようとした。しかしその言葉が私の口から発せられることはなかった(……)マーリンの魂が救われないことを覚ったのだ」(117p)
 の、「若さがもたらす栄光」(117p)の「若さ」は、ひょっとして「常若の国」の意味なのかも、と思い直しました。いうまでもなく、「常若の国」とはティル・ナ・ノーグの別称です。そうだとすると、マーリン=社会主義者論は瓦解するなあ。
 と思いつつ読み進めて17章。やはり仮説は間違いでした。
 ここにきてマーリンとマーリン母が一心同体ではなかったことが明らかになります。マーリン母が幻視した都市は、現実の(未来の)アイルランドが自由になった(独立した)暁に造られる都(アイルランド島の中にある)で、マーリンが見ているのはティル・ナ・ノーグ(アイルランド島の西方海上にある)。つまりマーリンは唯物的な社会主義とは程遠い人物であることがはっきりしました。むしろ母親のほうが現実派だったのです。
「アイルランドのためだよ」マーリン婦人が叫んだ。(177p)

 しかし、当初、輝ける未来を幻視したマーリン母ですが、次に主人公が訪れた時、その占いに、予知のヴィジョンに、違う相が現れたのです。「ああチャールズ様、チャールズ様、私の言ったことは皆、お忘れ下さい」(164p)
 はたして、マーリンが管理する湿原に、アイルランドの湿原に普通に存在するピート(=泥炭)を機械で固めて石炭にし販売する「ピート開発組合」が、道路を敷設して機械を持ち込み据え付けたのです。
 この辺、ダンセイニの機械文明嫌いの、そもそもの契機こそ、このようなかたちで、ダンセイニにとって神聖なる狩猟の場である湿原に傍若無人に入り込んできた機械文明だったことを想像させますね。
 

眉村さん情報:サイン本

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 3日(水)21時29分4秒
返信・引用
   元ツイート
 まだ残っていたのか。それとも再入荷したのでしょうか(^^)

 

『肝女の呪い』

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 3日(水)18時38分9秒
返信・引用 編集済
  > No.5776[元記事へ]

トマトさん
 ほんと、そうらしいですね。
 知り合いが去年今年二人も肝臓で病院に担ぎ込まれたのです。
 一人は保険屋さんで、同い年で、一年に一回顔を合わせるのですが、去年の正月に会った時、なんか老けこんだなあ、と見た瞬間思ったのです。
 それが、今年の正月に会ったら、入院していたと。
 保険屋さんですから、病院まわりをしていて、ナースさんに一発で見抜かれ、そこも病院なんですが、えー細かい話は忘れましたが、救急車を使ったほうがよいとアドバイスされ、それで運び込まれた病院で、問答無用で入院させられてしまったのだそうです。飲酒厳禁。飲んだら死ぬ、と脅されて、退院したら、こんなに体が軽かったのかとびっくりした由。飲むのが仕事みたいな職業ですが、最初の乾杯だけ口をつけて、あとは毎回説明し、ウーロン茶のピッチャーを抱え込むと、誰も無理強いはしないそうです。老けたと思ったのは見立て違いで、窶れていたんですね。今年会った時はマシな顔になっていました。

 もう一人は今流行の水なす漬け屋さんで、ひとつかふたつ下。私の取引はそっちですが、本業は焼き鳥店経営で、やはり飲むのが仕事みたいな人。ある日、仕事場で動けなくなり、救急車で運び込まれ、やはり即入院。今は、こんなにサワヤカだったのか、と同じようなことを言い、もちろん禁酒は継続中で、しかしもはや禁酒という意識はなく、全然ほしいとも思わなくなったそうです。

 両者とも本当にアブナかったみたいです。私は多分、そこまでヒドくはないと思います(>おい)(^^;
 

Re: 『賢女の呪い』整理

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月 3日(水)17時42分4秒
返信・引用
  管理人さん、お身体お大事にしてください。
肝臓、慢性化するとマジでヤバイです。
ウチの親父も肝臓で逝ったです。医者の言うこと聞かずに酒飲んで。役所やめてから夕方四時頃から茶の間でテレビみながら飲んでいました。

http://porcini.web.fc2.com/2014_08_12.html

 

『賢女の呪い』整理

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 2日(火)22時14分53秒
返信・引用 編集済
  段野さん
 了解しました。そのほうがいいかもしれませんね。みんなに読んでもらったほうが。

トマトさん
>何とか生きています。(^_^;)
 私も、涼しくなって体がホッとひと安心したのでしょうか、暴飲もしていないのに、年末みたいに肝臓のあたりが痛くなっています。
 去年のような残暑にならないよう祈るばかりです(^^;

 『賢女の呪い』、ここでちょっと整理。
 ダンセイニの自伝小説とのことですが、完全な自伝ではなさそう。
 作品の時代はディズレーリとかハルツーム陥落の頃となっていますから、1885年頃で、主人公は16歳から17歳。
 一方、ダンセイニ自身は1878年生まれなので、1885年時点では7歳なんですね。
 それから主人公の家系ペリドール家は、ジェームズ2世と行動を共にした、つまりカトリックであること。
 ではダンセイニ自身はカトリックだったのかどうか。日本語版ウィキペディアではわからないのですが、英語版では先祖にローマ大司教がいるとなっており、そしてそもそもプランケット家はノルマンコンクエストでアイルランドに来た一族のようですから、カトリックなんでしょう。
 しかし日本語ウィキペディアによれば、イースター蜂起ではダンセイニはイギリス側で弾圧にまわったとなっていて、よくわかりません。
 主人公の父が選んだ逃亡先が(この経緯がまだ不明なのですが)、フランスだったのは、ノルマンの縁でなのだとしたら、納得です。

 追記。あ、違った。ダンセイニ一族の聖オリバー・プランケットはアーマーの大司教。アーマーの大司教ってアイルランド国教会の最高権威らしい。アイルランド国教会てのがあったのか。国教会だから大教主かも。アイルランド国教会は英国教会的な折衷派のようです。だったらやはりダンセイニは、主人公とは違ってカトリックではない。ダンセイニがイースター蜂起で英側についたのも理解できる?

 

Re: 《チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号》締切日(一応)

 投稿者:トマト  投稿日:2014年 9月 2日(火)18時44分31秒
返信・引用 編集済
  管理人さん、どうもどうもありがとうございます。
何とか生きています。(^_^;)
みなさん、チャチャヤングで盛り上がりのところ失礼しました。(^_^;)

http://porcini.web.fc2.com/2014_08_12.html

 

≪チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号≫締切日(一応)

 投稿者:段野のり子  投稿日:2014年 9月 2日(火)13時44分52秒
返信・引用
  管理人様
先だってお送りしました原稿にて、作業をすすめて下さいませ。
よろしくお願い致します。(遅くなりましてすいません)
 

Re: 《チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号》締切日(一応)

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 2日(火)10時10分59秒
返信・引用 編集済
  > No.5771[元記事へ]

和田さん
 きのうは10時半頃、本でも読もうとソファーに寝転んだら眠ってしまい、3時頃目が覚めたのですが、そのまま本格的に寝てしまいました。涼しくなったからでしょうか。

>水曜日(3日)には仕上げて送れると思いますので
 難しい注文をお願いしてしまい、恐縮です。楽しみにしております。
 

Re: 《チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号》締切日(一応)

 投稿者:和田宜久  投稿日:2014年 9月 2日(火)00時20分24秒
返信・引用
  > No.5770[元記事へ]

あとイラストだけです。
下書きは出来ましたので、定休日の水曜日(3日)には仕上げて送れると思いますので、よろしく。
出来上がりが楽しみですね〜
 

Re: 《チャチャヤング・ショートショート・マガジン2号》締切日(一応)

 投稿者:管理人  投稿日:2014年 9月 1日(月)21時16分27秒
返信・引用
  > No.5769[元記事へ]

 岡本さんからも原稿到着!
 いいッ!!
 センス・オブ・ワンダー炸裂。なのにほろ苦い。しかもオマージュ(タイトルで一目瞭然)。
 あー、あらすじを語りたくてしかたがない(^^ゞ

 前号寄稿者は全員書いていただけました(待ち分含む)。
 この感じだと、ボリュームもほぼ前号と同じくらいになりそうです。
 まだ間に合うので、これまで書いてくれていない方も、ぜひ!
 



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